息抜き《別》
どん底からの。あれ久しぶりに読んで面白かったから今連載してるの終わったらやろっかなと思ってます。
それに向けて試作がてら作ってみました。
「惨めなものだ」
皇帝として臣下を導かんと邁進した果てがこんな終わりとは。
「なぁ、そうは思わんかミノタウロスよ」
「フゥー!フゥー!ブモォォオ〝オオ〝オ〝オ〝オオオ!!」
「はっ」
愚痴を聞いてもくれないとは、薄情者だ。
ミノタウロスが突撃する。抗う気はない。いや、失われたと言うべきか。
ミノタウロスとの戦闘で既に身体はボロボロだった。
立つこともままならないこの身体でどうやって立ち向かえば良いと言うのだろう。
俺に出来るのはただ死を待つだけだ。
「こんな結末になるのなら皇帝になぞならなければ良かったと、つくづく思う」
皇帝になるべくして成った。
拒否権などあるはずがない。
幾ら過去をやり直そうとその運命は覆らない。
理解していながらそんな言葉が口を突いたのはきっと、虚しいからだろう。
心を殺してでも努力して来たものは臣下の裏切りによってあっさりと崩れ去った。
民から罵られ、泥水を啜る思いで辿り着いたこの場所で俺の生は終わる。
あまりにも滑稽な結末に笑みが漏れそうだ。
「くくっ」
何もかも奴らの思惑通り。
俺はその手の平で踊らされた傀儡か。
こんな時にアイツが居れば。
そんなたらればを何度思ったことか。
目の前に迫るミノタウロスを見る。
「最後に一矢報いるぞ」
ただ殺られてやるつもりはない。
手負いの獣の恐ろしいしさを身を持って教えてやる。
貴様の死を持って俺への花向けとしてくれよう。
魔力を循環する。早く、速く。
身体が熱を持つ。息が荒くなり、目がチカチカとする。
活発化した魔力に身体が耐えられないのだ。
爆発する寸前で勢いを維持する。
本来なら到底不可能な芸当を土壇場で成功させた。
「はは……あの時は無理と言ったが案外なんとかなるものだ」
俺が出来たのならお前も出来るはずだ、そう語ったアイツの顔が思い浮かぶ。
あの時、理論を聞いておいて良かった。
ミノタウロスの蹴りが俺の腹を貫く。
強烈な痛みに顔を顰めた。
「がっ!!!」
意識を失いそうになる。
だが、まだだ。まだ終われない。
維持していた魔力の動きを加速させる。
「ウゴッ!?」
今さら危険に気付いたミノタウロスが逃げようとする。
「ニガズドォ……オ〝モウガァ!」
死力を尽くしてミノタウロスを脚を掴む。
お前だけは逃がさぬ。
ミノタウロスは振りほどこうと腕を振り下ろすが、もう遅い。
“臨界”
いわゆる魔力暴走と言われるこの現象は、制御仕切れなくなった魔力が爆発へと変じることによって起こる。
魔力量にもよるが、都市1つを吹き飛ばした実績がある。
それを俺の魔力で行えばどうなるか。
見届けられないのが残念でならない。
意識が薄れる。
俺の生が終わる。
滑稽なこの人生が。
声なき声で笑う。
“糞喰らえこんな世界”
本格的にやるってなったらまた書き直すかも?




