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1人のファンと、1人のアイドル

作者: 五十嵐紅兎

今日も今日とて、いつもの憂鬱なライブに足を運ぶ。

いつもいつも、変わり映えしない舞台からの景色。華やかではあるが、狂ったかの様にファンは色々な色で、様々な星空を作り出す。

確かに、最初はとても気持ちよく、楽しく、誇りだった。

だが、いつの間にかそれは無くなり、真逆のものになっていた。

俺は、僕は、ただ1人のどこにでもいるような、そんな人間なのに、ファンは自分をまるで神様かの様に崇められる。

しかし、皮肉なものだ。純粋にこの業界に憧れ入ったと言うのに、今では1番嫌っているのだから。

こんなにも嫌っているというのに、続けてる理由。それは、ある1人のファンだろう。

その人以外の、他のファンレターは大体実名付きで『いつも応してます! 毎回ライブ楽しませてもらってます! 本当に〇〇くん大好き!』だとか自分のエゴを文に乗せてくる。

けれど、その人だけは違った。

毎回毎回

『ファイト!!!』

の一言だけだった。

最初は『なんだこの人』みたいに思ったり、鬱陶しくも思った。しかし、活動をしていくそのうちに『今日も来てるかな』『今日は言葉が違うのかな』と次第に気になり初め、自分自身がその子のファンとなっていた。

いつもライブになんだかんだ行けたり、この業界を抜けないのは、その言葉がいつも隣にあったからだ。

自分がその子のファンになってからは、いつもライブでその子らしき人を、頑張って探している自分がいた。

今日は来ているのだろうか。


ライブが始まり、もうラストアンコールまできたが、それまでに、見つけられていなかった。

俺は楽屋で呆けていた。仲間に『おい!!! 何してんだよ! 舞台行くぞ! ……って、まだ着替えてないじゃんか!』そう言われ、我に返った俺は、謝りすぐに着替える。

着替えながらも、ずっとその人の事は頭から離れずままでいた。

男なのか女なのか。どんな人なのだろうか。色々頭を駆け巡って、その思考がどうしても頭から離れてくれず、集中出来ずに、舞台上に上がる。


あぁ─────

もう終わってしまう。見つけられる最後のチャンス。それなのに、終わってしまう。

そんな事をずっと、ずっと、考えていたら、曲の中盤までが終わっていた。


そんな時だった。

最前列のとある女性と目が合った、その瞬間、爆音の中で聞こえはしなかったが、俺はしっかりと分かった。

彼女は確かに、軽く微笑みながら静かに、こう言ったのだ──────



『ファイト』



と。

それが分かった瞬間、何かが壊れる音がした。

自分の目から、今まで感じた事のないほどの、とてもとても、熱い、誰も手を付けてなく、小魚が楽しそうち気持ち良さそうに泳いでる、そんな綺麗な小川の様に透き通った、透明な血液が、溢れた。

そして、顔が綻んだ。


気が付けば、俺は大声である言葉を叫んでいた。

ファン全員にじゃなく、ただその子に向けて、一言だけ─────────



ありがとう────


と。




数ある中から、目を通して頂き、ありがとうございます。


正直な話、この話はふと思い浮かび、大半を飲食店でパパっと書き上げたもので、構成も何もかもが雑な所だと、思います。

そして、実際短編を書いたのは、プライベートを含めても、今回が初になります。


なぜ書く事になったかと言いますと、大半は『書きたかったから』『書いてみたかったから』です。

ですが、まだ完結させていない僕の作品である『神速の龍』をざっとでも見て頂ければ、おわかりいただけると思いますが、文字を紡ぎ物語を作る者として、ならぬ事ではありますが、文書力、まとめる能力、表現力、など様々な部分が欠けております。

なので、それらを向上させるには、短編が良いと思い至り、短編を作らせて頂いた所存です。


少々固すぎましたでしょうか……?


最後に、改めてまして、読んで頂きありがとうございます。

よろしければ感想等を書いていただけると、幸いです。

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