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夜トの宴  作者: 大隈寝子
10/22

 4 → 5 Night5 side Sword & White

 陽は落ちた。  

「……それじゃ行こうか」

 近くに控えている空たちに向かって、やはり赤い紳士服の男が言った。

 その手に火を灯す。

 分断といっても相手の位置をしらないことにはどうしようもない。

 それについてはおびきよせる、という簡単でそしてある意味危険な賭けを行った。

 空にまで届く火柱を上げたのは、シルヴァだった。

 そして集まってくる“標的”以外の黒衣を空がひきつける。

 そういう作戦だったのだが。

「驚いたな」

 黒衣が集まるのにそう時間はかからなかった。

 そして、シルヴァの言う仮面もまた、すぐに訪れた。

「ここまで速いとは思ってなかったよ」

 そして合図の火を飛ばす。

 それは蝶のようであった。


 ◇ ◇ ◇


 合図の炎は出ていた。

 それなのに。

「……空?」

 空はすぐには動き出さなかった。

 視線の先にはシルヴァの言っていた仮面が居る。

「あぁ、わりぃ」

 札を何枚も用意して

「行け」

 短く、空は言った。

「後は勝手にあいつらが着いてくる。いくぞ、ましろ」


 ◇ ◇ ◇

 

 それからしばらく。

「こないだに比べりゃ大分レベル高いな」

 空とましろをとりかこんでいるのは全てを黒装束に包んだ異様な集団。

「ましろ、俺が走り出したらすぐに神器を使え」

「うん」

 絶対防御の鎧を展開するソレはましろがこの宴を生き延びるのにはある種、最適解であった。

 術式と分類されるものであれば一切を受け付けない最硬の盾。

 とはいえ即答か。

 肝が据わっている。

 状況に翻弄されない精神力に驚嘆はしても口には出さない。

 少女はあくまで普通の人間だ。

 指摘すれば一挙に崩れるかもしれない。

 そういったもろさが全く前に出ていないのはやはりそういう性分なのだろうか。

「じゃ、行くぞ」

「来て、神鎧」

 空が走ると同時、二人は呪を放つ。

 一人は自身を守るために、一人は他を守るために。

 そして他を守るために呪を編んだ少年は“刀”を持って攻撃を開始した。

 敵はこちらを囲むようにして配置されている。

 各々の戦闘能力は空より劣るものが大半であるが「数」で攻められてはどうしようもない。

 そして、本丸はここにはいない。

 あの仮面はシルヴァが受け持った。

 なら。

 円形の包囲陣を破り本丸にその刃を届かせるには。

「来いッ」

 走りながら放つ。

「 終ノ句告げる あはれいかに 草葉の露の こぼるらむ 秋風並ちぬ 宮城野の原 」

 最短距離を作り出すための、一瞬にして膨大な火力。

「飛ばすぞ、クソガキ。ふりおとされるなよ」

 その夜の後、流日にある噂が流れるようになった。

 柱公園にて、地上から空へ星が流れると。


 ◇ ◇ ◇

 

 その雷光は一人の男に確信をもたらす。

 少年は上手くやれそうだな、と。

 焔をまといながら視る。

 討ち果たすべき敵を。

 なるべく早くやれよ、少年。

 そう思いながら。

 目の前の空虚な死神をみる。

「ウォーミングアップといこうか、我が怨敵よ」


 ◇ ◇ ◇

 

 光は自力という制限において直進しかゆるされない存在である。

 その力を借りた存在もまた直進しかできない。

「主、どこまで進めばいいんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「ここいらでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

 流星にも見える彼らはもちろんのごとく急には止まれない。

 単に“光星”と名付けられた術式が解除された。

 彼らにもたらされたのは余波による一瞬の浮遊と

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 有無言わさぬ落下である。

「イノ、お前は今からましろん所にむかえ!」

「承知!!」

 地上までの猶予は十数秒。

 黒衣たちの動きから本丸の居所として考えられるのは高所。

 この周囲で高所といえば。

 前方30m、下方20m。

 30階建てのオフィスビルの屋上に、目標はいた。

 ただ一人。

 跪いていない黒衣が一人。

 視線が交差する。

 瞬間、戦闘は始まった。

 屋上から空中にむけての刃の投擲。

 空をなぎ、風を切るそれは的確に狙いすまされ空に届く。

 想定より速い。

 が、対処できないほどのものではない。

 刀で受け流す。

 取り除いたその一瞬。

 2人の視線の高さは等しくなった。

 片や自由落下中の術者。

 片や地に足をつけて構えをとる仮谷。

 引いた腕を、うがつ。

 虚空を、その先にいる敵を。

 拳打による見えない砲弾。

 打ち出されたソレは周囲に風をはらみながら空へと届く。

 注視していればその濃度によって空間が妙な屈折をしている部分が見えたはずだが、今は夜である。

 狙われた側である空はソレが至近に迫ってようやく刀を盾にすることで直撃を防ぐにとどまった。

 空気の圧縮砲弾。

 あの簡単なプロセス。

 ゆえに一撃必殺ほどのものではない。

 とはいえ、空中だ。

 ふんばることができず青年は後方へ吹き飛ばされた。

 普段なら空中といえど雁や時鳥でどうとでもなる。

 が、今はあいにく貸し出し中だ。

 直線距離にしてビルまで50m。

 今の位置だとそこからさらに上にいかなければ仮谷には届かない。

 ならば、階段をつくるしかないだろう。

 本人が知ることではないが空の権能はこの宴において最も単純である。

 「刀を無数に出現させる」

 制約がない権能であるため最初は空も軽視していたが

「半端といえど神だからなァ!!」

 さらに後方へとながされ60mの距離となったそのビルを起点に壁から刀を無数に生やすなど造作のないことであった。

 普通60mの長さの刀など少し触れれば、あるいは触れずとも折れてしまう。だろう。

 ましてや人が乗ればどうなるか。

 言わずともわかることではあるのだが。

 そこは神の権能。

 たやすく常識は捨て去られる。

 空が全力でかけあがったところでビクともしなかった。

 手持ちの札を確認する。

 敵は仮谷で間違いない。

 さきほどのあの術式は気になるが。

 刀の階段を駆け上がりながら

「 三ノ句告げる 十カス 」

 詠唱とともに空の前に複数の雷光が灯る。

 練り上げるごとにそれらは輝きを増し

「飛べ!」

 直径30cmほどの光の弾。

 複数のそれらははじきだされただひたすらに飛んだ。

 空の想定している、知っている仮谷ならばまずもって避ける以外の方法をもたない術式。

 さて、何をみせる。

 光は仮谷に届かず、中空にて何かにぶつかったかのように霧散した。

 術式による防御。

 そう来たか……。

 陣が出現してないことから察するにどこかに仕込んでいたのだろう。

 術を排除するには二つのやり方がある。

 術者を排除するか、あるいは基盤を排除するか。

 今はまだどちらもできそうにない。

 陣は装束に浮かび上がっているあのラインか。

 駆けながら思考する。

 握り締めながら、視る。

 接近戦。

 対峙する神はやっと同じ目線で交差した。

「よぉ夜徒」

「……」

「一つ提案があるんだが聞く耳持つ気ねぇか?」

 刀を正面に構えながら。

 接近した仮谷の一人に術式を放つ。

「聞くだけ野暮だな」

 一斉に彼らは動き出した。

 本丸除いて見える範囲に七人。

 操り人形であるならば。

「見せてやるよ」

 刀を持たない左手を地につける。

 力が光となりビルの屋上をかける。

 それに沿うように。

 無数の刀が出現した。

 そして彼らは反応できない。

「……動いているのが意識を持った仮谷たちなら避けただろうさ」

 真正面。

 まだ微動だにしない夜徒に向けて言う。

「お前は家族を信用しなさすぎた」

 言われた仮谷の表情は装束に覆われて見えない。

 言った空の表情は

「特にお前に何の思い入れもなかったんだが」

 怒りにまみれていた。

「そこにあるもんに気づけないお前は、間違いなく俺の敵だ」

 彼我の距離は10m。

 ふみこめば、動けば2秒とかからない。

「お前に」

 近づく中でそれは聞こえた。

「何がわかる」

 揺れ動いた感情は力となって右手に流れ込む。

 炎の魔術師と打ち合った父のソレのように腕は刃と化した。

 0m。

 夜刀と夜徒は怒りをもって激突する。

 刀と刀は甲高い音をひびかせて重なった。

 それぞれの刃はともに若いという点で未熟という評価に終わる。

 が、打ち合って数瞬で彼らは気づく。

 接近しての戦いは仮谷に分がある、と。

 災浄は基本の仮谷の戦いに加え従来採用されてはいなかった術式を上乗せしている。

 それゆえ、肉体のレベルが空よりも優れている。

 空が一太刀いれる間に敵は刃をうけて返す。

 空が避ける間に追撃を放つ。

 きついな……。

 それが空の正直な感想だった。

 そしてその劣勢は怒りにのぼせかけた空を幾分醒まさせた。

 この速さの中で仮谷のあの腕の術式は解除不可能。

 かといって権能を止められるわけでもなし。

 自然、空があとずさり災浄が攻める状況。


 ◇ ◇ ◇


「徒」を動かせれば話は速いだろう。

 が、思ったより刀の壁が分厚い。

 こちらが優勢とはいえ、この敵は格闘戦においてそれなりに優秀だ。

 生半可に手を抜けない程度には。

 必然、「徒」そのものの操作は煩雑なものになる。

 集団で「個」であるであろう他の夜トを叩く。

 それをやり方の軸にしていた。

 さすがに三人を同時に相手どる時点でうまくいくとは思ってなかった。

 しかしここまで接近を許すとも思っていなかった。

 焦りはしない。

 白衣の女も自分で仕留めた。

 途中で予想を裏切られようが最終的に勝てばいい。

 たとえどれだけ虐げられようと。

 嫡子でありながら家の本懐を与えられなかろうと。

 見よう見まねだけでどうにか得たものを完全否定されようと。

 それでも今は自分が上だ。

 負けるはずがない。

 勝たなければいけない。

 その熱ゆえか。

 あるいはやはり焦りか。

 気付いたときには身体が白光に包まれていた。

 ただその目に青年の笑みを残して。


 ◇ ◇ ◇


 真っ当な術師どうしの戦いは本来単調になりがちである。

 多彩な閃光や激しい格闘が戦闘で舞い散ることはほとんどない。

 一部の例外を除いては。

 俗にそういう派手な連中のことを軽蔑の意をこめて術使いと呼ぶ風習がある。

 そして。

 空はギリギリ術師だった。

 ただ受けきり隙を見て反撃するも返される単調な戦闘の中で、空は仕込んだ。

 刀で動けなくなっている仮谷たちを起点とした星の陣。

 かつてこの国の最高の陰陽師が用いた極北の星。

 それは災浄が食わされた白衣の五芒星の二段上。

 七芒星。

 意図せずして空は術者としての力量を災浄に示したことになる。

 原理としては災浄が白衣に対して使ったものと同じだ。

 敵を利用して陣を奪い完成させる。災浄は目くらましにとどまったが。

 その頂点に災浄の「徒」を使うことで意図的に莫大な力の逆流を起こした。

「てめーの力に呑まれて失せろ」

 人が人を操るのみならず、術式の発生源と対象には必ず何かしらのつながりが発生する。

 特に夜徒の権能のようなものであればそれは確実に生じる。

 それを七芒星の形におとしこめ一気に力を凝集させたのが空の今回の術式である。

「なっ……」

 防御策を取る間も与えられず、少年は光に呑まれた。


「ハァ……ハァ……」

 昇る光を見ながら夜刀は膝をつく。

 頭はガンガンと痛みを警告として発していた。

 無理もない。

 近接格闘のプロとの戦闘をこなした上での大術式。

 陣形自体はそこまで複雑ではないが力のコントロールにおいて恐ろしいほどの緻密さを要求する。

 持っていた刀を杖のようにして膝をつくのも当然のことであった。

「やっぱ中途半端はよくねぇな……」

 握り締めた刀を見ながらごちる。

 空の家自体は刀剣を扱った術式に長けていたらしいのだがそれを教わる前に全て消えた。

 刀は常に携帯はしていた。

 時に用いもした。

 しかし彼の得意とするものは刀でもなんでもなくただ一般の術式であったのだが。

 権能が刀だというのは何の因果だか。

 不思議と自身の権能で出現させた刀は様々な形でありながらどれもしっくりくる。

 これまで何度か魔剣や宝刀といった類のものを目にし触れたこともあったがどれもしっくりきたものはなかった。

「とりあえず今日はこんなところか」

 夜徒の撃破によって彼の権能は解除される。

 それゆえ操られていた人々は解放される。

 その際、おそらく神脈が急に切れることによるショックで大抵の人間は気を失うだろうが、ましろのことを考えればむしろ都合はいい。

 どちらかといえば今気にしなければならないのは夜屠だ。

 あの紳士がうまくやってくれていればいいが。

「イノさん……はいないんだったな。足でいくか」

 多少くたびれるが術式で強化して走ってましろの所にいくよりないだろう。

「 一ノ句告げる 唐衣 」

 ただ、足が進まなかった。

 強烈な横からの殴打。

 空は認識することなしに給水塔につっこんだ。

「どこにいくつもりだ……夜刀」

 視線の先。

 倒れたはずの夜徒がいた。

「……」

 痛みの中、考える。

 ぬかった。神器の破壊をなぜ確認しなかった。

「まぁ、どうでもいい。お前は今からここで死ぬ」

「ずいぶん……強くでたな、そんな身体で」

 衝撃はなんとか緩和できたがそれなりのダメージは残った。

「はっ」

 一方の夜徒。

 空の言うとおり彼の身体は先ほどの術式をもろに受けたことによりあちらこちらから出血し、その装束もかなり失くなっていた。

 素肌。

 そこには装束と同じくというべきか、術式のための陣が走っていた。

 立つのもやっと、と言ったその身体。

 その腕に光る一つのリング。あれが神器か。

「力がないなら奪えばいい」

 その身体で何を奪うのか。

 疑問は一瞬で消し飛んだ。

 通常の術者は神脈の存在をなんとなく認知はできていても完璧に把握することはできない。

 それを捉える視覚がないからだ。

 ゆえに空は驚愕した。

 夜徒を中心として広がる、くっきりと目に写るほどの、百を越える神脈を。

 それらが鼓動を打つのを。

「お前……壊れるぞ」

「その前に殺す」

 夜徒が行ってたことは単純だ。

 従えている徒からできうる限り力を奪う。

 一人の元に百人以上の力を集めれば、単純な馬力はまさしく神がごときものになるだろう。

「……そいつらはお前の家族じゃないのか」

「血のつながりだけ言うならそうなんだろうな」

「……」

「少なくとも」

 翔ける。

 ただの一歩が瞬足だった。

「俺にとっちゃ他人以下だ」

 その言葉に怒りを感じる余裕すらないまま。

 今ひとたび夜トたちは激突した。

 当然ながら、その戦闘は先程までのソレと違いあまりにも攻守の色をはっきりわけた。

 あまりにも夜徒は速く、そしてその一撃が重い。

 一撃でもモロに喰らえば肉を破り骨を砕き内蔵をえぐり心臓を食い破るだろう。

 それでも空が対応できていたのはひとえに防御を厚くしていたからだ。

 敵の攻撃がくるであろうところに何重にも刃を出現させる。

 夜徒もあの「腕の刃」を発動しているのかどれだけ破壊し、砕けようと傷一つ付けられていないが、それは向こうも同様。

 一人の身体に百人以上もの力を詰め込むなんて無茶はそう長くは持たないはず。

 とはいえそのリミットがいつかわからない以上、ひたすら防御に回っているだけではいたずらに消耗する。

 攻めなくては。

 先ほどの七芒星のような大魔法はこの速さの中では勿論不可能。

 ならば。

「 一ノ句告げる とき葉なる 」

 出現させる刀に仕込む。

 ふれれば爆発する、という単純な術式。

 殺傷力にはそもそも期待していない。

 幾度となく攻撃を繰り出し、全てを防がれかつうっとおしい仕掛けを施されれば。

「クソッタレがぁ!!」

 人は。

「なめくさってんじゃねぇぞぉッ!!」

 怒りにのまれる。

 もはや型も何もあったものではない。

 力をただ放出するだけ。

 刀はよもや形をとる前に砕け散った。

 正直予想外だ。

 空は夜徒を一人の戦士として見ていた。

 若いとは言え「仮谷」。

 戦闘の中で落ち着きを失わない。

 そうは言わずとも自分を放り投げてまで暴力に身をまかせることはないと、そう思っていた。

 読み違えたと、思ったときにはすでに。

 敵の腕は腹に穴をあけていた。

「……カハッ」

 血がこみ上げてくる。

 寒気はするが何も感じない。

 痛みも、死の恐怖も。

「教えてやるよ夜刀。お前の敗因を」

 何か言っている。

「複雑なもんじゃない。ただ一つ」

 遠のいていく。

 景色も、意識も。

 十年前の夜を思い出す。

 そうか、やっぱり俺も夜に死ぬのか。

「オレを怒らせたことだ」

「……そうかい」

 空に月が見える。

 そして流星。

 お迎えでもきたか。

 いや……。

「空ァッ!」

 そんなじゃねぇなぁ。

「空ァァァァァッ!」

 来てんじゃねぇよ、ましろ。


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