4,再開と終わり
あぁ。この感覚。まるで昔に戻ったみたいだ。
私はめあり。来月から大学1年生だ。私にはここに戻ってやることがある。
あの初恋に会いにいくんだ。もう記憶の片隅にあるくらいの淡い記憶だけれど、覚えてるんだ。顔も名前もわからない、覚えていないけれど、唯一この気持ちだけがずっと離れない。
ずっとずっとあなたのくれた絵を見ては泣いていた。絶対にまた戻るんだって、ずっとそのために努力してきた。
絶対に、あなたを見つけてみせる。また、私に優しい笑顔を見せて。
〜数日後〜
一通り用事を済ませた私は、いつも通り散歩をする。
これ。なんだか懐かしい。あぁ。この公園、よく行ったところだ。あおとと。…あお、と?
「あおと…あおと!」
そう、あおと。約10年前。あおととここで会ったんだ。
涙が溢れてきた。なんか私、泣いてばっかりだ。
泣く?そういえば、あの男子はどうしたんだろう?
「おい…お前、あの時の?」
「あぁ!あのからかいもの!」
「からかいものってなんだよ。なんか、久しぶり」
「うん。ねぇ、私最後にあなたと会った時泣いてなかった?」
「あぁ。そんなこともあったな。ずっと泣いてて、結局変な感じで終わった気がする。」
「それって…家の前の空き地だよね?」
「あぁ。なんでお前がそこで泣いてるのか不思議だったよ。」
「だって、あおとと会えなくなっちゃうんだもん。あおとによく絵描いてもらったところだったから。」
「そういえば、お前一人で喋ってる時あったよな」
「は?」
「そのあおとってやつ俺、見たことないし。」
「え…」
まさか、あおとは、私にしか…?
「あ、すみません!そこの空き地ってどうして空いたままなのか知りませんか?」
あそこのことを知ったら、あおとについて何が分かるかもしれない。
「あぁ。あそこの土地、20年ほど前に火事があってねぇ。その時に10歳くらいの男の子が亡くなったの。幸い、大規模にはならなかったんだけど。」
「はぁ。そうですか…ありがとうございます」
生きている心地がしなかった。何が幸いなのだろうか。あおとが亡くなったっていうのに。
「知っちゃった?僕のこと。」
「っ!あおと!なんで…?酷いよ…」
「これ。もらって欲しい。」
「金木犀…季節外れだね」
「うん。でも、めありが金木犀好きって言ってたから。」
「ねぇ。なんであおとは私の前に現れたの?」
「わからない。けど、僕はずっとこの世を彷徨ってた。でもめありと別れたあと、成仏した。最後に、約束を果たすためにここに来たんだ。ありがとう。僕はめありと出会えて良かった。」
「やだ。行かないで。せっかくここまで来たのに。なんで…あぁ。あおと…」
「さようなら。」
「あおと……ありがとう…」
やっぱり私、泣いてばかりだ。
あの日あなたに出会った
あの日あなたを知った
あの日私は光をみつけた
そして今、光を失った
それでも、どんなに辛くても、私はあなたに出会えて良かった
淡くて愛おしい日々をありがとう。




