運は脅せば貰えるものです
福引き、福引き、福引きなのです。
またもや町に戻って来ました。
早くしないとタマゴがなくなってしまうかもしれません。
町の人間に福引きをやっている場所を聞きました。
福引きはお店ではなく広場でやってました。屋台みたいなのです。
人間達は並んで列になっています。さっそく私も並ぶのです。
一番最初に並んでいる人間が六角形の木箱を回しています。箱はジャラジャラジャラと音をたてながら、白くて小さい玉を吐き出しました。
「はい、残念。飴だね」
「ちぇーハズレかよ」
屋台の人間が飴玉をあげています。
飴玉を貰った人間は残念そうです。
ふむ、白い玉は飴玉なのですね。
でも飴玉がハズレとは贅沢な福引きです。ハズレても私は10個の飴玉が確実に手に入るわけですね。
はっ、いけません!私はタマゴを手に入れなくては駄目なのです。
次々に人間達は飴玉を引き当てます。
何です?白い玉しか入ってないのですか?と、思っていたら赤い玉が出ました。
カランッカランッカランッ!
屋台の人間がベルを手で鳴らしました。
煩いのですよっ!
「3等大当たり!はい、景品の卵ね」
「おっ、卵か。まっ飴よりはましか」
た、タマゴなのです!
しかも10個も!
赤い玉1個で10個のタマゴなのです。
そうすると…………
福引券10枚=赤い玉10個=タマゴ100個=私のおやつも100個。
おおっ、凄いのです。凄いのです!
福引きとはやはり贅沢豪華な券です。
必ずタマゴを当ててみせます!
私は前に立ちはだかる人間達に赤い玉が出すなと、念じます。
私以外に出されたら、私のタマゴがなくなってしまうのです。
そのおかげで赤い玉はそれ以降出ませんでした。
ふっ、私のタマゴへの思いは強いのです。悪く思わないで下さい。
「はい、次の人」
私の番なのです。
福引券10枚を渡します。
そして、ありったけの思いをぶつけるのです。
「タ、マ、ゴオォォォォ!!!」
「嬢ちゃん!回し過ぎ!速い、速いよ!もっとゆっくりっ!ゆっくり回せやっ!!」
私の熱い思いの邪魔をするとは、なんて不届きものです。指図は受けないのですよ。そんな軽い気持ちで福引きはやってないのです。一緒にするなです。
いざ、出るのです!
赤い玉!否、タマゴ!!
ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ……………コロン、コロコロコロ、コロン
「はい、残念。飴ね。今度はゆっくりね!?ゆっくり回すんだよ。じゃないと壊れるから」
な、何で白い玉が!?
私のこの熱い気持ちが届かないとは、何て小さい器なのです。木箱のくせに生意気です。こんな物、壊れればいいのですよ。
ムカつきますが、壊れたら福引きが出来なくなります。仕方がありません。私の福引きが終わったら壊してやるのです。それまで猶予をやるのです。
気を取り直して、もう一度………
今度はゆっくり回してやります。
勿論、念も忘れません。
赤い玉を出さなければ壊す。
壊す、壊す、壊す、壊す、壊す。
ジャラジャラジャラ
コロン。コロコロコロ
カランッカランッカランッ
「三等大当たり!…………良かった。壊れなくて」
よしっ!念が通じました。最初から素直に赤い玉を吐き出せば良かったのですよ。
それからリンは8回、回した。
回すたびに鐘が鳴り響く。
リンは三等の赤玉を三回引き当て、あまつさえ一等の米五キロ、二等の小麦五キロ、三等の鍋、四等の野菜、果物セットを引き当てた。
脅しの念は無機質にまで通用したのであった。
リンのステータス
スキル
・爺ハーレム
・脅迫
所持金
・0
アイテム
・本『悪女の条件』
・卵30個
・米五キロ
・小麦五キロ
・鍋
・野菜、果物2セット
・飴2個




