人探し2
依頼を断った。
彼女に知り合いがやっている大手の探偵事務所を紹介すると言ったら眉をしかめてしまった。
「何とか出来ませんか?大手にはその・・・行きたくないので・・・」
何故だ?うちの様な小さな事務所じゃ人探しをするのは無理だ。大手の方が人海戦術でどうにかなるだろう。
「差し支えがないなら・・・大手に依頼したくないのは何故でしょうか?」
「テレビをつけても良いでしょうか?」
と聞かれたので、何でだ?と思いつつもどうぞといい、テレビを点けた。
「あ、丁度、映像が流れてますね。」
昼のワイドショーで流れていたのはアイドルの引退とそれに関する噂だった。
「鈴鹿鈴さんが引退した理由は噂通り・・・」
目の前の女性は帽子と眼鏡を外した。
「鈴鹿令と申します。」
その顔はテレビに映っている引退したアイドルと同じ顔だった。
「察してはいると思いますが、鈴鹿鈴という名前でアイドルをやってました。まだ、売れない地下アイドルをやっていた頃に異世界に飛ばされてそこでもアイドル活動してたんですが・・・」
ほお?異世界にいたのか。
「その頃の私は誘惑や魅了のスキルに頼ってやっていたんです。」
ん?
「その時に、ある方と出会い、初心を思い出すことが出来て1からやり直すことが出来たんです。私の場合、スキル等は取り上げられて、特に何もなく無事に戻ってこれたのですが、その方がどうも気になって・・・。探偵風の方だったので探偵事務所を当たれば確実かと思いまして・・・。」
それ俺じゃないか?
ミス・マリーに記憶を消してと頼んだのだがどうして消えていないのだろうか?
「鈴鹿さん、見た目が幼女のハーフエルフが冒険者ギルドを経営していたり、遊び人気質でモヒカンの聖職者がいたり、強面の男が愛妻家だったりなんて世界はファンタジーで、現実にありえないんですよ。つまり夢です。」
夢ということにしよう。
「私がいた世界に詳しいですね・・・。まさか・・・」
しまった。詳しく話しすぎた。
やらかしたか?




