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そんな話をしている事なぞ露知らず、末姫様は海の外を恐る恐る顔を海面から出し始めました。

「うわー……!!」

初めて見る光り輝く星空にキラキラと目を輝かせる末姫様。

「アレが『星』なんだ……あの大きなまん丸が『お月様』? 綺麗だな……」

夜空に気を取られていると、ふと急に周りが暗くなりました。

お月様が雲に隠れていたのではなく、末姫様の直ぐそこに引っくり返りそうな程大きな大きな物体がそこにいました。末姫様はソレをよっっっく知っています。それは……

「……『船』だ!!」

人間が大勢乗っている『船』と呼ばれる物体です。末姫様は急いで海へ潜り、その船から離れ様としました。

しかし……


「あらっ?」

丁度船の船首に幼い八歳位の少年が夜空を眺めていました。末姫様が目を引いたのは末姫様と顔立ちが良く似ているからでした。

末姫様が金髪碧眼に対し、少年は茶髪茶眼でぱっと見あまり似てはいないのですが、良く良く見れば鼻の形や顔の作り等がそっくりなのです。まるで()()()()の様に。

「そう言えば、魔女も私と顔が似ている所があったわ……もしかしてあの人が私のお母様?」

そう思い深けていると、段々と空が雲で隠れて暗くなってきました。そうして波も段々と騒がしく波立ってきました。

「嫌だわ。こんな波の時は大嵐が来る予兆だわ」

末姫様は大嵐に巻き込まれない様に海の中へと潜って行きました。












海に戻った末姫様ですが、頭の中には先程の船――少年の事でいっぱいでした。

「大丈夫かしら……船は嵐のせいで壊れてしまって荷物や人間の死体が海の底に落ちてくるってお姉様達が言っていたわ……嵐が来る前に陸地に戻ってくれば良いのに……」

嫌な予感がした末姫様はくるりと方向転換して海上へと泳ぎ始めました。










やはり末姫様の予想通りに海の外は大嵐でした。末姫様は風や雨で周りが見えませんがやっと船を見つけ出しました。

末姫様の嫌な予感が的中してしまいました。船は嵐のせいで横に大きく揺れ転覆しそうです。

「大変だわ! このままだと沈没してしまう……そうだわ!!」

末姫様は深海の魔女からプレゼントされた魔法を思い出したのです。


「アバル ベラ パッセラ!!」

風や雨に負けない程の大きな声と海面を叩きつける様に大きく腕を振り落としました。

すると嵐から守る様に大きな大きな手の形をした波が船を包み込みます。

「ええっと、此処から近い人間の国は……確かコッチ!」

海の外を出た事はない末姫様ですが、人間の国の場所は城の者や家族が大体の位置を教えて貰いました。末姫様は慎重に船を運んで行きました。

「やっと人間の国が見えた!」

末姫様は人間の国が見えて魔法を研いだ瞬間でした。


「あっ!!」

船が大きく揺れた瞬間、小さな身体が海へと投げ出されました。先程の少年です。少年の爺やでしょうか老人が少年を助けようと身を乗り出そうとしますが、船員に止められています。

「大変!」

昔深海の魔女が言っていました。人間は自分達人魚たちとは違い、海の中では息が出来ないからもし溺れてしまったら死ぬしかない、と。

急いで海に潜り、少年を探して海の奥へ奥へと泳ぎます。

「いた!!」

少年を見つけた末姫様は急いで少年を抱えると急いで息をさせる為に泳ぎ始めました。


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