六話:デジャブとクーデレ
デジャブが復活(笑)
前にも説明したかも知らんが両親は今、なんちゃらなんちゃらとかで
がいこくに滞在中である。
ちなみになんちゃらなんちゃらとか良く意味が分からない?
それはだな……実は、俺も良く分からないんだよ。親
がどんな活動してんのかも。別に興味が無かったっていうのが、一番の
理由なんだが。
で、話を戻すが、必然的に親がいないので、(妹がいるが料理が壊滅的に下手)
俺が料理担当だ。
今はキッチンで、油をフライパンに通しているのだが……。
「あのなぁ虹花。そんな目で見るなよ……集中出来ないんだが」
虹花は俺のする行動一つ一つに目を俺から離そうとはしない。
蛇に睨まれた蛙状態で全然料理に集中出来ん。
「良いでしょ。観察よ観察。それ位したって罰は当たらないでしょ」
まっいっか。冷蔵庫の中には何があるかなっと。
うわっ……冷蔵庫が空だ。
そうだ。今日買い物に行こうとしたんだけどこいつ(虹花)のせいで、
いきそびれちった。
しゃーない。
「ちょっくら買い物に行って来るわ」
クーラーがきいたこの部屋から出るのは少々気が引けるが食糧難なんだ。
サッサと終わらせてくるか。俺は千円を無造作にポケットにしまい
家の外へと飛び出した。
道路を歩いていると星が良く見える。ここから見えるのは、夏の
大三角。
人通りが多くなってくると、ちらほらとカップルが手を繋いで歩いているのが
目にはいる。
『来途君。星綺麗だね!」
俺の頭の中であいつの記憶が蘇る。
ここ歩いてっと嫌でも思いだしちまう。さっさと買い物を済ませるか。
やっぱ夏らしくそうめんに麦茶……そして俺の大好物のチョコミントの
アイスクリーム。
ちなみに最後のは、俺が買いたいからです。はい。俺は、
来た道を帰っていると、
「おい! お姉ちゃん、一緒に遊ばない」
「……」
「姉ちゃん~黙ってちゃ分からないよー」
あれ? どっかで見なかったか? この光景。
よし……ここは回り道を――――
「おっこの前の兄ちゃんじゃねーか」
使えませんでした。
「久しぶりだなー俺達運命の糸で引かれあってるのかもよ?」
そんな糸があったらこっちからはさみでチョッキンしてやる。こうなったら
「うおおおおおおおおお!」
俺は、狂気にも満ちた声で立ち向かって逝った。――――結果は、
惨敗です、俺地にひれ伏してます。
「……弱いですね」
背中までの髪が伸びていて、それでいて目は大きく虚ろ。
世間的に美少女と呼ばれる彼女は冷徹な言葉を俺に放った。
くぅぅぅぅぅぅ! もっと……! もっと……! 俺に力があれば……!
俺は、女が絡まれている所に助け、強制フラグ(俺が半死状態に陥る)でも
立つ体になってしまったのか?
「ま、まぁ、とりあえず今度からはこうなるんじゃ無いぞ」
「……ボロボロの癖に」
ひ、ひでぇ。仮にも助けてあげたのに。こんなときは、「ありがとうございます!
是非お礼でも」では無いのだろうか?
「じゃ、じゃあ俺帰るわ」
「はい」
中途半端な終わり方ですがユルシテクダサイ。