お風呂場=?∥仮名❰無気力者のVRMMO❱
強盗に襲われる事なく無事、家に辿り着いた僕はソフトを前にしながら彼女に電話する。
『どうしたの?』
数回のコールの後に電話に出た彼女の声は反響してる。
気のせいでなければ水滴の音も聞こえる気がするんだけど。
「……もしかしてお風呂に入ってる?」
『そだよ? あっ、もしかしてイヤらしい想像でもした?』
「い、や……してないけど……」
『ホントかな~?いつも以上に覇気無いよ~~?』
ニヤニヤとした笑みを浮かべながら言ってる姿がありありと想像できる。
そのついでに思い浮かべてしまった彼女の裸体を直ぐ様頭の中から消去する。
『ありゃ、もしかして……本当だった?』
電話越しの彼女が何処かしおらしくなったような気がする。
このままじゃ不味い。
そう思った僕は平常心を心掛け、声を発する。
「いや、ちょっと考え事に気を取られていただけだよ」
『そ、そっか~~……いや~、思わず本当に私の裸体を想像してたのかと思っちゃったよ~~』
「そうな訳ないじゃないか」
『そんなハッキリ言うかね?これでも私、美少女だと思うんだよ。その私の裸体を想像したり、欲情したりしないなんて男として大丈夫?』
「……僕に欲情として欲しいと言うのか。もし実際に欲情して襲い掛かりに行ったらどうするつもりなんだ」
『無論、警察を呼ぶよ。連行されて行く姿を見ながら「変態!」「信じてたのに!」と叫ぶつもり、さ』
「最後にキザっぽく言わなくて良いから……」
3分にも満たないやり取りだけでもうぐったりだ。
早く要件終わらせないと僕の体力が尽きる。
『で、なんの用なの?』
「ソフトの件で、タダで貰ってしまったけど良かったのかなと思ってね。もしお金掛かっていたらその分のお金払おうかと」
『なんだそんな事か~。別にそれ景品で当てた奴だから気にしなくても良いよ~』
「それなら良かったけど、何かお礼させてくれないかな?」
『なんでも?』
「できる範囲で」
『ん~~と、そうだなぁ~』
悩ましい声を上げながら「どれにしようかな」と、呟く声を聞きつつ目の前のゲームについての知識を掘り返す。
コンセプトは❰あの頃夢想した世界を現実に❱
昔、いや今も続いてる小説サイトによく使用されるナーロッパを舞台に、剣や魔法、職業、スキルを駆使し遊ぶゲームだ。
プレイヤーにはアバター作成時、スキルが一つだけ付与される。
このスキルはプレイヤー側で選ぶ事は出来ず、プレイヤーに合わせたスキルをAIが自動的に作成するそうだ。
その付与されるスキルはどれも強力かつ、ピーキーな物が多いそうだが、その分、使いこなせればとても頼りになる。
そうなって来ると剣や魔法はどうやって使えば良いのかと言う話になるが、そこはアビリティーというシステムにより補助されている。
アビリティーは別ゲーで言う所のスキルであり、初期で3つ設定出来る。
最後に職業になるが、そこは他と変わりないようで職業レベルを限界まで上げると上位職業へと替わって行く使用だ。
今分かってる範囲だとこんな物か。
ここから先は手探りで進めて行くとしよう。
『よし!決めた!!今度、手料理ごちそうしてよ!!』
「そんな物で良いの?」
『うんうん!毎日持参して来るお弁当とても美味しそうで前から食べてみたかったんだよ!!』
「そんなに美味しそうかな?」
『もちのろん!あんなに美味しそうなお弁当を作っておきながら無自覚とか、なんかやっちいました?系の主人公か!!』
「?よく分からないけど、良いよ。今度、渾身の料理作ったの持って行くよ」
『うぅ……通じなかった……』
食費削減の為に作っていただけだからあまり美味しいとか気にした事ないけど、それでお礼になると言うのなら頑張って美味しいのを作ろう。
『やったーー!!絶対だよ!?忘れたら許さないからね!!』
「はいはい。それじゃ切るよ。また明日」
『ほーい!じゃあ、また後で!』
その言葉を最後に通話が途切れる。
問題も解決した事だしさっそくやろうとソフトに手を伸ばして……
「ん?また後で?」
勢いって大事だね。
今度続き書く際に書き易いように軽く文作るつもりがまた1話出来てしまった。
今日だけで2000文字越えるなんて久しぶりだから疲れた。
もし続き書くとしてもまた明日以降だと思います。




