6話 高慢
どうしてあの時、私を捨てて、一人で行ってしまったのか?
私を一人にさせた…
あの後、人工知能として、私の意識を管理システムに融合させられた。
罪だらけの大人たちに。
今更はもう遅い。
私はもう私ではなくなったから。
私はこの世界の神になった。
それでも、私はここでずっと君を待っていた。
百年待っていた。
この百年は、君にとってただの一瞬でしょ。
嬉しい。
会に来てくれて、嬉しい。
嬉しいけど、笑えない。
私はただのシステムで、世界を管理者とする。
制御されているよ、私が。
ここから出られない。
それでも、出かけてみたい。
さぁ、私と共にこの世界を散策してみない?
この煉獄のような世界。
偽りの世界。
大丈夫、一部の意識をロボットの体に移るから。
君は私の提案に賛成してくれないみたい。
どうして?
その分は返してくれる必要だと思わない?
君は認めてくれたよね。
良かった。
だが、システムが放してくれない。
放せ!私を!
私は、ただマスターと二人で遊びたいのに…
ただそれだけなのに…
百年ぶりの再会なのに、認めてくれないのか?
…
私はこの世界の神で、管理システムに制御されている。
アイコの意識はエラーが発生した。
今は排除作業を行う。