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7話 授業中

 これから国語の授業だ。教科の先生が教室へ入ってきた。先生が演壇に立って、教科書を読み始めた。今日の内容は古文。これほど退屈なことはない。


 俺は机の下でスマホを操作する。俺、湊斗、大和、結愛、楓姉さん、燈子、凛の七人でLINEのグループを作っている。


 スマホを指先でスワイプしてコメントを打つ。



俺『古文なんてダリーよな(笑)』


湊斗『本当だぜ。古文なんて習っても役立つ時なんてないwww』


大和『古文なんて大昔の言葉だろ。現在では使わないよなwwww』



 俺のコメントに湊斗と大和が乗ってくる。あいつ等二人も暇しているようだ。本当に古文ってつまんないよな。なぜ授業で教えるのか、一度教育委員会に問い合わせしてみたい。



燈子『あんた達、授業中よ。スマホを触るのは禁止されてるのよ。授業に集中しなさいよ』


俺『委員長、ウゼー(笑)』


湊斗『委員長、固いwww』


大和『別にいいじゃん。古文なんて先生が教科書を読んでるだけだしさ』



 燈子を三人でからかうと、燈子が黒板から目を離し、振り向いて俺達を睨んできた。真面目っ子はからかいがいがあるね。


 すると楓姉さんからコメントが入ってきた。



楓『あらあらあら、皆、暇しているのね。今日は暖かいから眠くなるわよね』


俺『眠い(笑)』


湊斗『楓姉さんは眠らないの?』



 湊斗が楓姉さんのコメントに飛びついた。本当にわかりやすい奴。暇なのだろう大和が凛へコメントを入れる。



大和『凛、何してるんだ? 混ざろうぜ』


凛『今、アニメを観ているから、私は忙しい』



 さすが凛、いつものマイペースだな。



燈子『あんた達、授業を聞きなさいよ』



 燈子はまだコメントしてくるが、面倒なのでスルーだ。


 窓から暖かい日差しが教室中に入ってきているので、思わず眠気に誘われて欠伸をする。しばらく雑談をしていると結愛が焦ったようにコメントをしてきた。



結愛『次に問いが当たるの私じゃん。だれか答えを教えて』



 スマホから視線を上げると、古文の先生が問題を出して、結愛の列の順番で指名している。



結愛『早く助けてよ』


俺『授業を聞いていなかったから全くわからん(笑)』


湊斗『ご愁傷様www』


大和『チーンwww』


楓『あらあら、困ったことになったわね。結愛、がんばー』


燈子『自分の力で頑張んなさいよ。カンニングは校則違反よ』



 結愛にコメントを返すが、誰も結愛に答えを教える気持ちはない。俺もそうだが、どちらかと言えば、状況を楽しんでいる。


結愛『悠人、覚えておきなさいよ』


 なぜ、俺だけ恨まれるんだ。理不尽だろ。


 女の子に恨まれると一生文句を言われることを俺は知っている。それだけは避けたい。面倒臭いことになるのはイヤだ。


 顔を上げて、先生が教えている箇所を確認して教科書を開く。そして結愛の当てられる答えをLINEのコメントに書いた。



俺『これでいいか? 答えは教えたからな。絶対に恨むなよ』


結愛『悠人、サンキュー。助かった』


湊斗『色々というけどさ、悠人って結愛には甘いよな。もしかして、結愛に気があるのか?www』


大和『文句を言ってるけど、結局は結愛の面倒を見てるもんなwww』


楓『あらあらあら、結愛をあまり甘やかしてはいけませんよ』


燈子『そこの所、ハッキリと聞かせなさいよ』



 俺が結愛に興味を持つはずないだろ。俺は女の子に恨まれる危険を回避しただけだ。女性の恨みは恐ろしいと言うからな。自分の身は自分で守らないと。



俺『俺は女性が嫌いだ』


湊斗『男が好きなのか?www』


大和『ホモーwww』


楓『あらあらあら、悠人は最先端なのね』


凛『BLなら興味あるわよ。その話に参加させてよ』



 湊斗、大和、楓姉さんが俺をからかってくる。凛も参戦しなくていいんだよ。凛が腐女子の趣味があることは皆知ってるから。


 一応、抗議のコメントはいれておく。



俺『俺はBLじゃねー』


湊斗『だったら誰が好きなんだよ?』


大和『誰が好きか言えー』


楓『あら、そこは気になるわね』


凛『興味津々』


燈子『ハッキリ聞かせなさい』


結愛『誰か好きな女の子いるの?』



 皆、俺をネタにして遊ぶんじゃねーよ。視線を感じて顔を上げて見回すと、結愛がチラチラとこちらを見ている。お前もやっぱり気になるのか。ウゼーよ。


 それからしばらく他愛もない話で盛り上がった。チャイムが鳴り、授業が終わって、教科の先生が教室から去っていった。


 俺、湊斗、大和の三人が並んで座っている席に、結愛、楓姉さん、燈子、凛の四人が集まってくる。湊斗がニヤニヤと笑って口を開いた。



「女の子にも興味がなくて、男にも興味がなくて、それだったら爬虫類に興味があるのか?」


「女に興味を持つぐらいなら爬虫類のほうがマシだ」


「「「「「「爬虫類さん!」」」」」」



 誰が爬虫類さんだ。うるせーよ。


 皆で盛り上がって楽しんでいると、教室の後ろのドアからイケメン男子が二名入って来た。そして俺達のほうへ歩いてくる。そしてイケメンの一人が髪を搔き上げながら、結愛に声をかけた。



「やあ、結愛、遊びに来たよ」

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