表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/76

初めての王宮3

クルクルと旦那様と踊ります。


足元が浮いてもドレスで隠れて見えませんし、沢山の人が踊ってるので気付かれません。


何故か私の足めがけて、女の人が足を出してきたり、ぶつかろうとして来ます。


それを避けながら踊るのが楽しいのです。


たまに、やり返しながら踊ります。


「痛っ!」


足を出して来た女の人の足を、浮いてる足で思いっきり踏みます。


蟻を潰しているみたいで楽しいです。


「何なさいますの!?」


「どうかされましたか?」


お姫様語で惚けます。

旦那様がやり返したいなら、自分は何もしていない様に振る舞うのがいいよと、言っていました。


なので実践してみました。


「貴女が私の足を踏みましたわ!」


(ワタクシ)はそのようなこと、しておりませんが」

「ダンス中に無粋だね」


踏まれるほどダンスが下手のくせに言いがかりかい?


女の人は顔を赤くして、男の人と逃げるようにダンスフロアから去りました。


ダンスはまだ終わりません。


旦那様が私の手を引いて腰を支えてくれますし、魔力で足が浮いてるので踏もうとしない限り旦那様の足を踏む心配もありません。


たまに、浮かせた足を降ろして旦那様が私だけをクルクルさせます。

もっと回して欲しいのですが、目が回ってしまうのでここではやってくれません。


「……あっ!申し訳ありっ!!きゃあ!!!」


ビダンッ!


別の女の人がタイミングを合わせて、私にぶつかろうとしていたので、すかさずクルクルを止めて、旦那様の元に戻り避けます。


女の人が顔から倒れました。


「はしたないね」


躍りながら旦那様が一言呟くと、そのまま無視してダンスフロアから出ます。


曲がそろそろ終わるとのことです。


「まだ、踊りたいかい?」

「飛ばしはないのですか?」


家でやったダンスの練習の時、旦那様が私の両手を持って体を浮かせてグルグルした後、両手を離し飛ばしてくれました。


あれ、楽しかったのです!


何回かやって貰ってたら、様子を見に来たマァムに見つかり怒られ禁止にされました。


お家では禁止ですけど、ここなら!


「ここだと危ないからね。陛下の執務室ならいいよ」

「今から執務室に行くのです!」


「夜会が終わらないと陛下の執務室には入れないよ。それに軽食と菓子を持ち帰りたいなら、あるうちに見ておいた方がいいんじゃない?」


グルグルも大事ですがお菓子も重大です!


「ダンスは終わりにします」


旦那様と飲食スペースに行きます。


お菓子がいっぱいです!

ケーキにタルトにクッキーに見たことのないお菓子がいっぱいです!


「お菓子は全部持ち帰ります」


「そんなに君、食べれないでしょ?」

「皆にあげるのです」


今日、一緒に来れなかったマァムや使用人達にお土産です。

お菓子は美味しいので皆で食べます。

きっと喜びます。


「………そう」


腰を支えてくれた手がぎゅっと強くなります。


旦那様が口に人指し指をたてながらシーッと笑うと、目の前のお菓子がそれぞれ2つずつ消えます。


周囲に気付かれないよう亜空間に閉まったみたいです。


「丸ごとだと流石に気付かれるしね。でも菓子は全種類入れたから」


お菓子だけでも30種類以上はあったので、かなり大量です。


私は満足です。


「これは、これはアレストファ公爵殿。お久し振りですな」

「先程のダンスも素晴らしかった」

「この度は御婚約おめでとうございます」

「此方の方がお噂の婚約者殿ですかな。実にお可愛らしい」


か、囲まれました!


何やら紹介されましたが長いですよ名前が!

覚えられません!

なんとか公爵、なんやら侯爵達としか分からないのです!


なので、笑って誤魔化します。


王様にも通用したのです。

この人達にも通用するはずです。


「お初にお目に掛かります。リン=アレストファにございます」


乗り切りました。


王様以外は会釈でいいようなので、失敗はしません。


プルプルはもう、嫌です。


この人達は旦那様と王様とも仲良しらしいです。

王様が私をちぃ姫と呼ぶと旦那様が話したら、この人達も私をそう呼びたいらしいです。


自己紹介する必要がないです。


「ダンスを踊って疲れたであろう?飲み物は如何かな?」

「ちぃ姫はワインやシャンパンよりレモネードが良いだろう」

「菓子はどうかな?」

「軽食も美味しいのですぞ」


飲み物をくれます。

食べ物も食べたいですが禁止です。

レモネードをチマチマ飲みます。

さっぱりした水です。


「貴方達、甘やかさないでよね」


君も警戒しなよ。


喉乾いたのです。

それに、これは変な匂いはしませんよ。


「可愛いから、いいだろう」

「息子よりやはり、娘が欲しいな」

「ちぃ姫みたいな妹でもいいな」

「むしろ、婚約者にしたアレス殿が羨ましい限りですな」


「陛下にも言ったけど、あげないから」


私は物ではありませんよ!


「ほほう、陛下もですが令嬢達も嘆くであろうな」

「身分、財力、容姿も言うことなしの優良物件が予約されたとあっては、令嬢達のちぃ姫に対する風当たり強いだろう」

「ダンス中も絡まれてましたからね」

「嫌がらせも姑息だからな」


ダンス、楽しかったですよ。


グルグルがあれば、もっと楽しいのです。


「泳がせて、釣れるのを待っているんだよ」


「随分と上等の餌(ちぃ姫)をだしたな」

「泳がせた魚はでかいか……」

「餌に寄った、嫉妬に狂った小魚は囮が役目……」

「餌だけ取られぬよう、気を付けてな」


「………誰に何を言っているんだい」


旦那様は釣り名人なのですね。


でも、魚はここにいません。


魚はいませんが、そこにでぷっり男が挨拶しながら現れました。


「ご機嫌様、アレストファ公爵殿」


旦那様はニヤリと笑います。


「ご機嫌様、ロデオ伯爵殿」


掛かったね。

と、周囲に聞こえぬ声を私の耳はひろいました。


………………………旦那様、魚は刺身がいいのです。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ