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迷探偵と異世界からの依頼  作者: ドロップスター
1章 異世界初心者の最初の4日間
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翻訳

「ほぉ〜スキルの巻物が使えんのは意外じゃのう。稀にしかおらんから珍しい物をみれた。少し待っとれ。」


そう言ってカウンターの下から本を取り出した。


「昔、金の無かった転移者から金の代わりに受け取っての。他の世界の言葉で書かれておって読めんがな・・・紙の質がよくて紙束としては価値の高い代物じゃよ。フォフォフォ。」


フォフォフォじゃないだろ。読めない本を渡されてるんだぞ?このご老体、人が良すぎるのでは?


「その者が言うには、異世界の者かつスキルの巻物が使えずに、この本を読める者が現れた時、莫大な財を成すと言われての。」


なんつー条件だ。

大体の異世界人は古代語まで読める様に神々が設定して送り出す。この時点で難しい。

確かに俺は翻訳系統のスキルを持っていない。

「残念ですが、私にそのスキルが無いので読む事は出来ません。」

スキルが無いのだから読めるはずがない。


「そんな事はスキルを見た時に解っとる。じゃが、なぜ言葉が通じとる?試しに読んでみてくれ。」


俺は店主に本を渡された。

本を開くと、こう書かれていた。


「これは古の物語。1人の少女が女神になるまでの物語である。※この本は神の力を持っていないと読めません。」

読めてしまったので音読をした。

なぜ読めたかって?恐らくは翻訳アプリ()の力だろう。

勿論確証はなかったが、店の看板を読めたのでそんな気がしただけだ。


著者名やタイトルはなく、ありふれた神話の様だ。

「読める者がついに・・・。」

店主は喜んでいた。



「残念ですが、財を成す様なものでは無いですね。」

「まだわからんよ。儂には読めんし、お主にその本を譲ろう。もう役目を終えたのでな。」

「ありがとうございます。それでは行きましょうか。ミス・アルディス。」

「そうですね。おじさま、御機嫌よう。」


こうして俺たちは店を出た。

(いらない本も押し付けられた。)


店を出たらもう日が暮れ始めていた。

宿に帰ろうかと考えていると・・・

「あの・・・もし宜しければ夕食を食べに行きませんか?」

「美味しいお店があるんですか?」

「ええ。」


まだ、ミス・アルディスとの3日目(観光)は終わらない。




探偵(ヤヤ)達が店を出て暫くした後


「いらっしゃいませ。なんじゃお主らか。冒険者のはそっちの方じゃよ。」

「いや、違うんだ。索敵と鑑定のスキルをあるだけ用意してくれ。できるなら100人分頼みたい。」

「あるにはあるが・・・そんな数を何に使うんじゃ?索敵と鑑定は魔法並みに値が張るぞ?本当に良いのか?」

「構わない。それとうちのギルドマスターとオジキと馬鹿神官には黙っといてくれないか。その分は色を乗せておく。」

「悪い事には使うなよ。念を押したからな。儂は知らんぞ。(本当にあの本の効果が出たわい。)」


こうして老人は1日で財を成したそうだ。

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