手料理
「ここが一番オススメのお店です。」
ここって・・・
彼女の運営するギルドだ。
「中に入って席に座って待っててくださいね。」
そう言ってミス・アルディスは先に行ってしまった。
そう言えば食堂みたいなところがあったな。
と思い返しながら中に入り記憶を頼りにそこまで辿り着いた。
「何だい?もう店仕舞いだよ!」
おば・・・お姉さんが凄い圧を掛けながら話しかけてきた。
「ここで待つようにミス・アルディスに言われたもので・・・」
するとお姉さんは微笑んで
「そうかい。ゆっくりしていきな。」
と言って何処かへ姿を消した。
「お待たせしました。」
エプロンを着けたミス・アルディスが料理を運んできた。
「あの・・・変ですか?」
別に変だとは思わない。
何だろうか?ミス・アルディスの顔が少し赤らんでいる。まさかな。
「お、ヤヤの旦那。来てたんですね。」
モヒカンがやって来たと思ったら彼は入り口付近の壁にめり込んでいた。
一体、何が起きたんだ?
「他にも作ったものがあるので取ってきますね。」
そう言ってミス・アルディスは厨房の方へ走って行った。
「ヤヤさん。」
今度はミスター・オトンか。
「アルディスは迷惑をかけませんでしたか?」
彼女のおかげで今日一日、有意義に過ごせたと思う。
「いいえ。彼女のお陰様で良い一日でした。観光案内を依頼して正解でした。」
「そんでヤヤさん。あの娘と結婚して下さるんですか?」
ん?今なんて言ったんだ?
確認をしようとしたらミスター・オトンが消えていた。
もしやと思い入り口付近の壁を見たらモヒカンと一緒に壁にめり込んでいた。
「どうしたんですか?ヤヤさん。」
「いえ何も・・・」
俺は壁に背を向けて食事を続ける事にした。
ミス・アルディスの手料理を味わった後、宿に戻り眠りについた。
本日は女神の領域には行かない。
依頼主のミス・マリーと決めたことだ。
女神の領域
「マクロ、いくら待っても彼は今日は来ませんよ?」
「え〜!」