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難しい話は婿か嫁かで終わります

この世界は今まで住んでいた世界の科学の代わりに魔法が発展した世界である。


電化製品は魔道具、化学式は魔法語、電力は魔力。


魔法使いは魔法語を詠唱し、己の魔力を言葉にてコントロールする。但し、魔力が足りなければ詠唱しても不発に終わるか、全魔力を使用して死ぬかは本人次第である。


魔法使いは例え魔力が多くても魔法語を使用している為、それ以上の魔力にみあった魔法は使用出来ない。魔法語により勝手に魔力をコントロールされる為である。


魔法語により魔力の暴走はないが、詠唱時間がかかり、また声に出す必要性があるため攻撃、防御、サポート型には向かず、魔法使い=治癒魔法使いといったイメージである。


なので戦闘は剣士、闘士等、己の武器で戦えるものだけではあるが中には例外があり、それが魔導師、精霊術師、魔獣召喚師である。


魔導師は己の魔力を自分の力のみでコントロールし、精霊術師は精霊の力を借りて、魔獣召喚師は魔獣を召喚し、それぞれの事象を生み出す。


「俺は魔導師で理由(ワケ)あって魔力が暴走した。だから魔力の消費がない、ただの猫の姿にはなったけど、暴走した魔力は行き場を失い次元を歪めた……君の世界に落ち、君の両親に拾われ、共に暮らしていた……君がトラックにひかれそうになるまではね」


あの時は互いの命が危機的状況であった為、この世界に残った、欠片ほど魔力が反応してあちらの世界との道を作り、強制送還された。


「君をくわえたままね……君が人になったのは俺のこちらの世界に残った魔力の欠片を取り込んでしまったのと、この世界が君を人として受け入れたから」


俺もあちらではただ猫としてなら存在させられたしね。


「………状況は理解出来たかい?」


旦那様は人間で私の父、母がここにはいないのです。

私は人間で旦那様は魔導師?と言われる人間で、魔力?の欠片が私にあるそうです。


「私も旦那様と同じ魔導師なのですか?」

「欠片だからそれほど力はないよ。まぁ魔法使いよりは魔力耐性と小さい魔力が使える程度だね」

「父、母にはもう会えないのですか?」

「……会えないし、もしあちらに行く方法があったとしても行かせない……行ったらトラックにひかれる前に戻る可能性が高い……」


ここは魔力を暴走させた場所、リンが寝ている間に確認したが、時間、季節、日付もまったく一緒であった。なら、あちらの世界も……


「外は危ないと言ったよね?なんでよりにもよって道路の真ん中で寝ていたんだい?みすみす戻して死なせるつもりはないよ」


旦那様、私寝てないです!匂いをつけていたのです!!

でも道路にはもう、二度と匂いをつけません!

父の車に似た、 'とらっく' は大きくて、速くて、うるさかったです。

また、あそこに戻るのは恐いのです。


「………旦那様、私…分かりました」

「………なにがだい?」


旦那様の話しは難しかったですが私なりに、まとめた結果…………。


「婿養子は諦めるので私を嫁に貰って下さい!」


直後……


ペシンッ!!


三度目のはここ一番、痛かったです。

頭は叩くより撫でて下さい。旦那様。


やっぱり 'でーぶい' です。


そして何より、人間は毛づくろいを、どうやってして貰うんですか?

教えて下さい!旦那様!

そして早くやって欲しいのです。

旦那様は大きな溜め息を吐き、頭を抱えて座りこんでしまいました。


毛づくろいは?ねぇ?ねぇ?




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