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 彼女は大切な友達だ。

 大学1年生の春に出会った彼女はふわふわの長い茶色の髪と真っ白な肌をした愛らしい女の子に見えた。にっこり笑う姿はすみれの花みたいだった・・・なんてことは絶対に教えてあげない。

あれから6年もの月日が経過した。今日はクリスマスイブのイブ、つまり天皇誕生日である。

「どうしてなんだろう。」

「どうもこうもそんなだからでしょ。」

とぷとぷと赤ワインをグラスに注ぎながら素っ気なく言い返す。

「冷たい、冷たいよ。」

「茉莉、私にまで優しくされたらどうするの?究極にみじめでしょうに。」

「うー・・・否定できない。」

そう言うと彼女はテーブルに突っ伏した。本日何度目の光景だろうか。私は赤ワインを喉に流す。

こんなになるまでいつもよく傷つけるものだと私は感心してしまう。まっすぐで分かりやすくて、単純なようで繊細で複雑、ふわふわにこにこしている天然にしか見えない彼女が万華鏡の中をオープンカーでかっ飛ばすような無茶苦茶な思考回路だなんてみんな知らないのだ。イノシシよりもぶんぶん進んでしまう茉莉。

「たまにはさ、当たって砕けてきなさいよ。」

「あんねーそれが出来たらこんなじゃないよー。」

ピーピーと茉莉は喚き、私は赤ワインを飲んだ。少しして茉莉は飲めもしないくせにグラスを手にして赤をあおる。

「ちょっ・・・飲めないんだからやめなさいって。」

「やー。今日は飲む、飲んでやるんだから。」

半泣きでぐずった子どものように自棄になって彼女はお酒を飲んだ。そしてわずか3杯を摂取した辺りでぐでんと横になって寝落ちしてしまった。

「ったく・・・このバカ娘。」

朱の差した白い頬を突っつくも彼女は目覚めない。やわらかな髪をふわふわと撫でて、立てた膝に私は顔を埋めた。

「あんたが傷つくと私も傷つくんだからね。」

 だって、茉莉は―



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