続き⑤
めっちゃ捗った。
前話の最後、あのまま採用!
中々の出来だと自負。
おぎゃあおぎゃあ、と子供の泣き声がする。
近くで泣くものだから煩くて仕方ない。
耳を塞ごうとするが何故か体が動かず、ならば離れようとしても何かに掴まれているのか動くことすらできない。
その間もずっと泣くものだから我慢しきれず声を上げようとして―――出ないことに気付く。
(は?)
ここになってようやく意識が覚める。
異常を知覚し、少しでも情報得ようと目を開こうとするが開けない。
なのに、声は聞こえるし、体の感覚もあるのだ。
夢か何かかと疑うが、それも違う気がする。
それが何かは分からない。
ただ、何処か懐かしさを感じるのだ。
(いったい何なんだここは……)
困惑しながらも、少しでも情報を得るべく耳を澄ませる。
大半は赤子の泣き声であるが、うっすらと誰かの息遣いが聞こえた。
場所はちょうど真上、そこに誰かが居る。
見えない相手に恐れを抱く。
その息遣いが人のそれではなかったためだ。
起きたことを気付かれないように眠ったフリをするが、どうしても体が強ばってしまう。
それに気がついたのか、掴む手に力が入るのが分かる。
もしや、ここで殺されるのではないか。
嫌な予想が頭の中を覆う。
声を発せないにも関わらず死にたくないと声を上げる。
無駄だと思いながらも生存本能が止まることを知らない。
赤子の声が大きくなる。
動かせぬ体で必死に逃げようとすれば掴んだ手が緩むのを感じた。
思わぬ転機にここぞとばかりに逃げようとして―――口が防がれる。
「うぐっ!?」
予想外の出来事に思わず目を見開く。
その先に広がるは緑色。
仄かに暖かさを感じることから生き物だろうか。
それがどうして口を防いでいるのか分からない。
困惑していると、緑色が動き口の中にナニかが流れ込む。
思わず飲み込んでしまったが、とてもではないが美味しいとも言えない不味い味であった。
得体の知れない物を飲まされ、すぐにでも吐き出したい気分だ。
だが、この体では吐くことは出来ないらしく、苦渋の表情で緑色を見詰める。
そこでふと気付く。
(あれ?目が見えている?それに泣き声もきこえないし……どうなっているんだ?)
あまりにも理解できない状況ではあるが、1歩進んだことは間違いないだろう。
冷静になってもう1つ気付いたことがある。
さっき飲まされたのはご飯だった可能性である。
儀式でもない限り、獲物に餌を与える理由がないはずだ。
それをわざわざ与えたということは、最低でも今すぐ殺されることはないだろう。
それが分かっただけで不安が減る。
俺は離れて行く緑色に向けて言う。
(一生世話になるかも知れないんだ。顔を拝ませてもらうぞ)
その先にはいったいどんな化け物がいるのか。
恐怖心半分、好奇心半分で待つこと少々、顕になった顔を見た俺は恐怖に固まった。
「は?」
そこに居たのは人、なのだろう。
顔が潰れたようにも見える醜い顔面が不気味ではあるが、俺を見る視線には優しさがあった。
離れたことで気付いたが、先ほど口に当てられていたのは乳らしい。
ということは……いや、まさか、そんな思いで俺は持ち上げた手を見る。
そこにあったのは―――




