6.簡単に物語が綴れる書き方
「久しぶりに続き、書こ」
そう思い立ってすいすい文章が綴れた、わけではない。やっぱり3年のブランクはそれなりに小さくはなかった。会話文と状況描写文を交互に書く、ということが、ものすごく難しく思えた。
ここで、「難しかったけど気合で書いた~」なんて1行で済ませるとたぶん読者側からは「いや、どうやって気合で書いたのかそこ重要でしょうが、端折りなさんな!」と下手したらお気に入りユーザー登録を解除されてしまいかねない、というか私ならそうする、のでちゃんと書いておくことにする。
会話文と状況描写文。
私は、この二つのバランスが、物語全体の良し悪しを決めると思っている。会話文ばかりになると、絵のないマンガのように稚拙な物語になってしまう。かといって状況描写文が多すぎるとそれはそれで小難しい学者様が書いたような読む気の失せる文章になる。そう、バランスが大事なのだ。
読みやすいかどうかは読者さんのご判断にお任せするとして、個人的に、今書いている小説では、このバランスをものすごく意識しているつもりだ。
さて、3年前まで、私の文章を書くスタイルは、原稿用紙の1行目から会話文と状況描写文を交互に、順番に書いていくというスタイルだった。しかしこの書き方で、文章が書けなくなった。そしてやっぱり今回も、この書き方ではなかなかキーボードが進まなかった。
そこで今回は、先に会話文だけ書いてしまい、あとから状況描写文でその合間を埋める、というスタイルをとってみた。こちらはあっという間に文章を書くことができた。今から思うと、以前の書き方はなかなか難易度の高い書き方だったのではないかと思う。登場人物の気持ちになってカギかっこの台詞を書いた後、すぐに頭を切り替えて第三者目線で状況描写をし、また切り替えて、という連続は、例えるなら首をひっきりなしに左右に振り続けるようなものだからだ。これでは首が痛くなって当たり前だ。
文章を書き始めてもすぐに手が止まってなかなか綴れない、という人には、この書き方をぜひ1度試してみてほしいと思う。また、このスタイル以外の書き方を知っている人は、独り占めしていないでぜひ教えてほしい。シェアしましょうよ、シェア。