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前夜祭7

お兄さん改め、イッちゃんは明日の催しの為に服を改良するそうです。


別にそのままでも、良いと思います。


「何で僕はちゃん付け?」

「お兄さんはいっぱい居ます。区別なのです」


「ほらっ、そこはイチさんとかイチ兄とか他にもあるだろ?」

「メェちゃんとお揃いなのですよ」


「メェちゃん?は女の名前だろ。僕は男っ!23にもなって、ちゃん呼びはキツい!年を考えてっ!?」


メェちゃんは雄です。

メェちゃんはメェちゃんで喜んでいました。


「イッちゃんは我儘です」

「イチは元から我儘だよ」


服は渡さないのです。

靴を何回も履かされました。

買い物にも口出ししてきます。

ちゃん呼びも嫌がります。


「「我儘」」


「違うっ!アンタ等が勝手過ぎるからだろうがっ!!そして仲良くハモるなっ!!!」


イッちゃんは怒鳴ってばかりなのです。


イライラには甘い物ですが、綿あめはあげないのです。これはお土産なのです。


「仕方がないのです。イッちゃんにもお菓子を買ってあげますから、我儘は駄目ですよ?」

「夕食くらい奢ってあげるよ」


「………………もう、何でもいいさ……」


肩を落とすイッちゃんを連れて、旦那様と食べ物屋さんを探します。


祭りは煩いのです。

静かな所がいいのです。


出店の串焼きも美味しそうですが、もっとイイ匂いがするのです。


そこに行きます。


「ここです!ここからイイ匂いがするのです」


宿みたいな家です。

花籠と看板に書かれています。

お花屋さんですか?

でも美味しい匂いがするのです。


「…………娼館」


「確かに食事もあるね」


お花屋さんはご飯も食べれるみたいなのです。

入るのです。


「って、ちょっと待ったー!!」


服をイッちゃんが引っ張りましたが、もう入ったのです。


「いらっしゃいまし。ようこそ花籠へ」


蠱惑的な美女が優雅に出迎えた。


何も知らない少女を連れて訪れる場所ではない。


「空いてるなら食事だけお願い出来る?」

「お腹が空いたのです」


「えっ!マジでここで食べるの!?」


娼館で食事だけを頼む客はいない。

普通なら追い返される。


だが花籠はアレストファ領に唯一ある高級娼館。


ならず者なら兎も角、御客様の求める品を提供するのが務めだ。それが食事だけでも金さえ払えば、一夜の夢さえ魅せる仕事。


「ふふっ御食事ですね。部屋までご案内致しますわ」


高い靴を履いた、お姉さんが案内してくれます。

転ばないでよく歩けるのです。


「お姉さんが作るのです?」

「いいえ、料理人がいますわ。今日は……」


「椿っ!俺の相手はしねぇでコイツ等を相手にするつもりかよ!?」


男がお姉さんを呼び止めます。


私は早くご飯を食べたいのですよ!


「出入り禁止の方が何用ですの?ここは私達が御客様を選ぶのですわ。選ばれた御客様だけの店。貴方が訪れていい場所ではありませんわ。お帰り下さい」


「金ならあるっ!」


「お金だけではないのですわ。貴方は選ばれなかった……………お帰り下さいませ」


「娼婦のくせにっ!客を選ぶのか!?若い男が好きなだけだろ?はんっ、男二人相手でお前が足りるのか?」

「なっ、この方々は御食事だけですわ!」


「食事ねぇ、食べられるのは椿、お前とそっちの嬢ちゃんだろ?」


私は食べ物と違うのです。


でもお姉さんはイイ匂いがするのです。


「お姉さんは食べ物なのです?美味しいのですか?」


絡む男に苛ついた椿は、突拍子もないリンの発言に気が弛んだ。


「ぷっふふ、お嬢ちゃんが私を召し上がってくれるのかしら?」


椿は笑い声を袖で隠しながらも冗談を言う。


お姉さんは食べ物なのです!?

人間は食べれるのですか!?

でもお姉さんは胸しかお肉がないのです。

生肉はお腹を痛くするので食べては駄目です。


そういえば、私も旦那様に胸を舐められたです!!

甘いらしいのです。


お姉さんの胸も甘いのですかね?


「舐めるのです!」


「まぁ……」

「はぁ……」


「「どうして、そうなった!?」」


イッちゃんもハモってます。

仲良しになったのです?


お姉さんの掌にウサギ財布を開け逆さにします。


ジャラジャラジャラ………チャリン………


金貨、銀貨、銅貨が椿の掌に溢れた。


「お姉さん下さい」

「美味しく召し上がって下さいましね」


「嘘っ!買っちまったし、売ったよ!!どうすんの!?ねぇ兄さん、どうするよ!?」


「小遣い全部無くなったね。次は少し多めにあげるようかな………」

「そっち!?そっちなの!!」


娼婦を買ったことより、リンの小遣いを増額するか検討するアレスに、常識人のイチがツッコミを入れる。


男の持って来た金より、リンの出した小遣いのが大金であった。


なけなしの金より、少女の小遣いのが見て分かるように多かった。


男は茫然自失、自信喪失の大打撃を受けた。


スゴスゴ帰る他ない。


リンの初小遣いはウサ耳、椿購入にて全て無くなるのであった。




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