あの日見た光景❶
ある日の夜の事だ。
コンビニ帰りに近くの公園を通り掛かった時、見慣れない格好をした外人を見付けた。
何処かの部族のような独特の格好をした美人がいたのだ。
ダークブラウンの髪、目鼻立ちはくっきりとしていて男か女か見分けがつかないその人は遠くの方を見つめると一瞬にしてその場から姿を消した。
摩訶不思議な現象を目にした俺は驚愕から目を見開く。
「なんだよ今の!?」
あれが俗に言う宇宙人、もしくは超能力者とか言う者なのか、と興奮した。
何か痕跡は無いものかとさっき居た所を見に行ったがそれらしい物は残っていなかった。
「何も残ってないかぁ〜〜」
証拠が無いと自慢したところで妄想だと切り捨てられるのは目に見えている。
せっかく自慢したかったのに、と思いつつも美人が目をやった方を見やる。
「にしても、何処に行ったんだ?」
美人が見ていた方は工業地帯の方だ。
だが、それ以外にこれと言った特徴が無いのに向かう理由が分からず疑問符を浮かべるが、ふと、ある可能性が頭を過ぎる。
「まさか……あそこには秘密の結社があるのか……?」
いやいや、それはありえない。頭の中では分かっているが、男心としては何かあるんじゃないかと期待してしまう。
「明日の学校の帰りにあっちに行ってみるか」
非日常的な光景を目にした俺はワクワクとした様子で帰路に戻る。