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あの日見た光景➋
次の日、学校の帰りで工業地帯へとやって来た俺は意味もなく辺りを彷徨っていた。
「はぁ……何やってるだろう……」
昨日は興奮し過ぎでどうかしてたとしか言えない。
あの時見た光景が幻とは思わないけど、ここに来るって何を考えたら行き着いたのだろうか。
こっちの方向を見てたからって必ずしもここに来たとは限らないんだから。
「帰ろ帰ろ」
その日は特に収穫もないまま家へと帰った。
それから何日かは工業地帯やあの公園に寄りはしたが、やはり収穫は得られないまま。
行く気もやる気も失せた俺はあの時の事は忘れて日常を過ごす事にしたが、あの時見た美人を忘れる事は出来ず、公園に寄る事だけは続けた。
そんなある日、その行いが実を結ぶ出来事に遭遇する。