子育ては大変10
*女=マデリーンの愛犬(雌)
ピンクのお店は人間がいっぱいで入れませんでした。
花火屋さんは保護者?なんか大人と一緒じゃないと、危ないから一人では買えなかったのです。
ボール屋さんはお休みでした。
散々なのです。
予定が狂いまくりです。
マル爺のお家も皆、知らないらしいです。
町の人間は世間知らずなのです。
旦那様とマァムを見習うべきですよ。
あっ、やっぱりマァムだけでいいのです。
浮気まで見習うのは悪い事です。
しかもマル爺のお家を聞くと、人間達は揃って迷子なのかと、聞いてきます。
私は断じて迷子ではないのですよ!失礼な人間達です。
私は迷子と違うのですよ!ただマル爺のお家が分からないだけなのです。
もう、公園に行くのです。
そうです!メインは公園なのですよ!
シュークの 'でびゅー戦' です。
「負けたら許さないのです」
町の人間達に公園の場所は教えて貰いました。シュークと同じくらいの赤ちゃんが居るらしいのです。
本当は武器を与えたかったのですが、ないなら仕方がありません。
肉弾戦です。
精霊なんかに頼らず男なら拳で語り合えですね。
青春なのです。
夕日はないですが太陽はありますから問題ないのです。川の代わりに噴水もありますし、学ランはないですがイッちゃんの服を着ています。
些細な事は気にしないのがいい女の条件です。器が大きな証拠なのです。
「ここが公園ですか?」
「あうー」
お家の庭より狭いのです。
花も木もお家のが立派です。
「貧乏な公園ですね。ガッカリです」
お爺さんとお婆さんしかいないのです。
赤ちゃんは何処ですか?これではボスになれません。
ベンチに座って待ち伏せましょう。
獲物はじっくり待つのです。
「あー!あうっ」
「何ですか?静かにするのですよ。獲物が逃げてしまうのです」
「あうっ、あーうっ、んまんまっ」
シュークが指をしゃぶり始めました。
お腹が空いたのですか?
「腹が減っては戦が出来ぬ、ですね。今、ミルクをあげるのです。その代わり絶対に勝つのですよ?」
「あいっ」
兎リュックからミルクの入った哺乳瓶を出して、シュークに飲ませます。
私も喉が渇きました。
リュックにはお菓子はありますが水筒はないのです。
シュークのを貰うのは大人として駄目なのです。
それにシュークのミルクは不味いのです。
私は山羊より牛のミルクのが好きなのですよ。蜂蜜も入っていれば最高です。
「美味しいですか?」
「んくっ、んく、ちゅば、ちゅば」
返事がありません。
ミルクに夢中なのです。
……………私も何か飲みたいのです。
マル爺のお家に行ったらまずは飲み物を貰うのです。
マル爺のお家は何処ですか?
マル爺……メェちゃん……ピー……シェリー……
…………………喉が渇いたのですよ。
「どうしたの?」
考え事をしていたら獲物がやって来ました。
腹が太った女と赤ちゃんを連れた女三人です。
でも、せっかく獲物が来たのにシュークはまだ戦闘準備中(お食事中)なのです。女の赤ん坊もお休み中です。
これではシュークの 'でびゅー戦' にならないのです。
私が女の赤ん坊を起こすのは簡単ですが、それではシュークの為になりません。
どうしましょう?
ここはシュークの為に時間稼ぎするのです。シュークの準備が整うまで逃がさない様にしなければいけません。
ついでにマル爺のお家は知りませんかね?
「実家の場所が分からないのです」
「実家?」
マル爺のお家は実家です。
マル爺は私のお爺ちゃんですから、マル爺のお家は私の二番目のお家で合っているのです。
「………その子は弟さん、妹さんかしら?可愛いわね」
シュークは男ですが弟と違うのですよ。
シュークは私が飼っている赤ちゃんなのです。
「シュークは弟ではないのです。私の子ですよ」
「「「「えっ!?」」」」
なんで驚くのですか?
私だって飼えます。ちゃんと面倒を見ているのです。
ミルクだって私があげているのです。
「えっと旦那さんは?」
旦那様?
なんで旦那様の事が知りたいのですか?
「旦那様とは喧嘩中なのです……」
今頃、旦那様はあの女とお昼寝しているかも知れません。あの女の事です。旦那様の腕枕で寝てるのですよ。きっと!
私の場所なのにっ!
「どうして喧嘩したの?」
「浮気されました」
「「「「浮気っ!?」」」」
「どんな?」
はっ!もしやこれが絵本で書かれていた愚痴なのですか!?そうです。子育てだけでなく、夫の不満を言い合う場でもあると、書かれてました。
なら私も愚痴るのです。
何事も実践が大切です。
旦那様はあの女に手を舐められてました。
「旦那様が女にキスされてました 」
しかも私の旦那様の膝に前足を乗せて、喜んでました。尻尾を見れば一目瞭然です。ブンブン振ってたのです。
「しかも旦那様の膝に手を置いて尻尾を振って媚びてました」
私の旦那様なのに、あの女を追い払わないで何で可愛がるのですか!?私の頭と耳では不満なのですか!?人間になったのが悪いのですか。
「なのに旦那様は嫌がらないで女の頭を撫でたり、耳に触 ってました」
「何処で?」
私の縄張りです。
「お家です」
「それで、旦那さんは何て?」
「浮気を否定されました。でも私は見たのですよ。しかも 旦那様が私にあの女を触った手で触ろうとしました。手を洗ったから大丈夫なんて言ったのです」
手を洗っても犬臭いのですよ。
旦那様の服にあの女の毛が付いてたから匂うのです。
部屋も臭いのですよ。
「実家が何処にあるか分からないのよね?嫁いでから帰っ たりしなかったの?」
マル爺のお家は旦那様の魔力移動で一回行っただけなのです。メェちゃんとたまにピーもお家に遊びに来るから、マル爺のお家に態々行かないのです。
でも町には何度か旦那様に連れて行って貰いました。一人で来るのは初めてですが………
「一回だけ行きましたが、歩いては行った事がないのです 。町には初めて一人で来ました」
んっ?何か犬臭いのです。
でもあの女の臭いではありません。
この臭いは…………
「ちぃ姫っ!」
シェリーの臭いです。ついでにマル爺もです。シェリーの臭いのが強くてマル爺の匂いまでは分かりませんでした。
でもマル爺なのです。
これで実家に行けるのです。
「マル爺!」
マル爺が走って抱き締めてくれました。
シュークが潰れるのですよ!
「何故こんな所に居るんじゃ?シェリーが(匂いで)気付いてくれて良かったわい。アレスはどうした?」
また旦那様の話をするのですか?
もう喉がカラカラなのですよ。
「旦那様なんか知らないのですよ!」
それより飲み物下さい。
「何があったんじゃ?」
今は旦那様の浮気より飲み物なのに………
愚痴を言うのも大変なのです。
「浮気したのです」
「アレスがかえ?」
「シェリーみたいな女と浮気していたのですよ。そうです 。シューク、これがシェリーですよ」
シェリーを見えるようにシュークをシェリーに向けます。
シェリーも犬臭いですがシェリーはあの女とは違うのです。良く見比べるのです。
「いつの間に曾孫が!?」
「娘、(主の曾孫なら)我の孫か?」
私の飼っている赤ちゃんですよ。
メェちゃんとピーはシュークの事を知ってるのにマル爺とシェリーは知らなかったのですか?
自己紹介をしなければなりませんね。
礼儀と挨拶は大事なのです。
「シュークは私の子ですよ。シューク、マル爺とシェリー ですよ」
「あうっあ~」
シュークは何を言っているか分かりませんが、シェリーを紹介出来たから満足です。これでシュークはあの女との違いを理解出来ますね。
「まったくアレスは何をやっとるんじゃ!?浮気などちぃ 姫と曾孫が不憫過ぎじゃ」
「我と似た女だったかえ?」
シェリーより小さい犬で頭も一つしかありません。火も出せないし、爪も短くて、歯も小さかったのです。
「シェリーよりは小さくて、弱い女なのです」
いくら犬臭くてもシェリーは強いから、シェリーだったら浮気も許すのです。でもあの女は弱過ぎるのです。
「シェリーみたいな女なら、私だって怒らないのです。で もあの女はシェリーとは違うのですよ」
なのに、旦那様はあんな弱い女が好みなのですか………猫より犬のが良いのですか……それとも、やっぱり人間になった私には魅力がないのです。毛皮がないから駄目なのですか………
「旦那様は私よりシェリーのような女が好みなのですか… ………私だけでは駄目なのです」
髪の毛は頭にしか生えてないのです。
着ぐるみと毛皮はやっぱり違うのです。
だからあんな女を撫でたのですか………
旦那様は毛皮好きなのですか……
今の私には髪の毛が限界なのですよ。
悲しいのです。
「ええい、アレスめっ!ちぃ姫、家に戻るぞっ!」
「ピーも怒るであろうな………」
何故かマル爺が怒り始めました。ピーも怒っているのですか?
マル爺の発明品に全身毛だらけになる発明品はありませんかね?
マル爺のお家に着いたら探して見ましょう。
公園を出て、人気のない所に入り、シェリーが犬になったので、その背に乗ってマル爺のお家に向かいます。
空を駆けている最中、シュークが吐きました。
乗り物酔いですか?
「我の背で吐くでない!はよう拭け!」
「ミルク臭いのです」
「布巾など持っとらんよ。帰ったらメェちゃんに水浴びさせてもらえば、ええじゃろ?」
「何で持ってないのだっ!出掛ける時はハンカチとティッシュと金は持てと、言ったであろう!?」
「うむ、用意はしたんじゃが家に忘れてしもうてな」
「用意した意味がなかろうっ!ええいっ、速く走るぞっ!」
「これ、待たんかっ!シュークが酔ってしまうだろう!!」
「我は我慢出来ぬっ!我の背で吐くのが悪いのじゃ!!」
マル爺とシェリーが口喧嘩し始めました。
煩いのです。
シェリーがより速く空を駆けますが、シュークは吐いたのに、その速さにご機嫌です。
ニコニコしています。
乗り物酔いと違うのです?
「…………あっ!ゲップさせるの忘れてました」
いつもは医者がやっているので忘れてました。
私も責任持ってシェリーをメェちゃんと洗います。
その前に飲み物ですね。
主婦達に独占、束縛欲過多の節操なしロリコン浮気性の旦那に悩む、不憫な幼妻だと勘違いされていた事に当人、知るよしもなかった。




