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2話

しばらくぶりの投稿です

 いやいや無理だろう、どう考えったって。入野先輩って細すぎるって訳じゃないけど、文科系というか運動が出来なさそうな感じがしたけど


「おれも最初は、嘘だと思ったけどどうにも嘘じゃなさそうなんだよ、これが」


「どうしてそんなことがわかるんだよ。何か根拠でもあるっていうのかよ」


 こうもこいつが自信満々に言ってると反論したくなる。でも今回はそれだけの理由で突っかかった訳じゃない。目の前のこいつが嫌なほどに笑顔だからだ


「前見ちまったんだよ。入野先輩がドンパチやってる所をな」


 こいつ大丈夫かな?非行に走ってないと思ってたけどまさか俺が気づいてなかっただけか


「おい。お前、何で おれを不良少年を見るかのような目をして見るんだ。おれは何もきめてないからな!酷くないか?親友疑うなんてさ?」


「俺とお前がいつ親友になったよ。おまえの妄想につき合わさないでくれる?」


 ……つい照れてひどいこと言ってしまった。圭介が傷ついてしまったかもしれない。素直な言葉を口に出せない自分が憎い。本当だったら「親友だとしても、信じれることと信じられないことがある」って言いたかったのに……。

 あいつ今俯いたまま肩を震わしている。泣いてるのか?そうだとしたら俺はどうしたら


「ククッ。お前やっぱりツンデレだな。毎回おれに暴言はいた後、自分が傷ついた顔してるぜ?」


「俺はツンデレじゃない!!………この話は良いから。入野先輩のことを話せ。脱線してる」


「ああ、そうだったな。何で話がそれたのか。………確か入野先輩がドンパチしてるのを俺が見たことあるってところまで話たな。これは



 ある日おれは、バイトの帰りに小道や路地裏を通って、大急ぎで帰っていた。

 おまえの家に両親に決められている門限があるように俺の家にもある。これを守らないとバイトを辞めさせると言われていたから、守るために時間は常に気にしていたんだが、その日は気が抜けていたからなのか、ギリギリ間に合うかどうかの時間まで残業してしまってたんだ。だから、いつもは大通りを通って帰っていたけど、その日だけは近道のために普段は通らない道も駆使して門限に間に合うように頑張ってた。

 あの時のおれは、今まで走ってきた中で一番速く走れてたと思うぜ。まあ、これは置いといて。

 …ある路地裏に入った時にうめき声みたいなのが聞こえて来た。

 周りから好奇心の塊と言われているおれがその声を無視できる訳もなく見に行ってしまった。

 

 たどり着いた場所で俺が見たのは、黒い髪に少量の血を付着させて、5人くらいの男を土下座させて、頭を蹴り上げている入野先輩の姿だった。

 最初見た時は、おれも見間違いかと思ったけど、そうじゃなかった。どっからどう見ても、あの人だった」




「……俺は一回しか入野先輩を見たことが無いから、性格は知らないけど、全体的な雰囲気はクールな感じだと思った。捉えようによったら、冷たい人だと取れるとは思った。けど、体術が出来るような筋肉はついていなかったと思うよ。それに、土下座させて、頭蹴り上げてたなんてそれは、話盛っただろ。お前が見たのは男の人が倒れてるところにたまたま通りかかった入野先輩が居合わせていたっていうだけじゃないのか?」


絶対とは言えないけど、それは無い。


「嘘じゃない!!本当のことなんだ!!」


「…………見ていたことを先輩に気づかれなかったのか?大丈夫だったのか?」


 もし、この話が本当だとしたら、このことを口外しないように口止めをされるはずだ。しかしこいつはペラペラと俺に話していた。

 …可能性の一つに、敢えて野放しにされていることも考えられるが、そんなことをして何か得があるかわからないから、これはないものと考えよう。


「大丈夫だったぜ。絶対に気づかれてない。そうじゃなかったら五体満足で此処に居ないだろ」


「そうとは限らないだろ。何らかの事情で先輩がそんなことをしたのかもしれないし、それに俺は先輩がそんなことしていたと信じていないから。この目で見なきゃ信じられない」


 噂だけで人を判断したくないからこの目で見ていないのなら、信用に値しない。いくら親しい友人が言っていたとしてもね


「はあ、お前ってそういうやつだったな。おれが何言っても信じちゃくれないか。それならそれでいいと思うぜ。………後で、知った方が面白いだろうな」


「ん…?何か言ったか?」


「いんや。何にも」


 なんか腑に落ちないけど、聞いても教えてくれないだろうな。こいつが、ニヤニヤといやらしく笑っている時は、基本はぐらかされて終わるから、間をおいてそれとなく聞いてみるか。


「まあ何にせよ、おれはおまえの恋を応援するよ」


 ……恋じゃないけど、反論したってからかわれるだけだから無視しとこう。




 次の日、学校に行くために家を出ると圭介がドアの目の前にいた。こいつは俺を待ってたのか?今まで一度も一緒に登校しようとしたことが無かったのに、どういう風の吹き回しか。良い予感はしないな。むしろ家の前で待たれてたのが気持ち悪いな。こいつなら家に勝手に突入して来そうだけど


「よっ。おはよう。出会って早々迷惑そうな顔されて、朝っぱらから心に傷を負っちまった」


「これまでで絶対やらないようなことを急にしたお前を気持ち悪く思ってるだけだから。気にしないで大丈夫だ」


「全然大丈夫じゃないよな。何気に酷いことさらっと言ってるけ


「それで何の用事があって俺の家に来たんだ?」


「遮ることはないだろうに。……まあいいや。それで俺が来たのは



 話が脱線したりして中々話が進まなかった。圭介の話を簡単にまとめると



 家に来たのは、俺といると面白いことがあるから


 家の前にいたのは、普通に家に突撃するより、外で待ってる方が俺の珍しい反応が見えるかもしれないから(そのために30分待っていたそうだ)


 昨日俺が圭介の話を信じなかったから、信じさせるために一緒に行動して決定的な瞬間を見せるため(男の意地みたいなものらしいが俺にはよくわからない)


ということらしい。


 俺が圭介を連れてても何も得が無いから正直いない方が静かでいい。どっか行ってくれないかな


「今俺を邪魔だと思っただろう。酷いな。……いつものこと過ぎて全然気にならないけどさ。


あっ!そうそうおれ、今日は何が何でもおれはおまえと一緒に居ようとするから。どんなに罵倒されようが関係なく付きまとうから。一人の時が無いくらいに付きまとうつもりだから、寂しくならないぞ。よかったな」


 今日俺はこいつにストーカー紛いのことをされるのか。


 最近はこいつのことに関して、諦めが早くなってきたように感じるな。ま、こいつがしつこいのが何よりの原因だろうけど。でも、何言われても傷つかないそのメンタルは尊敬できる。

 それに俺は何度も救われたけど、言ったら付け上がるのは目に見えてるから言わない。


「取り敢えず、此処に居ても面白いことが起こらないだろうから、学校行こうぜ。今遅刻ギリギリの時間だからな」

 

 は や く 言 え よ


「急ぐぞ!」


「別に急がなくても大丈夫だって。歩いて行こうぜ。走んなくたって、十分間に合うって」


 ダラダラ歩いている奴は置いて、学校に急ごう。遅刻はしたくない





キーンコーンカーンコン



 何とか間に合った。何が遅刻ギリギリだ。完全に遅刻の時間だっただろうが。俺が走りだしても、歩いていたあいつは、遅刻決定だな。


 朝のHRが終わるころに圭介はやってきた。来るのが遅いと先生に怒られていた。


「なあ、おれが居ない間に何か面白いこと起こっちまった?」


 中々見ないような真剣な顔で聞いて来た。真剣な顔するようなことじゃないと思うけど


「この短時間で何か起る方が驚きだ」


「ってことは何もなかったのか。俺はまだ面白いものが見えるかもしれないのか。良かった…」


「気になってたんだけど、その面白いことの情報って誰から聞いた?」


「んー。言った方がいいか?」


 気になるんだから聞いてるんだろう


「そりゃ、言ってくれた方が良いな」


 圭介は悩むようにして唸りだした


「んー……………い………ほ………いの……………で………な…」


 しばらくしてから、覚悟を決めた顔をして言った


「それいったの、『入野先輩』だぜ」



 何でこいつが入野先輩からそんな情報もらってんの


  

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