始まり 5−3
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身長二メートル前後。目にかかる白髪に全身白を基調とした服。左腰には剣を携えサクラスは真っ暗な建物中を一人歩いていた。
「あー、油断しちゃったよ」
先ほどの戦いで失った右腕を悲しむサクラス。これが普通の剣や銃による攻撃だったのなら即座に治っいたが、サクラスの右腕は鬼光石で作った武器でやられたので二度と戻ることはない。
「どうしてくれるの?」
言いながら、分厚い扉を開けるとなかには一人の男が優雅にコーヒーを飲んでいた。
部屋の中は他の建物とたいして変わらない普通のワンルーム。だが、そこには大きなカプセルや、一般の人では使い方が分からないような機械が数多く備え付けられていた。
「ちょっと僕の話を聞いてる?」
「聞いてるさ」
男はサクラスの言葉を適当にあしらいながら、コーヒーをテーブルの上へと起き立ち上がる。
「絶対に聞いてないよね。まあいいか」
相手は水野達でも歯が立たなかった吸血鬼。しかし、部屋の中にいた男は全く動じることなくサクラスと会話をしている。サクラスも、そんな男の態度に腹を立てることはなく、部屋の中央へと歩いていく。
「で、例の物は見つかったのか?」
「そうなんだよ」
ここへ来る前に事前にある程度の説明を済ませていたサクラスは、不敵な笑みを浮かべながら話を進める。
「まさか、こんなにも早く見つかるとはね」
「俺も予想外だよ」
立ち上がり、サクラスと話をしながら大きなカプセルの前に立つ。
「あれ、あの子は?」
「逃げられた」
「はあ?」
とくに悪びれもなく答える男に、サクラスはつい呆れた声を上げてしまう。
「どうするのー? せっかく僕が『例の物』を発見したというのに」
皮肉交じりに答えるサクラス。それにも男は全く動じることなく、後ろにいるサクラスへと振り返り話を続ける。
「なあに、逃げられたのは計算外だったが、君のおかげでそれ以上に我々の計画が早く進みそうだよ」
「そう。ならいいけど」
話はそれだけと言わんばかりにサクラスは踵を返し、部屋を出て行こうとする。
「あ、そうだ」
部屋から出て行く寸前のところで何かを思い出したのか、その場で足を止め、後ろ姿のまま男に話かけ始めた。
「もし、あの子にあったのなら次は殺すよって伝えておいて」
「ふん、覚えてたらな」
それだけを言い残し、サクラスは真っ暗な闇の中へと消えていった。
なんと! 本日で一部が完結します!!!
今まで読んでくださりありがとうございます!!!!
完走出来た事、大変嬉しく思います。これも、応援してくださった皆さまのおかげです。
本当にありがとうございました!!!!
次は二部になります!
今後とも、「ブラッドアッシュ」を宜しくお願い致します^^




