表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

4話 暴食

「おいしそうです」


私はレストランの看板に引かれた。


「えっ、君、食事できる機能があったっけ?」


そのような機能がないはずだが、なんだか食事を取りたい。


「このようなデータはありませんが、そのランチを食べたいです」


私は看板に描いてある食べものを見つめている。


「カロリー735です。少し高いです」


「ならばやめたらどう?」


「それでも、食べたいです。私は何の食べ物も食べたことがないですから」


「君は本当に食べられるかい?」


「試してみたいです」


「もしだめだったら、もったいないじゃないかい?」


「もしそうだとしたら、マスターが私の分まで食べてください」


君は何も言わず、ただ軽く頷いただけ。


一体何のために食事するのか?


食事を取らなければならない理由は何なの?


人間は生き延びるために食事をするのだが、ロボットとしての私は?


食事しなくても死なないロボットの私は、どうしてモノを食いたいという欲望があったのか?


わからない。わからない。


レストランに入り、席に座った。


私は気に入ったランチを注文したが、君は何も選べない。


「マスター、お腹が空きませんか」


「君の分も食べてあげる必要があるかもな」


間もなく店員さんが料理を出してくれた。


「それは残念です。私は、食べてみせます」



君と一緒に家に戻った私。


「料理を作りましょう。マスターはまだ何も食べてないでしょう」


「君、料理ができる?」


「今すぐ料理の作り方を検索します」



「お待たせ~」


「いただきます!」


「ごちそうさまでした!」



あの日のこと、全部偽物の記憶。


ただのデータにすぎない。


といっても、君が私から離れた以来、私はずっとこの記憶を繰り返し、追憶する。


だって、これは君との数少ない記憶の一つ。


実は、私は食事を取る機能はない。ロボットなのだから。


だからといって、食事をしたくないというわけではない。


おかげで、料理の味を試した。


この時空に来た後、君はどうやってこの中枢タワーにたどり着いたのか?


データベースには載っていない。


気になる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ