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プロローグ＆人物紹介

リディア王国物語の第二章部分です。先に王都脱出編を読んでもらえると内容がわかりやすいと思います。

時森の預言書　より

時守《ソリュード》は女神の思惑により３つに分けられた。

一つはすべての人の運命を司る・星替《ほしかえ》

一つはすべての時の行き先を司る・時変《ときかえ》

そして、確定した時を司る・時見《ときみ》

彼らは時流《ときぞえ》を母としてこの世界に生を受ける。

その理《ことわり》が覆ったとき、星《せかい》は騒乱を迎える。

リディア醜聞記　より

バルガス王の時守虐殺

バルガス王がまだ王子の頃、一人の過去見があらわれ、王に進言した。

王子妃が産んだ王子のうち２人が王子の子供である、と。

怒ったバルガスはその場で占い師を殺したが、その疑惑は晴れず、再度時守の里より過去見を呼んだ

再び現れた過去見も王妃の生んだバルガス王子の王子は２人だと告げる。

しかし誰が自分の子供でないのか見てもらおうとすると、過去見の力は失われた。

２度、３度と繰り返すが結果は同じ。

バルガス王は視点を変え、第二王子をその場に呼び過去見と星見に問い掛けた。

「この子供は私の何番目の息子だ？」

二人は答える。

「この方は２番目の王子です」

バルガス王はその言葉を聞くと、２人を虐殺した。

（中略）

ソルディスが行方不明となったのを時守の仕業と決めた王は全軍を率い、時守の里へと向かった。

戦う術を持たない里の者達は繰り出される刀に倒れ付す。

そこに男・女・大人・子供の区別はなかった。

その悲劇は時守を統べる予知見《さきみ》の姫と降臨した時見が発生させた『惑わせの霧』により森が封鎖されるまで続いた。

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人物紹介

《リディア王国》

ソルディス・エンデドルグ・リグア・エリファイド　１３歳

　大国リディアの王子。唯一、王位継承権を持つ。１３歳になったばかり。

　様々な力を持つがゆえに自分の心をひたすら隠す。騒乱の星を持つ。

クラウス・ガリューゼ・ログア・エリファイド　１６歳

　大国リディアの王子。王位継承権を持たない。苦労知らずの王子。

　王位につく事より剣の道に進みたいと思っている。

サイラス・ジェラルド・ログア・エリファイド　１８歳

　大国リディアの王子。王位継承権を持たない。偽りの王子。

　実はウィルフレッドの息子であるが本人は知らない。

シェリルファーナ・マジェスト・ログア・エリファイド　９歳

　ソルディス達の妹。王位継承権を持たない。

　明るく天真爛漫で兄たちの心の癒しとなっている。

バルガス・エルスフィールド・ログア・エリファイド　４９歳

　ソルディス達の父親。リディア国王。王位継承権を持っていない。

　王位継承権を持たない自分から生まれたソルディスの出生を疑っている。

　現在僅かな侍従や側近と共に逃亡中。

ソフィア・レネ・エリファイド　３７歳

　リディア国王妃。バルガスの妻でソルディス達の母親。

　元々はロシキスの王女で、レティア達の父の従妹に当たる。

　王に見捨てられ、現在ウィルフレッドの元にて軟禁中。

ウィルフレッド・ディナラーデ・ログア・エリファイド　３３歳

　バルガスの甥。諸事情により、１５歳の時、王都へと引き取られる。

　ソルディスの誕生日の宴の最中に内乱を起こし、王位につく。

アルフレッド・アーシア・レネファランド・リグア・エリファイド　２８歳

　光姫と呼ばれる運命を持つ姫。ウィルフレッドの妹。

　無理矢理バルガスの愛妾にされそうになっていたが何とか切り抜けてきた。

　ソルディスの信奉者で、兄の起こした内乱をよく思っていない。

　精霊族でもまれなアーネル（精神バランスにより身体が変わる両性具有者）である。

　常は女性体で過ごしている。１６歳で時が止まっているので『少女』の容貌。

ルアンリル・フィーナ・エディン　１６歳

　精霊族を束ねる聖長。ソルディスの養育係。クラウスの恋人。

　精霊族によくあるフィネガ（年齢により性別を得るという両性具有者）であり、未だ性別は未定。

　ウィルフレッドやアーシアの従妹。

　現在、王子達の行方を知る人物として王城の捕囚となっている

フェルスリュート・ガジェット　２９歳

　ロシキスの王子たちを逃亡させる命令をうけた人物。

　ガイフィードの配下。出生に秘密あり。

フランシェンド・ガイフィード　６５歳

　リディアの大将軍。現在リディア王国東北部、ロシキスとも近いところに駐留中である。

　王都にいったまま戻らないフェルスリュートを心配している。

スターリング・キャレット　１３歳

　精霊の森の近くの集落に住む少年。親を早くに失い、叔母夫婦に引き取られている。

　森の周りに点在する集落で手伝いみたいなことをして収益を得ている。

《ロシキス竜王国》

ルミエール・フィネア・ローティア　１３歳

　ロシキスの王女。ソルディスが好き。

　足手まといにならないようにフェルスリュートとレティアに剣を習っている。

レティア・リストラル・リ＝カウル・ローティア　１３歳

　ロシキスの王の義娘。ロシキス前王の娘。王位継承権を持つ。

　国竜・ルシルヴィリアを操る竜騎士。ソルディスの幼馴染で悪友。

ヘンリー・アルバルト・レイ＝ド・ローティア　５歳

　ロシキスの王子。ルミエールの弟。王位継承権を持つ。

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専門用語

リディア王国

　世界と同じ名を持つ国。和なる女神の補佐の血を受け継ぐ。

　大地の恵みと神々の恩恵を受け、栄えている。

ロシキス竜王国

　リディアの隣国。農地の乏しい山地に位置している。

　その昔、リディアより竜騎士の一族が離反し、建国した。

光なす黄金・見透かす心

　リディアの王位継承権の必須条件。

　光なす黄金（リグア・ヴェール）は髪の色。夜の闇の中でも煌めく髪を意味する。

　見透かす心（エンテレパシス）は、能力。読心力である。

竜緋石

　ロシキスの王位継承の必須条件。

　特殊な血液で、力無き者や邪悪に染まりし者が触れると灼かれる。

星王

　リディア王国の王の別称。

聖王

　リディア国王の精神を支える者の別称。

　精霊族の名家・エディン家に生まれる事が多い。

聖長

　精霊族の族長の別称。聖王以外から選ばれる。

光姫・森の精霊王

　『真王』を選ぶとされる者。今は光姫《アーシア》しか見つかっていない。

聖司族

　魔法を使える理力を持つ一族。

　精霊族・一角獣族・竜族などが上げられる。

理力魔法

　己の中の理力を利用し発動する魔法。理力の量により強い魔法が使える。

精霊魔法

　精霊と契約して使う魔法。理力は必要としないため聖司族でなくとも使える。

時守《ときもり》の民

　時を見る過去見・予知見《さきみ》と運命を見る星見《ほしみ》、世界を見る遠見《とおみ》・物見《ものみ》などから構成される異能一族。

　ある事件をきっかけにリディア王家と袂を分けている。

星替《ほしかえ》

　自分が触れた人間や物が辿る運命を変えることが出来る唯一の者。

時見《ときみ》

　過去のすべてを見ることと、ある特定の未来を見て定めることが出来る唯一の者。

　彼がみた未来はたとえ星替《ほしかえ》や時変《ときかえ》であっても替えることができない。

第二章がやっと始まりました。

まだまだ話は長く続きますのでよろしくお願いします。