国主
少女達がやってきてた次の日
「お館様が出せとの事。それと謁見の間まで来るようにとの事。」
牢番からそう言われて牢から出してもらえた。
あの子は一体何者なのだろうか?
そう考えながら謁見の間でお館様とやらを待っていた。
しばらくすると簾の向こうの部屋に人が現れた。
俺を部屋に案内した男が
「上様のおな〜り〜」
と言った。
ははぁ。取り得ずノリでやった。
後悔はしていない。
「皆の者、面を上げよ。この者と妾以外、謁見の間から出て行け。」
部下達はキョトンとしていた。
「しかし、お館様・・・」
「妾が良いと言っておる。下がれ!」
簾が上がり1人の少女が姿を現した。
牢屋に来た巫女服の方ではない少女だ。
「私の名はヨモヒロ。この国の長です。貴方は外の世界から来た者ですね?そして女神の使いですね?」
その問いに対して
「さてどうでしょうね。まぁ、貴方に用があり訪れたのは確かですが。」
と答えた。依頼人の事は話さない主義だからな。
「私に用とは?」
「こちらの茶釜を献上したいと思いまして・・・」
と言って収納から茶釜を取り出した。
ヨモヒロは茶釜を受け取ると隅々まで見てこう言った。
「これは・・・成る程、封印具ですね。」
やはり、ただの茶釜ではないのか。
「確かに。貴方をもてなしたいのですがこの国は今はそれどころではなくて・・・」
依頼の1つの大蛇が田畑を荒らし民を苦しめているとの事。
ドタドタと廊下を走る音がする。
音はこの部屋へと近づいていた。
「フラ・・・ヨモヒロ様!身篭ってるんだから寝てろって言っただろうが!」
変な男が部屋へと入ってきた。
「私の旦那です。」
少女は微笑んでそう言った。