僕の日常∥仮名❰無気力者のVRMMO❱
初見さは初めまして、既知の方はお久しぶりです。
久しぶりに触発されたのでお試しで書いてみました。
今回はVPMMO物の序章です。
繰り返される日々。
当たり前のように訪れる朝。
そんな日常に僕は飽き飽きとしていた。
いつからこんな風に思うようになったのか。
答えのない疑問を問う。
変化が欲しい。
変化は怖い。
退屈な日常から抜け出したい想いと、変化を恐れる想いがせめぎ合う。
何度も何度も繰り返し、その度に自殺しようと思った。
だが、いざ死を前にした瞬間、僕は怖くなり恐怖から逃げるようにまた退屈な日常へと戻る。
退屈を紛らわせる為、学校に通い続けてはいるがあまり楽しくはない。
鬱屈とした人生を送る僕にも数は少ないながらも友達が居る。
その内の一人が今目の前で話し掛けて来る彼女。
「なぁなぁ、一緒にやらん?面白いよ~」
茶髪のショートカット。
目はクリッとしており、スレンダーな体型。
活発な女の子と言った印象の子だが、どうして僕に話し掛けて来るのかは未だによく分からない。
「聞こえてるんか?おい、お~~い」
「……あぁ、聞こえてるよ」
「おお!やっぱり聞こえてた!じゃあ、このゲーム一緒にやろ!!」
「いや、い……」
何時もの癖でつい断ろとしたが、視界に入ったソフトを見て言葉が途切れた。
『ファンタジー・リアリティー・オンライン』
通称『FRO』
【あの頃夢想した世界を現実に】
そんな目標の基、開発された今話題のゲームだ。
入手困難だとテレビで流れていたゲームのソフトが今2つ目の前にある。
僕の目がおかしいのだろうか?
「見間違いじゃなければ2つあるように見えるんだけど、気のせいかな?」
「いやいや~、気のせいな訳ないやい。正真正銘2つあるよ。触ってみ」
そう言いながら無理矢理僕の手にソフトを握らせて来た。
質量の伴った確かな感触に見間違いでは無いと教えてくれる。
「……ホントに2つあるんだね」
「ふふん。どう?凄いでしょ!」
「凄いよ。どう手に入れたのか聞きたくなるぐらいには。ただ、そんな無遠慮にソフトを晒して良いの?」
「うん?」
小首を傾げ、何の事?と語り掛けて来る表情を見、何も分かって無いのかと呆れる。
「さっきも言ったけど、今それとても人気で強盗してでも盗もうと考える輩がいるらしいよ」
「マジ?」
「まじまじ。実際にそれで逮捕された人がいるって朝ニュースになってたよ」
「うわ、コワ!そんな恐ろしいことになってたの!?じゃ、じゃあ、そんなヤバい代物を持ってきたわ、私は……」
「バカ、だね。帰り道に襲われるかもだから帰る時は気を付ける事だよ」
「いやいやいやいや!!そこは僕が必ず家に連れて帰るとか言う所でしょ!!」
「嫌だよ、僕は死にたくはないんだ」
あの恐怖は味わいたくない。
ついそんな想いが前面に出てしまったのか、先程まで騒いでいた彼女は静かになってしまった。
「……まぁ、そうだよね。はぁ~、なんとか頑張って帰るか~」
憂鬱だと言わんばかりに溜め息を吐いた彼女は肩を落としながら去ろうとする。
「ちょっと待って」
「何かな?」
「ソフト忘れてるよ」
「ありゃ、私のした事が失敬失敬」
うっかり忘れていたと言いながら私の手元からソフトを一つ手に持つ。
その様子を眺めながら問いを投げる。
「わざと忘れたの間違いじゃなくて?」
「…………は、はは………そ、そそそんな訳ないじゃん。別に怖いから丸投げしたとかじゃないから!!」
「自分で言っちゃってるじゃん」
「しまった!!」
ハッとした彼女は直ぐ様口を隠すがもう後のなんとやら。
今さら無かったことになんか出来ない。
と言うかそもそも隠す気がないだろうに。
「はぁ、茶番はそろそろお仕舞いにしないと先生が来るよ」
「えぇ~、もう少しこの茶番に付き合ってよ~~」
「はいはい。また次の休み時間にね」
「もう!約束だからね!」
「分かったよ」
疲れを多分に含んだ声で返すと、彼女は「絶対だからね!」と言いながら席に戻って行った。
「僕の体力持つかな……」
普段、運動なんてしないから彼女との会話だけで随分と疲れる。
他の友達とならここまで疲れないのに、と思いながらも彼女との会話は楽しいと感じてしまう。
理由は分からない。
ただ、彼女と話す間はなんとなく世界が色づいて見えるのだ。
お読み頂きありがとうございます。
やる気でたら続き書きます。




