虫料理と瑕疵
タイトルにある瑕疵とは
通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこという意味です。
「あれ?貴方は・・・。」
明らかに周りに馴染んでない雑居ビルが建っており一階の出入り口におかっぱ頭の少女がいた。
「え!?どうして探偵の貴方がこの世界に・・・?」
探偵はこの世界にない職業だと氷山が言ったな。
しかも彼女は俺のことを知っている。
という事は、この子があの老婆の転生した姿なのか?
ちょっと鎌をかけてみるか。
「食事券を知り合いから頂いたので食べに来たんですよ。このお店ですよね?王里さん?」
「ええ、このお店です。さぁ、入って下さい。」
食事券を彼女に渡すと彼女は店の中に招き入れてくれた。
やはり、あの婆さんなのか。
「成る程、能力の女神様とお知り合いでしたか。」
食券の裏側を見ながら彼女はそう言いながら店の隅で寝ている黒猫を睨んでいた。
店の内装は俺のいる知っている王里さんの店と変わらずメニューはない。
とりあえずいつものを注文する。
「えっと・・・ごめんなさい!私、前世の料理関連の記憶が殆どなくて・・・」
ん?どう言う事だ?
転生の事故なのか?
いつものはラーメンだと告げた。
「らーめんですか・・・。虫による被害で小麦が不作で材料がないんです・・・。」
転生して丸くなったか?
(俺の感覚で)数日前に会った婆さんなら作り方が分からなきゃ客に聞いて材料がなきゃ、
『材料ないから調達してくる。ちょっと待ってな!』
と言って本当に調達しに行って平気で客を待たせる。
「今、すぐ出せるのは虫料理なんですけど・・・どうしますか?」
虫料理か。最近は自動販売機もあるらしいしな。
見た目はアレだが、味は悪くなかった。
流石である。
さて、アプリを起動しよう。
バックドア起動!
俺の目の前にドアが現れた。
恐らく、このドアを潜れば事務所に戻れるのだろう。
ドアを開けると先は事務所になっていなかった。
取説を読むとこのアプリに致命的なバグが見つかった。 厳密にはバグなのかはわからないのだが・・・。
アプリは起動している。が、俺のスキルが干渉をして無効にしている。
つまり、このアプリは俺が意識を失わないと、しっかり動作しない。
後で、あのアホに苦情を入れよう。
『ふぁ〜。虫料理食べたらアプリが瑕疵もとい、bugってたなんて面白いと思ってるんすか?』
店の中から黒猫が欠伸をしながら出てきたと思ったら俺に猫パンチを浴びせた。
意識がなくなっていく最中、聞いた言葉は誰かの
『もう、2度と来るなっス!ホームズ(笑)』
という発言だった。




