表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/152

終わりからの

「強き騎士よ。そなたはここに何を求めて来た。申してみよ」

「私は……貴女を倒すために来ました。貴女の悪列非道な行いは民を苦しめ、国を疲弊させた。もう限界なんです……貴女も分かってるでしょう?ニナイア女王」


玉座に座す1人の王と対峙する1人の騎士。


王の悪逆に耐えかねた騎士は仲間を引き連れここまで至った。

仲間の死、救えぬ命、無力な自分……数々の困難を越えてここまで来たのだ。

王には沢山言いたい事があった。

どうしてこんな事をしたのか、どうして民を鑑みなかったのか、どうしてあんな非道な事が出来たのか。

沢山言いたい事があったのに、出てきたのはたったそれだけ。

今、自分はどんな表情を浮かべているだろうか。

怒りだろうか、悲しみだろうか、それとも笑っているのだろうか……。


「――そうか、そうだろうな。私が行った事は決して許される物ではないだろう。だが、後悔はしない。あれは意味があって行った事なのだ」

「幼い子供達を犠牲にしてもそんな事が言えるんですか!!」

「異なことを言う。国を守るためであれば何であろうと切り捨てる。それが王と言う者だ」

「ッ~~~~~!!」


毅然と言い放つ王に私は声にならない声を上げ、駆け出す。

痛いと泣き叫ぶ子供達の声を思い出す度により速く、より強く駆け抜け、射程納めた王目掛けて力強く握った剣で斬りかかる。

今出せる最高の一撃はしかし、王の背後から現れた者によって受け止められた。

甲高い金属音が響く。音の発生源に目を向けた私は悍ましさのあまり力が抜けて行く。


「素晴らしい出来だろう?私の最高傑作だ。子供達だけではない国民のお陰でとても良い物が作れた。とても感謝してるよ」

「あぁ……アァアァアアアア―――!!!」


私の精神はもう限界だった。

ここに来るまでの間に信頼していた仲間を失い、やっとここまで来れたのに。

最後の最後でこんなのが出てくるなんて……。


王を守るようにして立つソレは異形だった。

幾つもの人間をこぬ繰り合わせ、1つの球体上に仕上げ。

球体上には無数の顔に無数の手足、浮かぶ表情はどれも苦渋。

人を逸脱したその姿はあまりにも悍ましく。

これを最高傑作と呼ぶ王は狂っている。


「どうやら戦意が挫けたようだな。そなたならこの子の相手も出きるかと思おうたが致し方なし」


私を見下ろす王は残念そうに溜め息を漏らすと、目の前に立つ異形に指示を出した。

研究室に連れて行けって。

私も異形に変えられてしまうの?

いやだ……あんな化け物になんてなりたくない。

戦わなきゃ。そう思うのに体は少しも動かなくて。

抵抗できないまま捕まった私の意識はそこで途切れた。


その時、私は死んだ。


なのに――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ