プロローグ
勢い余って、エッセイ、始めてしまいました。
『宇治で~』の小説とは違い、こちらはものすごーーーーく気楽に、気が向いたときに、勢いに任せて投稿していますので、どうか、みなさまにも気楽に、テレビドラマの合間のCMのときなどに、さくっと読んでいただければとても嬉しいです。
「お話が書けない……!!」
こんな状況、きっと小説を書いている人なら誰しもあることだと思う。もしかしたら、今、画面の向こうにいるあなたは、まさにそんな状況かもしれない。
「続きが書けない」という状況は、当の本人にとっては、かなり深刻な問題である。今まで尽きることなくぽこぽこぽこぽこ、まるで秋の食欲のように止まることのなかったアイディアが、真冬の凍結した滝壺のように、あるときなにも、出てこなくなるのだ。
あるいは、アイディアはそこそこ浮かんでくるものの、それが全く、文章にならないこともある。書いても書いても、自信が持てる文章が一向に書けず、原稿を前にして、死んだ魚の目で呆然とするしかない。
早く続きを書かなければ、そうして焦りだけがどんどん募って、いつしか「書きたい」という想いは「書かなければ」という義務にかわり、タイムリミットなど気にせず書いていた頃を忘れて、締め切りという名の斧を持って後を追ってくる死神から必死に逃げる、そんな気持ちになるのだ。
どちらの状況も、予告なく、突然、やってくる。周りの人は、「『生みの苦しみ』だよね」なんて簡単に言うけれど、そんなたった六文字表現できるようなものなら、こんなに今、苦しんでいない――。
この3年間、まさに私はそんな状況だった。
アイディアも思いつかず、文章も書けず、たちあげたパソコンの前で、気づけば何時間も時が経っていた。周りの活動家さんたちが、どんどん続きを、新作を、書いている中で、自分だけが、一話も、それどころか一行も、進まない。
――なんで書けないのだろう。
――どうやったら書けるのだろう。
――昔の自分はどうやって書いていたのだろう。
――もう、なんかやだなぁ……。
これは、そんなふうになって小説を書けなくなった人間が、3年ぶりに続編を書けるようになるまでの、回想録である。