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逆ハーレム?

やってしまいました。

でもタマゴを諦めた訳ではないのです。

私にはこの本があります。


この本によると、欲しい物は男に貢がせるのが悪女の基本ですと、書いてありました。

だからタマゴを男に貢がせればいいのです。

問題解決です。


悪女は逆ハーレムを作ります。

逆ハーレムとは男達を侍らせることです。

ようは下僕です。


まずは下僕の男達を見つけなければいけません。

私は男達が居る溜まり場を知っています。

町に来る前に通ったのです。


旦那様からは、男に声を掛けられたら殺す約束をしましたが、私から声を掛けるなとは言われてないのです。

屁理屈がまさに悪女っぽいのです。

ちょっと悪女に近づきました。


ちなみにこれは断じて浮気ではないのです。

これは旦那様の為です。

私が着ぐるみ悪女に変身して失敗を犯したので、次は失敗しない為の試練です。

立派な悪女になって私の魅力の虜にしてやるのです。

旦那様に次こそはカニカマを献上させてやるのです。

もう、毛繕いをされて恥ずかしくワタワタする私とはおさらばです。悪女になったからには私は毛繕いされようがドンッと構えて「もっと………」くらい言える様にならなければいけません。

誘惑してメロメロにします。主導権を握って手玉に取って見せます。

今度は旦那様が恥ずかしくてワタワタすればいいのです。

純情な私はこの本と出会ってからいなくなったのです。

私はリニューアル悪女のリン=アレストファに生まれ変わったのです。

何か格好良くなった気分です。


手始めに逆ハーレムですね。

待ってなさい!私の下僕達!!あとタマゴ。


「おーほっほっほ、です」









宣言通り、リンは男達を侍らせていた。

男達はリンにデレデレのアマアマだ。

気を気を引こうと躍起になって貢ぎ物を差し出す。

女はリンしか居らず、まさに逆ハーレムを築いていた。


そう、まさに文字通り逆ハーレムだ。

ただその侍らした男達は…………


「儂の孫もこんだけ可愛ければのう」

「そうさなぁ、家の孫なんか顔さえ見せにこん」

「儂の孫なんか家に来るのは金を貰いに来るぐらいじゃけん」

「嬢ちゃんみたいな孫が良かったわい」

「旨か?家のかみさん玉子焼きじゃけぇ、たんと食べ」

「ほれっ、これも食べぇ」

「漬物ばかりじゃ体に悪いけぇ。饅頭はどうじゃ?」

「茶も飲みぃ」


まさに爺ハーレムを築いていた。


ここは町から少し離れた田園。

日中の日が強い昼時に稲穂を刈るには老人達には辛すぎた。そんな今は昼時の休憩時間。

リンは爺達に薦められるまま、弁当の玉子焼き、胡瓜の漬け物や茶菓子の饅頭、あげくに茶までもごちそうになっていた。


逆ハーレムは達成出来ました。

貢がせもしました。

でも貢ぎ物にタマゴはなかったのです。

タマゴはタマゴでも玉子焼きではないのですよ!

でも玉子焼きは美味しかったです。

胡瓜の漬け物もなかなかです。

饅頭もウマウマです。

喉に詰まりそうになったらお茶もくれました。


うむ、よきにはからえ。妾は満足じゃ、です。


しかし困りました。

肝心のタマゴが貢ぎ物にないのです。

悪女は貢ぎ物を選べないのですか?

下僕が出来てもタマゴがなければ、お使いが失敗してしまいます。

そうです!

こんな時には、この本です!

何か役にたつ情報が書かれているはずです。


本を篭から取りだし開きます。


ハラリ


んっ、何ですかこれは?

開いた本ら紙が落ちてきました。

そう言えば、本屋さんから何か紙を貰って本に挟んだままでした。栞代わりにしていたのです。


「おや、福引券かい」

「そういや、そんなのやってたのう」


ああ、そうです。

福引券です。本屋さんも言ってたのです。

何でも銀貨一枚分購入商品につき一枚福引券を配っているらしいのです。

で、福引券とは何ですか?

ただの紙ではないのですか?


「福引券?」

「何じゃ、福引券を知らんのか?」

「町のくじ引きじゃよ」


「くじ引き?」

「むうー、くじ引きの説明かの………何と言えばええじゃろ」

「なぁに、簡単じゃろ。福引券は何か当たるかも券じゃわい」


「何がですか?」

「景品じゃ」

「今回はなんじゃったかのう」

「儂は忘れてしもうたわい」

「まぁ、大したもんは当たらんよ。鍋やら野菜じゃろう」

「おおっ、もしかしたら卵もあるかもしれんぞ!」


「それは本当ですか!?」

「前の時もあったからのう」

「あるかもじゃぞ、かもじゃ」


良い情報が聞けたのです。

こうしてはいられないのです!


「福引きとやらをしてくるのです!」


「何じゃ行ってしまうのか」

「お使いは大事だからのう」

「そうじゃ、儂の福引券もやるぞ」

「儂も確か、この辺に入ってた気が……」

「儂はあったかのう………」


下僕達が自分の服をゴソゴソと探し始めました。

しわくちゃの福引券がポケットから出てきます。

それを私に献上してきたのです!


「貰っていいのですか!?」


これがあれば、タマゴが手に入るのに!

そんな価値ある物を何の抵抗もなく渡すとは……無欲過ぎるのです。

騙されないか心配になってしまいます。


「ええんじゃ、ええんじゃ」

「どうせ儂等はわざわざ引きに行かんしな」

「嬢ちゃんと話させて貰っただけで満足じゃよ」

「こんな爺の話し相手になって貰ってありがとな」

「久しぶりに楽しかったわい」

「また、いつでも遊びにきぃ」


しわくちゃの福引券9枚に私の福引券を合わせて10枚になりました。

タマゴの数と同じなのです!


しかし悪女とは………貢がせるのに罪悪感を感じるものです。

こんなに良くして貰っていいのでしょうか。

下僕達の好意は嬉しいのですが、差し出す物がありません。

悪女は貢がせても貢いでは駄目なのです。

本来なら当然と貰っていいものですが………

これも試練なのですか。

この罪悪感を乗り越えた先に、真の悪女への道に繋がっているのですか。


下僕達の好意は無駄にしません。

私は立派な悪女になります。


「ありがとうなのです」


福引券を握りしめ、いざ町へ!


リンは田園からまた町へと引き返すのであった。






リンのステータス



スキル

・爺ハーレム


所持金

・ 0


アイテム

・本『悪女の条件』

・福引券10枚




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