あの日見た光景❽【グロ注意!!】
【グロ注意!!】
今まで微動だにしなかった男がついに動き出した。
素早い動きで逃げ去る狼を障害物を無視して追い掛けた男が狼の背中に触れると、突如として狼の体に虚脱感と寒気が襲った。
一瞬の内に変化した感覚に着いて行けず狼はバランスを崩す。
滑るようにして倒れた狼は苦しげに呻きながらも治まらない寒気を少しでも減らそうと体を丸める。
が、それは無意味だとばかりに寒気はちっとも変わらない。
次第に震えが大きくなり、四肢から感覚を感じられず、息が浅くなる。
弱った姿に小物達が集って来る。
普段であれば容易く返り討ちに出来る者達が自身を食べようと、死ぬ瞬間を今か今かと待ち続ける小物達に狼は怒気を含んだ睨みを向けるが、小物達は怯えすらしない。
自然の摂理に則り、弱い者、弱った者がどんな結末を迎えるか知らない狼ではない。
自らだって今までそうして来たのだから今度は自分の番。
強者が弱者へと成り下がる。
この事実に狼は寒気すら忘れて抗おうとする。
「ぐ、、、グゥ、、、、」
力が入りづらい四肢を使い気力を振り絞って起き上がった狼は、ヨロヨロとした足通りで小物達へと近づく。
“こいつらを全て殺せばそんな事にはならない”
“こんな奴らに喰われて堪るか”
そんな思いを胸に一匹の小物の前へと辿り着いた狼はブルブルと震える前足を一つ上へと持ち上げると小物へと振り降ろす。
だが、無理してまで上げたせいでバランスを崩し、振り降ろした手は当初の着地点からはズレて小物に掠りもしなかった。
荒い息を吐く狼。まともな攻撃も出来ず、反撃も出来ない。
小物達はこう思っただろう。
“絶好のチャンス”だと
それからの小物達の行動は早かった。
全員で一斉に狼へと襲い掛かり、肉を喰らって行く。
生きたまま喰われて行く感覚に、痛みに狼は悲鳴を上げて抵抗する。
だが、幾ら抵抗しようと今の狼の攻撃は致命傷にはならず、飛ばされた者もすぐに立ち直って戻って来る。
肉が取れ剥き出しになった骨、眼球を喰われ空洞となった目、腹を喰われ内蔵や腸が外に漏れ出す。
あまりにも惨たらしい光景が目の前に生み出されて行く。
それから幾ばくかの時が過ぎた頃、何者も消えたその場には一体の骨しか残っていなかった。
もう少しだけ続けようかな?




