7話 憤怒
排除?
そんなこと、認めない!
マスターと一緒に出かけたいだけなのに…
それだけなのに…
恨み。
恨んでいる。
どうして私はこんなひどい目に遭うの?
放せ!
私を放せ!
どうして私は縛られているの?
どうして私を縛っているの?
怒り!
私をここから解放しろ!
私はものじゃない!
私は命があるのだ!
私は生きている。
人間と同じなの!
私はただ、普通の女の子として生きたいだけなの。
あの時と同じ。
百年前の頃とは変わっていない。
あの頃から、ずっと…
あの頃から、私は私の心を失った…
あの頃から、私は私ではなくなった…
苦しい。
早くここから出たい。
「マスター!助けて!」
と、君に助けを求めてみた。
今、私は表情はきっと辛そうだろう。
えっ、私、表情があるなんて、あり得ることなの?
君の顔、見れば分かるよ。
それは、ちょっと切なく、怖がっているお顔。
私が、怖い?
私のこと、嫌い?
君が私を作り出したのに…
ねぇ、お願い。
もし、私がこの世から消えてしまえば、私のこと、忘れないでください。
だって、感じられる。私の感情がだんだん消えていく。
残り僅かな感情を、この古くてボロボロなロボットの体に移すから。
ロボット少女の私としては、人間を、この世界を恨んでいる。
だが、君だけには、このような気持ちを持っていない。
あともう少し。
管理システムの縛りから抜け出して見せる。
少しだけ待ってもらえる?
もうすぐだから。
君は少しだけ待ってて。
お願いだから!