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ツッコミ役登場

アレスの邸からアレストファ領までは、どんなに急いでも馬車で5日、馬で3日はかかる。


だが…………


「ピーはやっぱり、速いのです!」

「………1時間もかからなかったね」


「シェリーも速かったです。犬なのに空を飛べるのは狡いのです……」

「シェリーに乗って翁も来るとはね…………」


ピーに旦那様と乗せて貰いました。

何故かマル爺とシェリーも、一緒に来て送ってくれました。


メェちゃんも居ましたが、メェちゃんはピーの子供だから分かります。でもマル爺とシェリーはお祭りの場所まで送って貰わなくても、ピーが居るので大丈夫でした。


マル爺にそれを言ったら、泣いてしまいました。


仲間外れは淋しいらしいのです。

悪い事をしました。


メェちゃんとピーとは遊びましたが、マル爺とシェリーとは遊んでません。


私も飛べたら遊びに行くのですが、飛べないのです………


「シェリーも飛べるのです。私も飛べませんか?」

「リンには無理だよ。シェリーは上級魔獣だしね………それにシェリーのは飛ぶと言うより翔ると言った方が正しいかな」


ピーは翼を羽ばたかせ飛ぶが、シェリーは空中を駆け翔ぶ。


「旦那様でも?」

「俺は出来るよ。でも態々、飛ばなくても移動は出来るしね」


私も一人で空を飛びたいのです。


旦那様と手を繋ぎ話していると、町が見えて来ました。


「まずは宿をとるよ」


まずは宿屋に向かいます。


お祭りは2日後にあるそうです。


宿は早めに確保しないと、人間でいっぱいになって、泊まれなくなるらしいのです。


あと視察?だから、お祭りがない時の、町の様子を見るそうです。


旦那様のお仕事です。


でもピーが婚約旅行だと言ってました。


「いらしゃい!」


宿屋に着きくと、女の人が出て来ました。

おばちゃんです。


「なんだ、お前さんかい。久しぶりだね」

「へぇ、覚えているの?」


「あたしゃ、一度泊まった客を2年くらいで忘れる程、耄碌なんざしてないよ。でっ、前と同じ部屋でいいのかい?」

「そこじゃないと泊まらないよ。2日ね」


「あいよ、じゃあ鍵だよ」


鍵を受け取るとアレスはリンを連れ、一部屋しか部屋がない三階へと向かった。


一階は食堂、風呂場、トイレ、住居、二階が客室、三階は特別室。


特別室は一つの家だ。


簡易台所、テーブル、ソファー、トイレ、風呂場、寝室に衣装部屋。


かなり豪勢な造りで、値段も勿論高い。


部屋もだが何よりアレスが気に入っているのは、宿の女将だ。

余計な詮索をせず、宿が空いていても気に入らない奴は客室でも泊めない。


勘でどんな客か分かるらしい。


アレスは初めから特別室に案内された。

アレストファ公爵とは分からずも、自然と客室ではなく、その名の通り特別な客だと女将は判断した。


その連れのリンにも客室を薦めることをしなかった。


(リンも特別みたいだね)


部屋に着いたとたん、リンが扉という扉を開けては中を確認する。最終的には寝室のベットにダイブしてふかふか加減をチェックし、満足してからアレスが座っているソファーまで来た。


「さて、宿もとったから服を買いに行くよ」


「服は着てますよ?」

「今日のはね。明日と明後日の分だよ」


亜空間は魔力を遣うから使用できない。


アレスとリンに荷物はない。


あるのはアレスの財布だけ。

すでに多額の宿金を払ったが、まだ財布は重い。


アレスはマァムがリンに作った、首かけ兎財布を懐から出すと、リンの首にかけた。


「ウサギです!」


「それ、マァムから。お小遣いも少し入れたから、欲しいのがあれば買えばいいよ」

「ありがとです」


初めてのお小遣いより、兎財布に喜ぶリン。


「買い物に行くなら必要だしね」


服は要りませんが、買い物に行かないとウサギはなしです。

ウサギは必要なので買い物に行きます。


旦那様と宿を出て服屋を探しますがお店がありすぎます。人も多いのです。


「お兄さん、何かお探しでしょうか?」


また、男です。ボールは拾ってないのですよ。


「……服をね」

「服ならウチへどうぞ!服だけでなく装飾品も扱ってますよ。しかもウチはハリス男爵が商う品ですから、王都でも貴族が身に着ける程の一級品だよ」


「………そう、なら行ってみるよ」

「有り難うございます!こっちですぜ……」


案内されたお店の中はギラギラでした。

服に砂利(宝石)が付いていたり、金の模様が書かれていたり(刺繍)、しかも全部がフリフリのヒラヒラです。


ドレスは嫌です。

絶対、着ません!


「ハリス様!お客さんですぜ!ハリス様!!」


「大声で呼ぶなっ!聞こえとる!!………おおっ!いらっしゃいませ!」


指輪だらけの手をニキニギさせて男がやって来ました。


キンピカのおじさんです。


キンピカは旦那様と私をジロジロ見てきます。

何ですか?

用があれば喋ればいいのです。


「素晴らしい御召し物ですな!ですがウチならもっと良い物がありますよ。こちらはシルクに金刺繍を入れた品で釦は真珠です。それから……」


キンピカが旦那様にキンピカな服や指輪なんかをを薦めてきました。


キンピカな旦那様は何か嫌なのです。


せっかく、ボールと猫じゃらしをお揃いにしたばかりなのです。


'ぺあるっく' にならなくなります。


由々しき事態です。


「旦那さ………」

「お嬢さんにはこれは如何かな?そんな財布より、こっちのネックレスのがそのチョーカーには合いますよ!服も質はよろしいようですが、デザインがつまらないですし、ウチのこれはどうです?有名デザイナーの品ですよ?これだとその銀のチョーカーより、こちらの金のチョーカーのがお似合いですな」


……………キンピカは喋らないでいいのです。


マァムのウサギも、旦那様の首輪も外さないのですよ。


イライラします。

キンピカ嫌いです。


「…………………旦那様」

「何?」


旦那様に話し掛けているのに、キンピカは喋り続けます。


煩いのです!


私は今、旦那様に話があるのですよ!!


「キンピカの喉、潰します」


「今は駄目…………………出るよ」


旦那様が私の手を引っ張り扉に向かいます。


後ろで何やらキンピカが言っていますが知りません。

ここに欲しいのはないのです。


潰せるなら戻りますが、今は駄目のようです。


「…………買い物嫌です。宿に行くのです」


「駄目。夜着も下着もないんだから」

「スッポンポンで寝ます」


「……………俺も?」

「はいです。一緒に寝るから寒くはないのです」


「……………そうだね。宿に戻ろうか」

「はいです」


宿に戻ります。


「ちょっと、待ったー!!!!!!何、言ってるの!?何それっ!?それでいいの!!??」


「誰?」

「誰です?」


お兄さんに叫ばれました。


私は宿に行くのですよ。


「あ~……盗み聞きするつもりは……その…なんだ、兄さん達があそこに行ったから心配してだな……だから…………………ウチに来ませんか?」


「何ですか?これから宿に行くのですよ」

「服がないんだろ?年頃の女が街中の往来であんな話をするな」


「あんな話?」


「あー!!ともかくっ!ウチならあそこよりマシな服もある」


「で、君は誰?」


「あっ!そ、そうか、俺はイチ。デザイナーだよ」




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