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ヒロインの母➓
あれから数日ほど経ったが、夫はまだ帰って来ない。
ずっと帰って来ない夫に、娘から“何処に行ったの”“いつ帰って来るの”と何度も聞かれる事が増えて来た。
私は「今は仕事で忙しから中々帰って来れないのよ」と言ってはいるものの、私も不安だ。
この頃になるともう国中に情報が伝わり、他国へと逃げる人が増えて来た。
市街では食料を買い求める人も増え、品切れが続出しているそう。
王都に居を構えていた貴族の何人もが領地へと戻り、戦争の準備を始めてる。
私も夫の代わりに領地へと戻り、準備なり対策を講じる必要がある。
今、夫と離れ離れになるのは不安であるが候爵夫人として気持ちを優先させる状況ではない。
別れる前に夫と顔を合わせ、別れの挨拶とメイアについて相談をするつもり。
その事を手紙に認め召使いを通して夫に送ったところ、今夜家に戻って来るとの事だった。
忙しい筈なのに、家族の為に時間を作ってくれる夫の愛情が伝わって私は自然と笑みを浮かべた。




