達成報告
急いでビー玉みたいな物を回収してをズボンのポケットの中にしまった。
「何で・・・」
勇者は呟いた。
「何で効いてないの?」
スキルの説明はしたくないなぁ・・・、
それらしい説明するか。
「俺もこの世界に来てから知ったんだが、誘惑や魅力ってのは気の持ち様でどうにかなるらしくてな。精神系の耐性スキルってのは抗う気持ちがあって初めて発現するらしい。」
ミスター・オトンは既婚者で妻一筋らしく他の女性には目を向けていない。
一方で、あの聖職者はすべての女性に目を向けている。
というより、あいつの場合は常に誘惑や魅了といったものに晒されている。
だからこそ誘惑・魅了耐性を獲得したとのではと推測をした。
「余程、愛する人が居るんですね・・・。」
その問いに対しては無言を貫かせてもらおう。
「そもそも何で異世界に来てアイドル活動をしてるんだ?」
「親の反対を押し切って上京して地下アイドルに成って・・・」
そう答える彼女の表情はどこか辛そうだった。
「無理して話す事はない。ただな、真剣にアイドル活動したいならそんなものに頼らない方がいい。」
「おじさんに何がわかるの?」
「わからないさ。アイドルになろうと思った事がないんでな。お前はどうしてアイドルに成ったんだ?」
「それは・・・」
勇者の少女と話を終え、日が暮れたので宿に行き依頼主に2日目の報告をしに行く。
「こんばんは、依頼主。本日の報告です。」
「ええ、知っております。無力化に成功したんですね。助かりました。追加報酬もお支払い致します。何が宜しいのでしょうか?」
「追加報酬ですが・・・その前に1つ確認したい事があります。」
「何でしょうか?」
「彼女は転生者ですか?」
「いいえ、転移者です。身体ごと運びましたから。」
「それならば、こちらの世界に関する記憶を消して元の世界に送り返せますか?」
依頼主は驚いていた。
「それでいいんですか?」
俺は首を縦に振りそれで良いんですと言った。
「わかりました。彼女を元の世界に戻しましょう。ヤヤさん、残り2日ありますがどうしますか?」
そうだよな。4日で依頼を受けてまだ2日目なんだよな・・・
「知り合った方々への挨拶や観光をしても大丈夫でしょうか?」
彼女は暫く考えてから頷いた。許可が下りたので残り2日は観光する事にしよう。
「それでは、また後日。」
探偵が去り女神は自分の領域で紅茶を飲んでいた。
そこへ1人の人物が急に現れて領域の主人に声をかけた。
「あのお兄さん、あっさり依頼をこなしたんですね。」
「マクロ!?貴方どこから入ってきたんですか!」
「普通に入ってきたんですが・・・何か?」