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子育ては大変9(主婦side)

*女=マデリーンの愛犬





息子が産まれ3ヶ月。最近では息子を連れて公園へ行くのが日課であった。


公園は噴水や季節の花が咲き誇り目に優しい。


出産後の体型が悲惨であった私には散歩は重大であった。まさか腹の皮が垂れるなんて想像もしていなかった。


このままではヤバイ。


産まれて3ヶ月後、息子の首が据わったので公園へ出掛けた。


公園へは出産後初めて訪れたが、公園は相変わらず老人か妊婦、1歳位までの子供、赤ちゃんを連れた母親しかいなかった。


この公園は鑑賞目的で造られた為に遊具がない。だから歩き始めたばかりの子供にはもの足りず、遊具のある公園に行っている。その為、ここはいつも静かで植えられた花を踏み潰す輩も居ない。


「久しぶりね」

「産まれたんだ。おめでとう!」

「わぁ、女の子?」


妊婦の時にいつも行っていたベンチに行くと、知り合いのママ友達が居た。


「久しぶり。やっとこ産まれたわよ。滅茶苦茶痛かったんだからね。ちなみに男」


「ああ、あれは痛いわよね。陣痛」

「私の時は腹が破れるんじゃないかと思ったわ……」

「ええっ!やっぱり痛いの?」


「死ぬほど痛かったわよ」


三人のママ友のうち、二人は二児の母。もう一人は妊婦であった。


「でも無事に産まれた顔を見たら、嬉しさで痛みも吹っ飛んだわ」


それから経験者二人に妊娠で伸びきった腹の皮を戻すにはどうすればいいか、離乳食はいつからあたえるか、夜泣きが多い時などの相談した。


ちなみに赤ちゃん達は腕の中で皆お休み中であった。


「あらっ?ねぇ、あの子は?」


子育ての話をしていたら、私達とは少し離れたベンチに綺麗な女の子が赤子を抱えて、ベンチに休んでいた。


「初めて見る子ね」

「兄弟かしら?」

「母親は何処かしらね」


キョロキョロ辺りを探すも母親らしき姿は見えない。それに白い髪の女の子も誰かを探す素振りも見せず、可愛らしい兎リュックから哺乳瓶を取り出し、手慣れた動きで赤ん坊にミルクを与えていた。


とても微笑ましい光景だが、女の子の表情にはどこかしら陰があった。


「どうしたの?」


心配と興味半々で私達は女の子に近寄り声をかけた。


「実家の場所が分からないのです」

「実家?」


家ではなく、実家!?えっ、まさか!


「………その子は弟さん、妹さんかしら?可愛いわね」

「シュークは弟ではないのです。私の子ですよ」


「「「「えっ!?」」」」


(こんな子に孕ませたの!?)


(どう見ても成人前でしょう!?)


(誰よっ!?こんな子供に手を出した奴はっ!?)


(最低っ!!)


目線でママ友達と会話する。


どんなロリコン野郎よっ!


「えっと旦那さんは?」

「旦那様とは喧嘩中なのです……」


こんな美少女と喧嘩!


いや、待って、まだただの痴話喧嘩の可能性もあるわ。


「どうして喧嘩したの?」

「浮気されました」


「「「「浮気っ!?」」」」


ちょっと、ま、まだ分からないわよ。人によっては女と会話しただけで浮気扱いする人も居るし……


「どんな?」

「旦那様が女にキスされてました」


まだグレーゾーンよね。

キスの場所にもよるもの……


「しかも旦那様の膝に手を置いて尻尾を振って媚びてました」


女は完全にアウトね。


そんなに魅力的な旦那なのかしら?ロリコンなのに……


「なのに旦那様は嫌がらないで女の頭を撫でたり、耳に触ってました」


何それ!?

ロリコン野郎のくせに見境なしの最低野郎ね。

それにしてもそんな浮気現場を妻に見付かるような場所でやるなんて馬鹿なの?

隠れてやりなさいよ。


「何処で?」


私の疑問をママ友が代弁してくれた。


「お家です」


はい、旦那もアウトー!!


愛人を家に連れ込むかっ、普通!外でやりなさいよ。


赤ちゃんを産んだばかりの妻にその仕打ちはないわ。


隠すくらいはして欲しいわよ。


「それで、旦那さんは何て?」

「浮気を否定されました。でも私は見たのですよ。しかも旦那様が私にあの女を触った手で触ろうとしました。手を洗ったから大丈夫なんて言ったのです」


そりゃ旦那が悪い。


最低最悪なロリコン野郎だわ。


手を洗ったからで済む話ではないでしょうよ。


完全に浮気よね。


実家に帰りたいのも分かるわ。


「実家が何処にあるか分からないのよね?嫁いでから帰ったりしなかったの?」

「一回だけ行きましたが、歩いては行った事がないのです。町には初めて一人で来ました」


何それっ!


まぁ、身なりからして良いとこに嫁いだみたいだから馬車の移動なのも頷けるわ。

でも一度しか帰らして貰ってないのね。しかも家にずっと縛りつけて過ごさせるなんてっ………


どんだけ独占欲が強いロリコンなのよ。


そんなに大事なら浮気相手を連れ込むなっ!

何で家に縛りつけておくのに浮気するの!?

バレて当たり前じゃない。


「ちぃ姫っ!」

「マル爺!」


そこへ女の子のお爺さん?が年も考えずに走り寄って来た。傍らにはこれまた女の子とはまた違った黒髪の絶世の美女。


お爺さんは女の子を抱きしめた。


「何故こんな所に居るんじゃ?シェリーが気付いてくれて良かったわい。アレスはどうした?」

「旦那様なんか知らないのですよ!」


「何があったんじゃ?」

「浮気したのです」


「アレスがかえ?」

「シェリーみたいな女と浮気していたのですよ。そうです。シューク、これがシェリーですよ」


シェリーを見えるようにシュークをシェリーに向ける。


「いつの間に曾孫が!?」

「娘、我の孫か?」


えっ、もしかして女の子のお爺さんと名前呼びだけどお母さんなの?似てないわね。

でも美形遺伝子は間違いなく継いでいるわ。

赤ちゃんも綺麗な顔しているし、お爺さんも年老いたはずなのに、また味のあるナイスミドルだわ。


「シュークは私の子ですよ。シューク、マル爺とシェリーですよ」

「あうっあ~」


「まったくアレスは何をやっとるんじゃ!?浮気などちぃ姫と曾孫が不憫過ぎじゃ」


「我と似た女だったかえ?」

「シェリーよりは小さくて、弱い女なのです」


浮気相手はこの美女より若くて、か弱い感じなのね。

やっぱりロリコンか………


「シェリーみたいな女なら、私だって怒らないのです。でもあの女はシェリーとは違うのですよ」


そうね。こんな美女が浮気相手なら諦めるわ。

でもロリコンだからこんな大人じゃなくて、やっぱり浮気相手は少女よね。


「旦那様は私よりシェリーのような女が好みなのですか…………私だけでは駄目なのです」


悲しそうに眉をハの字にして呟く女の子。


浮気されても旦那が好きなのね。健気過ぎるわっ。


「ええい、アレスめっ!ちぃ姫、家に戻るぞっ!」

「ピーも怒るであろうな………」


憤るお爺さんに連れられ三人は公園から出ていった。


なんか泥沼展開だったわ。


こうなると旦那の顔が気になってくるわね。


「なんか、私。今の夫で良かったわ……」


「「「私も……」」」


束縛も浮気もなく何処にでもいる普通の夫であるが、今はそれ以上にそれが幸せだと思った。


「帰るわね。何か無性に会いたくなって来たわ」


早く帰ったからと行って、仕事から夫が早く帰って来る訳ではないけど、夫の帰った時の私と赤ちゃんを見て喜ぶ顔が見たかった。


「ただいま」

と、言って帰って来る夫に

「おかえりなさい」

と、出迎えよう。


そこは私達家族の家で、それが私達の幸せだから。


私だけでなくママ友達も今の幸せを噛み締めながら珍しく全員、早々に帰宅した。


女の子には悪いけど、女の子のおかげで今以上に幸せな事はないと実感出来たわ。










真実は知らない。


確かにリンの話は事実だが、大きな誤解があったことに。


真実とは時に知らない方が幸せである。




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