表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

石版の正体

扉の夢をみて数日たった。夢をみる度に細部が明らかになってくる。 部屋の調度品や人々の話声など。

そして扉の役割―――― それは異世界への扉。


 夢は、迫り来る文明の滅びから人々が、異世界へ逃げて行くところだった。


 タロウは此処まで来ると、夢の真偽を確かめてみたくなった。


 「よし、試してみよう!」


 タロウは石板の前に立ち、手を翳して呪文を唱える。


 「○×△◆□~」


 どこの言葉とも解らないが、夢の中と同じよう唱える。


 シーン…


 シーン…


 シーン…

 

「やっぱり何も起きない・・」


 やはり空想だったのだろうか?それから何回かやってみたが、やはり何も起きない… 


 「アホらしい。 昼寝でもしよ~」


 タロウはベッドによこになるのだった。



 数時間後――――目が覚めると、辺り一面が花畑だった。色とりどりの花咲き、辺りには甘い香りがする。


 「夢の中で夢でも見ているのかな~でも、匂いまであるって」


 戸惑いながら辺りを見回すと、数キロ先に木陰にベンチがある。


 「よし、とりあえずあそこに座るか。」


 30分くらい歩いてようやくついた。


 「よっこらしょ。ふぅ~のど渇いたな~」


 ベンチに座って呟く。


 「はいどうぞ~」


 「どうも~」


 タロウは横から出された飲みものを受け取る。


 「くはぁ~うめえ」


 タロウはゴクゴクとのどを潤した。


 「お代わりいります?」


 「じゃあ、もうちょっとって♪あなたどちら様ですか?」


 そこにはイケメンがいた。


 「私ですか?そうデスネ。色んな呼び名がありますが、分かり易く言うと、神様デスヨ。」


 「はあ・・神様ですか。夢でもって会えるなんて、スゴいな」


 「夢じゃないヨ!」


 神様と言う男が、タロウの頬を抓る。


 「イテテテ… 」


 「ね、夢じゃないデショ?」


 「じゃあ俺、死んだんですか?ここは天国?」


 「半分あたりカナ~君は死んではいナイヨ♪ここは狭間ダヨ」


 「狭間って?」

 

 「世界と世界の狭間ダヨ」


 「なぜ狭間に俺いるんでしょう?」


 「君が自分で来たんダヨ(笑)転送門を開いて」


 「転送門って、あの扉の事ですか?」


 「そうダヨ(笑)あの石板ダヨ」


 「あれ、何にも起きませんでしたよ?」


 「たぶん古かったから、動くまで誤差あったんじゃないのカナ(笑)」


 「そ~なんですか。 ちなみに元の世界に帰れますか?」


 「う~ん帰れるけど、魂だけダヨ(笑)」


 「魂だけですか?」


 「カンタンに言うと、山田タロウは死んで、別人として生まれ変わるんダヨ(笑)」


 「どうして、来るときは肉体ごとこれて…帰る時は、魂だけなんですか?」


 「そうダネ。それには世界の成り立ちについて話さないといけナイナ。」


 「ぜひ、聞かせて下さい」


 「じゅあ話はじめよう~」


 以下神様の話(概略)――


 タロウのいた世界は、何度も世界の創造が為されている。創造と言っても、地形から生物の生態系。はたまた、文明の転換などなど。(マヤの暦やインディアンの神話には、なんども世界が滅び、今があるとかないとか)


 また世界が創造を繰り返すのは、神様の世代交代による為らしい。


 あとは、神様ごとに活動方針が違うとの事。(タロウのいた文明は科学が発達していたが、過去には魔法の発達した文明があった)


 タロウと神様の会話戻り――


「ここまでは、解ったカナ?」


「おおよそ解りましたが、なぜ帰りは魂だけに?」


「カンタンに言うと、君の魂は私が創ったもので。君の身体は今の神様が創ったんだよ」


「それなら、俺の存在はオカシイはずじゃ?」


「それは魂は不滅で、神は新たに魂を創造するけど、今まであった魂を用いて生命を創造もする。君のように」


「つまり、自分は後者にあたる存在で、元の世界に帰ると、別人として再創造されるって事ですか?」


「ビンゴ!(笑)その通りダヨ♪」


「なんとか帰れないですか?」


「う~ん、方法が無いわけでもないヨ」


「それは?」


「神の試練をクリアーする。もう一つは、世界に対する大きな貢献をする。そうすれば神様協定で、異世界間通行を許可デキルヨ!」


「では、神の試練とは?」


「異世界ミノスには、幾つか僕の造った迷宮があるんだ。それを全てクリアーすればイイヨ!」


「じゃあ、大きな貢献とは?」


「これは、世界規模の戦や飢饉・疫病を食い止めるとかカナ。要は世界規模の人命救助ダヨ~」


タロウはしばらく悩んだ。


「う~ん、どれも途方も無いなあ」


「ちなみに前世の功績も有効ダヨ~」


「前世ですか?そう言えば、転移門を開いて沢山の人を助けたみたいなんですが…」


「ふ~む、どれどれ…」


 神様はおもむろにファイルを取り出した。ペラペラと捲っている。


 「え~と、キミは沢山の人を救っているね。それも現ミノスの人々の先祖8割以上だ。結論はキミは特例で異世界間の通行を許可できるヨ♪」

 

「やった~!じゃあ帰れるんですね?」

 「もちろん帰れるヨ。オマケに好きな時に、異世界にも行けるヨ♪」

 

「おお~!すげー」


「まあ、異世界間許可なんて初めてだけどネ」


「ありがとうございます」


「あとは、通行許可の特典として、君が前世で得ていた力を行使デキルヨ♪」


「どんな力ですか?」


「そうだねぇ~。説明も飽きたから、しおりにして渡しておくから後で読んで。」


 神様からチョカーが渡される。(革紐に銀製の魚がついている。)


「手に触れて願うとガイドブックが出るから、それ読んで。」


 それからタロウは改めてお礼を言って、転移門を開いて帰って行ったのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ