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泣ける系作品の冒頭風1



あの日の事をいつも夢に見る。




何度も何度も見てしまうんだ。




君が亡くなったあの日の事を――――――








「もぉ、そんな落ち込むことないじゃない」

「いや、だって……」

「ジェットコースターが恐すぎて泣いた事がそんなに恥ずかしいの?私は可愛いと思うけど」


好きな人を前にそんな粗相して恥ずかしくない訳ないだろう。

それを可愛いと言って笑みを浮かべる彼女―祭理(まつり)に僕は何も言えなかった。

見惚れていたんだ。

惚気に聞こえるだろうけど、祭理の笑みは何度見ても可愛らしくてついつい魅入ってしまう。

こんな可愛らしい彼女と付き合えるようになった事は僕にとってまさに奇跡だ。

そもそも、祭理と出会いからして奇跡としか言いようがない。

違う学校、違う通学路。

どうしてそこから出会い、付き合うまでに至ったのか。

簡単には言い尽くせない物語が――


「いい加減に戻ってこぉ~い!!」

「いだぁい……」


思いっきり頬を抓られた。

意識を戻して祭理をみると頬を膨らませ、睨んでくる。


「耽り過ぎ!折角こんな可愛い彼女とデートしてるのに一体な、に、を!考えていたのかな~?」


りゅ、龍が見える!祭理の背後に龍が!!

これは不味い。


「ご、ごめん。こんな可愛い彼女と付き合えた事が奇跡だなって思っていたんだ」

「えっ!そ、そそそう!!そんなに嬉しかったんだ!!」

「うん!滅茶苦茶嬉しかった!」


祭理は褒められるのに弱く、あたふたと忙しなく手を動かすんだ。

それが可愛いくて、顔を真っ赤にするもんだからついつい褒め過ぎてしまうんだけど。


「――だから、僕は幸せ者だって思うんだ」

「もぉ~これ以上は勘弁してぇ~」


顔を伏せた祭理が弱々しい声で言う。

やり過ぎてしまった。


「ごめんごめん。何かジュース奢るから許して」

「………カフェオレとチョロスで許してあげる」

「了解。買ってくるからここで待ってて」


ぷいっとこちらを見ず、怒ってますよアピールする祭理が可愛い。

追加でチョロスも増えてしまったが、許してもらえるなら安いもの。

ナンパされないか不安になりつつも、僕は祭理の元を離れ買いに行く。

売店はここから程近く、混んでなければ5分程で戻って来れるだろう。


(フラグにならなければ良いんだけど)


そんな不安は杞憂だった。

売店は混んでいないどころか、誰も並んでいない。

数刻前に来た際はそこそこ混んでいたのでタイミングが悪かったのだろう。

ラッキーと思いながら、チョロスとカフェオレを買って祭理の元に帰る。

そこにはちゃんと祭理が居て、僕に気付くと慌ててそっぽを向く。

一瞬、嬉しそうな笑みを浮かべたのを僕は見逃さない。

ニヤけそうになる笑みを抑える。


「お待たせ。ご所望のカフェオレとチョロス買ってきたよ」


はい、と言って手渡せば祭理はそっぽを向いたまま受け取る。


「今日は許して上げるけど、今度やり過ぎたら許さないからね!」

「分かったよ。お願いだからそろそろこっち向いて欲しいな」


両手を合わせてお願いと懇願すると祭理はやっと此方を見てくれた。

スンッと澄まし顔をしつつも隠しきれない笑み。

この状況を楽しんでいるのだろう。

そんな笑みを浮かべられると仕返ししたくなる、しないけどね。

美味しそうに食べる祭理を見つつ、今後の予定を考える。

お久しぶりです。

前回の投稿からもう4ヶ月も経つんですね。

時間の流れとは早いもんです。

つい1、2ヶ月前だと思っていたんですがね……。

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