第二章 心を持ったロボット~Love and hate~ 6話
真っ黒になる空をわたしたちはただ見上げていました。
逃げることも、立ち向かうこともできないまま、わたしたちはただ世界の変化を見ていました。
それは、まるで真っ暗な深海に堕ちていくかのような絶望感。
わたしたちも、世界も暗闇に包まれていきます。
どうしようもない閉塞感中、空に杖に乗った人がみえました。
―――アレクサンダーさんとロビンさんです。
2人の姿を見ただけでわたしは安心しました。
きっと、二人ならこの状況をなんとかしてくれますよね。
ハッピーエンドにしてくれるんですよね。
アレクサンダーさんは剣をかかげ、ヴェンツェンティさんに向かって剣を振りました。
ロビンさんはわたしたちの元に降りてきます。
「ロビンさん!」
「あー、良かった。無事だったみたいだね。」
ロビンさんがほっとしたような表情で笑いました。
「さて、と・・・マグノリアちゃん、ちよっと頼まれてくれないかな?」
と、ロビンさんは部屋の中にあったパソコンを起動させながら言いました。
「このパソコンのパスワードを全部解いて欲しいんだけど。」
「は、はい・・・パスワード、解除!」
わたしが言霊を使うとパソコンのノックが消え、わけの分からない文字が浮かび上がります。
ロビンさんはそれを見ながらキーボードを叩いてました。
「・・・・何をする気じゃ?ロビン?」
ベトット博士がロビンさんの横に立ち、パソコンを見つめます。
「・・・博士には悪いけど、僕、まだ納得してないんだ。ロボットと悪魔が契約できるわけないって。
いくら人に似せて作ったロボットでも、ロボットはロボット・・・人とは違うからさ。」
ロビンさんの手がぴたっと止まりました。
「・・・・・やっぱり。」
と、呟いて、博士を見ました。
「ヴェンツェンティは、悪魔と契約なんかしてない。
ただ・・・「悪魔のような力を持ってしまっただけ」だよ。」
「・・・・それは本当か?」
「うん。今、ヴェンツェンティのデータを見ていたんだけど・・・
結論から言うと、これは悪魔の仕業じゃない。
魔法をかけられているだけなんだ。」
「魔法?」
「・・・・うん、ヴェンツェンティは「心」があるから・・・命令者の命令に背いていたみたいなんだ。
だけど、心の部分を消すことは出来なかった。
だから、魔法で操っているみたいなんだ。」
「どうして魔法を使ったのでしょうか・・・アップデートしてしまえばいいように思えますが・・・」
ワトリーさんが何か考えながら言いました。
「・・・ワシのせいじゃ。
心のプログラム部分は誰にもいじられないように、
厳重なセキュリティをしておる。じゃから、奴らも魔法を使ったのじゃろう・・・」
「そうですね。それに・・・僕の魔法を使われているとは思わなかったな・・」
「僕の魔法?なんですか?」
「ほら!この間話した「感情を操る魔法」だよ!
あの魔法が勝手に改造されて「ロボットを操る魔法」になっているんだ・・・」
「でも、確かロビンさん、あの魔法は自分以外は使えないって・・・・」
「うん。そうだよ。
だって、あの魔法はかなり複雑な暗号化をしているから、魔方陣からじゃ読み取れないだろうね。
でも、新しく開発した魔法は政府に提出する決まりになっているからさー。
魔法の手順書みたいなものは政府に渡したんだよね。
だから、一応政府はあの手順書を元に魔法を使えば使えるんだよね・・・理論上は。
まあ、実際使おうとしてもレベルが高すぎて政府の人には使えないと思っていたんだけどね・・」
「確かに、王宮にいる魔法使いでは、ロビンの魔法は使えないじゃろうな。」
ベトット博士が納得したようにうなづきました。
「・・・・そう思うでしょ!?
それなのに、しっかり解析されて悪用されるなんて・・・・。
・・・ま、ごちゃごちゃ考えてもしょうがないし、さっさとこの茶番を終わらせるね。」
ロビンさんは杖で魔方陣をかきはじめました。
「・・・・これで、ヴェンツェンティ元に戻るのか?」
「うーん、元に戻る、っていうより、
今、魔法で強制的に破壊的興奮状態になっているから、それを落ち着かせる、って感じかな?
さすがにヴェンツェンティの改造された部分は魔法じゃ戻らないよ。」
「・・・・・・あの、ロビンさん、どういう意味なのかちょっと分からないんですけど・・・」
「あー、ごめん、ごめん。
要するにロボットを操る魔法を解除するってこと。
だけど、改造された部分は戻らないから、ヴェンツェンティの悪魔のような力はそのまま残るんだ。」
「ロボットを操る魔法を解除するってことは・・・・街のロボットさんも元に戻るんですか?」
「そうだね。ロボットが人を襲うことはなくなるよ。」
ロビンさんは神妙な顔でうなづきました。
―――良かったです。これで、何もかもが元通りになるんですね。
この街に平穏が訪れるんですよね。
その時のわたしは、これで一件落着になると信じ切ってました。
騒ぎが収まれば、何もかもが円満に終わるだろうとすっかり安心していました。
だけど――――
ロビンさんの魔方陣が完成し柔らかい光が街全体を包みます。
アレクサンダーさんと戦っていたヴェンツェンティさんの動きが止まりました。
「アレクサンダーさーん!もう、大丈夫だよー!町中のロボットは人を襲わないからー!」
ロビンさんが大声でアレクサンダーさんに向かって叫びます。
アレクサンダーさんは剣をしまい、天井の穴からこっちへ飛び降りてきました。
ロビンさんが魔方陣を書いてクッションを出し、アレクサンダーさんはその上に着地します。
「・・・・・解決したのか?」
「うん。ほら、ヴェンツェンティを見なよ。空が真っ黒になっていたけど、元に戻しているから。」
ロビンさんは空を見上げながら言いました。
空を見上げると、確かに、さっきまで真っ黒だった空がどんどんといつもの青い空に変わっていきます。
「・・・・良かった。これで一件落着ですね!」
わたしはすっかり安心してましたが、
何故かロビンさんも、アレクサンダーさんも、ベトット博士も神妙な顔をしていました。
空が完全にいつもの通りに戻り、ヴェンツェンティさんがこちらへとおりて来ました。
ヴェンツェンティさんは、疲れ切ったような顔をしていました。
「・・・・ロビンさん、ありがとう。また、奴らに利用される所だった・・・」
ヴェンツェンティさんは、まず、ロビンさんに頭を下げ、ベトット博士を見ます。
「・・・博士。お願いがあるんだ。」
「なんじゃ?」
「・・・・俺を、壊して欲しいんだ。」
「えっ!?」
ヴェンツェンティさんは、すがるようにベトット博士を見ていました。
それは、嘘でも冗談でもなく・・・・本気の顔でした。
「俺は・・・・とんでもない力を持っている。
あいつらは、それを利用してとんでもないことをしようとしているんだ。だから、その前に・・・・」
「ちょっと待って。あいつらって誰?」
ロビンさんが険しい顔で尋ねます。
「・・・・ノーベルモンデ。」
「・・・この国の政府じゃないの?」
「違う。・・・この国じゃない・・・もっと大きな組織・・・・」
「・・・この国より大きな組織?そんなあるんだ・・・。何をしようとしているわけ?」
ロビンさんが少し意外そうな顔をしました。
どうやら、博識のロビンさんでも思い当たる節はないようです。
「・・・・新世界の創造・・・」
「・・・・はあ。そんなことじゃないかと思ったー。くだらないね。」
ロビンさんが呆れたようにため息をつきました。
「・・・・でも、そうなると、色々疑問があるんだけど・・・答えられる?」
ヴェンツェンティさんは首を振りました。
「詳しいことは分からない。
・・・でも、恐ろしい事をしようというのは分かる。
大地が沈み、残った大地は火で包まれ・・・
ロボットやドラゴンがこの世界の人を襲い、誰も何も残らないまっさらな状態にしようとしているんだ。」
―――なんと恐ろしいことでしょう。
世界はこんなに平和なのに、人も大地も全て無くなってしまうなんて・・・・
「・・・そんな、そんなことをしたら、誰も助からないじゃないですか・・・」
「・・・・なるほど。「世界の終末の預言」を再現しようとしているんだね。」
ロビンさんが納得したようにうなづきました。
「ロビンさん、その、預言っていうのは・・・?」
「古くからこの世界に伝わっているものだよ。
昔、神様の言葉を聞けたという巫女さんがいてね、神様の言葉を代弁して一冊の本を書いたんだ。
それには、未来に起こる出来事を予知したような内容が書かれていて、
その一説に世界の終末のことが書かれているんだよね。
それをマジで再現しようとするバカがいるってことだよ。」
「その本・・・どのくらい当たっているんですか?」
「うーん、まあ色々な説があるけど・・・
僕から言わせればかなり高い精度だと思うよ。ほぼ100%当たっているんじゃないかな?」
「ほ、ほぼ100%ですか・・・・!」
それって、そこに書かれたものは全部当たるということでしょう。
つまり、終末の預言も・・・・・
「でも、いつこれが起こるとははっきり書かれてないからさ。
まあ、今だとは限らないし!それに、それを防ぐ為に僕も頑張るから大丈夫だよ。」
と、ロビンさんは不安そうなわたしを安心させるように笑いました。
少しだけ気分が落ち着いてきます。
「それから、ヴェンツェンティさ、別に君を壊す必要はないんじゃないの?
ノーベルモンデとの関係を切ればいいんでしょ?」
「・・・・切れない・・・。俺は、もう、逃げられないんだ・・・・。」
ヴェンツェンティさんが悲しそうな顔で言いました。
「・・・そういう風に出来ているから・・・。俺は、ノーベルモンデを裏切れないんだ・・・・。」
「・・・そうじゃな。」
ベトット博士が静かに言いました。
「ロビンよ、ヴェンツェンティのデータを見てみい。
確かに、命令に背くことはできるかもしれん。
ただ・・・・定期的にノーベルモンデの施設でメンテナンスをしないと、
ヴェンツェンティの中の「悪魔の力」が暴走してしまうようじゃ・・・・。」
「しかし、博士なら、それを修正することが可能ではないでしょうか?」
「・・・修正することはできる・・・しかし・・・・」
「修正してしまったら、俺は、自爆するようになっているんだ。」
「そんな・・・・」
以前、ベトット博士は言ってました。
命令者の命令に従うだけじゃなく、人間のように逆らったりできるようなロボットを作りたいと。
心を持っているのに、反抗できないロボットなんて・・・・そんなの、ただの道具じゃないですか・・・・。
ヴェンツェンティさんは何も悪くない。
強制的に連れてこられて、わけの分からない改造をされて・・・・・
それなのに、元に戻ることが許されないなんて・・・・
こんな・・・・救いのない結末を、誰が望んでいたのでしょうか・・・・。
「・・ヴェンツェンティ、よう頑張った。もう、頑張らなくていいからな。」
ベトット博士が優しい笑顔でヴェンツェンティさんの頭を撫でました。
ヴェンツェンティさんが穏やかに笑います。
「わしが終わらせてやるからな。」
ベトット博士はヴェンツェンティさんを寝かせて鞄からドライバーを出して胸を開けました。
胸の中の機械をいじると、ヴェンツェンティさんは、静かに目を閉じました。
穏やかに、静かにヴェンツェンティさんは最後の瞬間を迎えました。
ヴェンツェンティさんは、満足そうな顔で笑っている顔で目を閉じてます。
ベトット博士は静かに涙を零しました。
「・・・・どうして、こうなってしまったのでしょうか?ロビンさん、何とかならなかったんですか?」
「・・・・マグノリアちゃん。これは物語の世界の話じゃないんだ。
どうにもならないことなんていくらでもあるんだよ。」
ロビンさんがそっとわたしを諭すように言いました。
本当にどうにもならなかったのでしょうか?
ヴェンツェンティさんを助ける道はなかったのでしょうか?
ぐるぐると思考が渦巻いて・・答えはでなくて・・・・
―――わたしは弱いですね。
何も出来ない自分が情けない。
―――強くなりたい。
アレクサンダーさんやロビンさんみたく、誰かを守れるように。
そしたらきっと―――
「なんて事をしてくれたんだ。」
その時、威圧的な声が後ろから聞こえました。
振り向くと、騎士の姿の男の人が威圧的な表情で立ってました。
「・・・・これは、これは、バンジャマン隊長じゃないですか。どうしてここに?」
ロビンさんが、挑発的に笑いました。
「ベトット博士、貴方の功績は素晴らしいものだ。しかし・・・・約束を破るのはいけませんなぁ。」
バンジャマン隊長はロビンさんの質問を無視して、ベトット博士に話しかけます。
「・・・分かっておる。全てはわしがいけないんじゃ・・・・。
ヴェンツェンティを奪い返しておれば・・・こんなことには・・・」
ベトット博士は、全てを悟りきったような表情で笑いました。
「おい、連れて行け。」
バンジャマン隊長は後ろにいた他の兵士達にベトット博士を連行するように命令しました。
「待ってください!・・・・ベトット博士に何をする気なんですか?」
「・・・これは、これは、お嬢さん、この国のルールを知らないな?
ベトット博士は残念ながらルールを破った。
ルールを破るものは許されない。死あるのみなんだよ。」
「・・・・そんな。」
いくらなんでもひどすぎます。
ベトット博士は何も悪いことしていないというのに・・・・!
ここは、言霊を使って・・・
「おい、やめろ。マグノリア。」
言霊を使おうとしたわたしをずっと黙っていたアレクサンダーさんが制しました。
「・・・どうして!このままじゃ、博士が!」
「マグノリアちゃん、ここで、それを使ったら・・・さすがに僕たちでもフォローしきれない。
マグノリアちゃんだけじゃなくて、皆の命がかかっているんだ。」
ロビンさんが、苦しそうに言いました。
「よく分かっているじゃないか、ロビン。」
バンジャマン隊長満足そうに笑いました。
「・・・・誰かさんが教えてくれましたからね。
どんな英雄や、功労者でも容赦無く殺すってことを・・・・」
ロビンさんは、バンジャマン隊長を睨みます。
・・・・ロビンさん、何かあったのでしょうか?
まるで、バンジャマン隊長を・・・いえ、国を恨んでいるような・・・そんな顔をしています。
そう、それはまるで、大切な誰かを殺されたような――――
「博士・・・・」
「ワトリー。すまない。ワシはもう、お前の完成を見届けることが出来なかった。
だけど・・・お前はもう完成しているはずじゃ。
だから・・・これからは胸を張ってお前の自由に生きて行くんだぞ・・・」
ベトット博士のその言葉を聞いて、ワトリーさんの目に涙が浮かびました。
「博士・・・・博士!」
ワトリーさんはまるで赤ちゃんのように泣き続けます。
そんなワトリーさんを見て、ベトット博士は満足そうに目を細めて笑いました。
「・・・・じゃあな、ワトリー。元気でな。」
ベトット博士は、静かに騎士団の人と共にその場を去っていきました。
―――それが、わたしがベトット博士を見た最後の瞬間でした。
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あれから数日後―――
この街は、事件が起こる前と変わりなく、今日もたくさんのロボットがせわしなく街を徘徊してます。
あの事件の後、ベトット博士は国家反逆者として大々的に報道されました。
街の人は、ベトット博士は、悪魔の力を使ったロボットを作って、
この街を壊そうとしたんだという世論で、全てがベトット博士が悪いことになっていて・・・。
真実を知る者は誰もいません。
これは嘘だという人も、真実を知ろうとする人もいなくて・・・・
まるで―――この事件は自分たちには関係ないという雰囲気で―――
誰もが、嘘を信じて、どこか歪に毎日が動いています。
「・・・ロビンさん、どうしてベトット博士が悪く言われているんでしょう・・・。
だって、博士は何も悪くないのに・・・」
「前にも言ったと思うけどさ、
僕たちがお助けマンみたいな感じで事件を解決してもなんの解決にもならないんだよね。
この街の人がこの街の問題点に気づかない限りは、ずっとこうだと思うよ。」
相変わらず、ロビンさんの言うことは難しくてわたしにはよく分かりません。
・・・でも、なんとなく、理解できた気がします。
ベトット博士の苦悩を知らなければ、ただの国家反逆者。
悪く言われて当然・・・なのかもしれません。
それでも・・・・ヴェンツェンティさんの苦悩を・・・
ベトット博士の決断を・・・だれも何も知らずにただ毎日が過ぎて行くなんて・・・・
こんなの、やっぱりおかしいです。
「・・・結局、誰も救われなかったのでしょうか。」
「そんなことありません。」
ワトリーさんが力強く言いました。
「ヴェンツェンティは、道具ではなく、ヴェンツェンティとしてその生を終えることが出来ました。
博士もきっと、僕が涙を流せたことに対して喜んでいるはずなのです。
確かに、今回の件は誰にも注目されずに、人々の記憶には残らないでしょう。
でも、誰の記憶に残らなくても、僕たちの記憶には残るんです。
だから、きっと、無駄ではなかったはずです。」
「・・・・そう、ですよね。」
わたしたちが、無駄にしなければいいんですよね。
ヴェンツェンティさんが言っていた「ノーベルモンデ」の企みを阻止したりだとか・・・
きっと、やるべきことはあるはずです。
「・・・ところでさ・・・何でワトリーがついてきてんだ?」
アレクサンダーさんが空気を読まずにタバコに火をつけながら言いました。
「あ、すみません。皆さんにはお世話なったので、恩返しをしようかと思ったんですが・・・・」
「恩返しって言われても・・・俺たち何もしてないぞ?」
「いえ!アレクサンダーさんとロビンさんはヴェンツェンティを止めてくれました!
ただの道具から心を持ったロボットに戻れたことは、
ヴェンツェンティにとってはとても嬉しいことだと思います。だから、恩返しをするのです!」
「・・・・いらねえよ。別に。つーか、ついてくんな。」
アレクサンダーさんが不機嫌そうにワトリーさんを睨みつけます。
「別にいいじゃない。ほら、10年前だってこんな風に皆でわいわいやっていたじゃん!
アレクサンダーさんだって、はしゃいでいたくせにー。」
ロビンさんがアレクサンダーさんを茶化すように制しました。
「・・・・昔の話だ。今は違うだろ。俺たちの目的は・・・・。」
「ノー村の事件解決と、ノーベルモンデの野望阻止だね!」
「だから、違う!!ノーベルモンデはどーでもいいんだ!!!
俺は、ただノー村で何が起こったのか知りたいだけで・・・・。」
「はいはい。どうせ乗りかかった船なんだし、別にいいじゃん。
世界が終わったら、ノー村の真実も分からないよ?」
「・・・・・勝手にしろ。」
アレクサンダーさんが拗ねたように言い放ち、
わたしとロビンさんとワトリーさんは顔を見合わせて笑いました。
「さあ、もうすぐ国境だ!久々の国外嬉しいなー!!」
「外の世界は初めてなのでどきどきします・・・。」
「あ、ワトリーさん!わたしも初心者なので、仲間ですよ!」
ベトット博士とヴェンツェンティさんの想いを無駄にしない為にも、わたしたちは前へと進みます。
今は、歪な日常のこの街も――――
いつかは、希望と愛にあふれる平和な未来が来るように――――
その為にも、一歩前へと歩いていきましょう。
END