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つ、づ、き

彼の1日は電話から始まる。


プルルルルル――。


『ただいま電話が繋がりません。電波が届かない状況か、電源が入っていない状態です。改めて……』


プルルルルル――。


ここでちょいと細工。


ガチャ。


「ハロ!今日も1日が始まります!!」

『なんで……』

「早く会えるのが待ち遠しです!!」

『ひっ!!』


ピー。ピー。ピー。


彼女は恐怖していた。

彼がこんな狂人だとは知らなかったからだ!

布団の中、彼女は震える。


(なんなのなんなのなんなのアレ!?怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!)


あぁ、なんて可哀想な方でしょう。

有象無象と侮ったばかりに恐怖のどん底にいる。

やり直せたならどれだけ良かったか。

彼女は今、物凄く後悔しながら震えている。


『そんな姿も可愛らしい!!』

「あひゃ!?」


音の発生源はスマホ。

通話を切ったはずなのに繋がっている。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


一生懸命に謝る彼女。

鼻水滴しながらスマホに懇願する姿はなんと情けないことか。

今の彼女を見たらきっと、どんな人でも馬鹿にすることだろう。

えぇ、ですが……彼だけは貴女を馬鹿にしない。


『そのお顔も可愛らしい!!ああ!!直接拝めないのが悔しい!!早く!早く速くはやく!!負けを認めてくださいね?』

「ひぁ……!」


もう彼女の心は屈していた。

言葉に出せなかっただけで、もう負けを認めているというのに――言葉にしなかった。

ただそれだけで彼女の地獄は続く事になる。

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