念話と電話
『ヤヤさん、依頼をお願いします。』
ミス・マリーの声が頭の中に響く。
『おや?先客ですか?また日を改めて・・・。』
いえ、大丈夫です。
念話と呼ばれるものなので声に出さなくても会話はできる。
ん?俺にはファンタジー要素の能力は効かないはずだ。だが、ミス・マリーとこうして頭の中で会話をしている。
『あ、ヤヤさんがいる世界ではスキルはありませんよね?なので念話等も発動する事が出来ないのでこうして会話する為に端末を介しています。平たく言うと電話をしているですかね?』
ほお。つまり最初に依頼を持ちかけた時は電話を介しての念話だったと?
『ええ。今は端末の通話機能を使用しており電話をしている扱いです。』
これはそう言う扱いなのか。
『大丈夫なら依頼をお願いします。』
『合成獣の研究施設を調べて欲しいのです。』
合成獣の研究施設?
『ええ。ある世界にある施設なのですが、とても危険な生物が誕生してしまい、そのうちの1匹が行方不明になったそうです。』
成る程。可能ならその生物の行方を追って捕獲しろと。
『はい。危険と判断したら討伐してもいいです。依頼料は・・・そうですね・・・期間は6日間宿泊費、出張費込みで150万、別途合成獣の危険度によっては追加報酬を出します。』
悪くはないな。
こちらで生き物を探す時の依頼料は基本料金と宿泊費で1日、1万71000円で引き受けている。(交通費は実費。出張費はこの事務所からの距離によって別途要求。)
さくっと終わりそうだと感じたので引き受けることにした。
『例の如く必要な物はありますか?』
今回は生き物が相手なら用意しておくに越したことのない物を幾つか頼んでみた。
『罠などは私の方で用意しておきますが・・・彼女にも話をつけて作らせておきます。一週間後にまた端末を介して念話をさせて頂きます。それでは。』
ミス・マリーとの念話が切れた。
「今の念話ですよね?何処からですか?」
助手希望の女は、念話が終わった瞬間に話しかけて来た。
「依頼人の情報についてはノーコメントだ。」
「私も連れてって下さい。」
はぁ、助手にするとは言っていないんだが・・・。




