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迷探偵と異世界からの依頼  作者: ドロップスター
1章 異世界初心者の最初の4日間
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異世界の町

ミス・アルディスに連れられて来たのは雑貨屋だった。


「いらっしゃい、アルディスちゃん。おや、今日はデートかい?」

店の奥から出て来たのは膨よかなマダムであった。

「ち、違いますよ。」

「アンタ、アルディスちゃんが男を連れて来たよ!」

「何だと!?」

正直に言う。こっちが何だと!?と言いたい。

奥から旦那と思しき人物が出てきた。



誤解を解くために事情を説明した。

「つまり、そっちの兄ちゃんは冒険者で、互いの依頼を消化してる訳かい。」

そういう事です。決してミス・アルディスの男では無い。

ミス・アルディスは休暇を一緒に楽しむ相手、俺は観光案内を依頼としている。

誤解を解くのに少し時間がかかってしまった。



「兄ちゃん、コレを買ってきな。まけとくよ。」

それはイヤリングだった。

そうだな彼女への礼も兼ねて贈るとするか。



雑貨屋を出て、ふと向かいの建物を見ると巻物の形をした看板があった。

文字は読めないが翻訳アプリを起動しているので直接脳内に「スキル屋」と浮かんだ。(未だに馴れないし、物凄く謎なアプリだと思う。)


「へぇ〜、こんなお店もあるんですね。」

「えぇ、ココはスキルを販売しているんです。

一般的に誰でも扱える様な技能系のものですけどね。興味ありますか?」

「ええ、あります。」

「じゃあ、入りましょうか。」


店の中に入ると御老体が椅子に座っていた。

「いらっしゃい。おぉ、アルディスか。うん?そちらの方はコレかい?」

何故、この町の人達は、コレか?と聞いて小指を立てるのだろうか?

この町の流行だろうか?


「ハイ。」

否定してくださいよ・・・。

「違いますから。彼女に観光案内を頼んだだけですから。」と即座に対応する。


「そうか、そうか。」

何納得してるんだ?この店主は・・・。


「ふむ、ちょっと失礼を・・・。」

ん?何をしているんだ?

店主は俺に顔を近づけて視線を合わせた。

「鑑定の眼です。いわゆる魔眼と言うものです。」


「お主、便利なもの(収納系)と、難儀な固有スキルを持っておるな。まぁ、お主自身がその特性を理解しておればよい。」


「異世界人じゃろ?お主。」

表情を崩さずに「何故、そう思いで?」

と聞き返した。すると・・・

「理由は2つ、固有スキルを複数所持している。その固有スキルにレベルがある。他の世界では知らんがこの世界ではありえんのでな。」


成る程、そういった些細な事(スキルの表示等)

俺が異世界から来たのがわかってしまうのか。

気をつけなくては。


店内を少し見ていると技能系よりも割高だが、魔法も

スキルとして販売していた。

「基本の魔法スキルを売ってもらえますか?」


「合わせて、銀貨5枚じゃが手持ちは大丈夫か?」

お金なら大丈夫だ。依頼主(ミス・マリー)から頂いた袋の中に金貨が2枚と銀貨6枚が入っていた。

因みに金貨1枚で1週間程は余裕を持って暮らせるとの事。



「お買い上げありがとう。読めば使える様になる。使い捨てじゃからスキルを覚えたい者が読むんじゃぞ。早速使って覚えてみるとよい。」

店主に促され早速使ってみる事にした。


手始めに火属性魔法スキルの巻物を読んでみた。


「あれ?何も起きませんね?」

「本来なら光が出てそれが収束する筈なんじゃが・・・?」


理由は不明だが、俺には使えない様だった。


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