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悪劣なる思考sideドS女
気味が悪かった。
急に現れて告るなんて頭がイカれている。
でも、それも仕方ないと思う。
だって、私可愛いもの。
絶世の美貌、スタイルを持つ私に惚れない男なんているはずがない。
これは魅力的な私が招いた不幸。
そう思えば彼は哀れな子羊ね。
私に振られるというのに成功すると夢見ている愚鈍な男。
そうね。ただ振るだけではつまらないわ。
希望を持たせ、期待を高めに高めてから絶望の淵に落とす。
「あはっ♪」
それはふと思い付いたとは思えない素晴らしいアイデアであった。
愚鈍な男を見上げる。何も考えてなさそうな馬鹿面の内ではきっと、私とのデートでも夢想しているのでしょう。
愚かすぎて笑いたくなる口元に手を宛てがい堪える。
「ふふ、急に言われても困ります。ですが、えぇ、ですが、お友達からなら始めても良いでしょう」
「本当ですか?」
「えぇ、私は嘘を吐きません」
「なら、お友達からよろしく頼みます」
「はい。私を落とせるよう頑張ってくださいね」
お互い握手を交わす。
片や依存先を求め、もう片方は甚振ることを考え笑い合う。
互いに目的は違えど、そこだけを見ればまるで青春の一瞬。
ラブコメを予感させる場面であった。




