決意 4−5
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「悪い。遅くなった」
覚悟を決めて廃病院を飛び出した俺は、先ほど聞こえた音を頼りにここまでやってきた。
そして、最初に飛び込んできたのは今まさに相馬が巨大な化物、海斗に殺されかけている光景。「みんなを守る」と言っていた海斗が俺の大切な仲間を殺そうとしていたのだ。
間に合え……!
地面を蹴る力を更に込め、急いで相馬の下へと駆ける。
もし、あと一歩でも駆けつけるタイミングが遅れていた、ら相馬の命はなかっただろう。
「一ノ瀬…………。お前……」
背中姿の俺に語りかける相馬。
それを振り返りはせず聞き止めた俺は、もう一度だけ「悪かった」と答える。
「一ノ瀬君!」
海斗が怯んでいる隙に、楪と影井が俺達の下へとかけてきた。
「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛」
「悪いみんな。もう俺は大丈夫。もう俺は迷わない」
クロスを構え、戦う姿勢を見せる。
なにを守り、なにと戦うかをはっきりと自分の中で選択した。
「——俺は、この手で海斗を殺す」
それが俺のやるべき使命。海斗と誓った約束でもあった。
「……たく、迷惑かけやがって……」
「悪い……」
ふらふらになりながらも相馬は立ち上がり、俺の横へ立つ。そして、そのままと海斗へとクロスを向ける。どうやらまだ相馬も戦うらしい。その様子に影井は心配して止めようとするが、それよりも早く俺が口を開いて話を続ける。
「——お前の力が必要だ」
「はっ、上から目線かよ。まあいいぜ、力貸してやるよ」
顔は見ない。お互い隣にいるためはっきりと表情は伺えないが、二人とも笑っていた。
「——ねえ。私も忘れてもらっては困るのだけど」
そこに割って入ってくるように楪が隣に立つ。
「忘れてねえよ。楪、力を貸してくれ」
「言われなくてもそのつもりよ」
今度は三人でクロスを構え、海斗と戦う意思をします。
「みんな。一応先輩である僕の話を聞いてよね」
一度だけ溜息を吐いた影井も、クロスを構える。これで海斗と戦える準備が整った。
海斗待ってろよ。今助けてやるからな。
「みんな行くよ! 今度こそ奴を、海斗君を倒すんだ!」
「「「了解!」」」
海斗との最後の戦いが始まった。




