3,もう会えないの?
はぁ。うーん。
めありは伸びをして部屋に入ってきた甘原に挨拶をする。甘原、変な風に思ってないかなー。
なにせ、昨日の夜、部屋を飛び出してそのまま寝ちゃったんだもの。
「おはようございます。」
「その、昨日は急に部屋を飛び出してしまってごめんなさい。」
「全く気にしておりませんよ。さ、今日も行くのでしょう?」
「うん、行ってきます」
家の玄関を出るとななめ右に売土地があるけれどそんなところにあおとが?とりあえず、売土地の階段を登って青砥に駆け寄りました。
「おはよう!ってすごい!」
「おはよう。ここの景色綺麗でしょ。僕のお気に入りなんだ…」
「そうなの?それにしても、ここの土地ずっと前から空いてるみたいね」
「あぁ…そうだね」
あおと、何だか元気ない?大丈夫かな?
「また、金木犀?」
「うん。そうだ、この絵もらってよ」
「えぇ!いいの?これきっと売ったら100万くらいするんじゃない?」
「いや、僕はもう、風にはなれないから」
「え?もう絵、出さないの?」
「うん。」
「そっか。少し残念だけど金木犀すごく嬉しい!あっ、そろそろ戻るね」
「またね」
〜夕食時〜
「甘原〜今日の夕食は〜?」
「めあり様、残念なお知らせがあります。」
「えっ?」
「お父様とお母様のお仕事の都合で…」
「いや!!」
「…」
「まだ3ヶ月くらいしか経っていないじゃない!それに、あおとと…またねって…」
「来週にはもう…今回も少し遠くになるそうで」
「そんな…って、甘原は彼氏さん、いいの?遠距離になるんじゃないの?」
「仕方ありません。私の恋愛より、めあり様の方が大事です。私はお別れしてきました。」
「そんなバカな…昨日まで、あんなに…」
「明日から荷物をまとめ始めます。引っ越す前にそのあおと様にも…」
「わかった…もう今日は寝るね」
「はい、おやすみなさいませ」
〜翌朝〜
めありは朝、いつもよりも早い時間に売土地へ向かいました。
「今日は、悪いお知らせがあるの。」
めありはあおとに引っ越しのことを話せるだけ話しました。公園へ向かいながら。
いつものベンチにいつもの金木犀。なのにいつもとは違う空気感。あおとは何も言いませんでした。
バイバイ、あおと。素敵な時間をありがとう。
バイバイ、初恋の人。素敵な恋をありがとう。
流石に口には出しませんでした。色々な意味を含めて言えないもの。
「いやだ‼︎」
「えっ…」
「いやだ。だってめありは…僕の…大切な人だから。いやだ。会えなくなるなんて、絶対。」
「…ありがとう。」
その日は二人で泣いて、泣いて、泣いて。ずっと二人で何時間も泣いていました。途中、いつもの嫌なやつが通りかかり、不思議そうに見つめてきました。
「おい、お前なんでそんなとこで泣いてんだよ」
「めあり、今度引っ越すの!放っておいて!」
「え、引っ越し?…」
「って、もうお昼過ぎ…?」
「とりあえず、じゃあな…」
「あっ。うん。…ねぇ。あおと。めあり、ずっとこうやって二人でいたい。あおとはめありの大切な人だから。だから、また、会おうね。絶対。」
「うん。」
「わっ…」
抱きしめられてる…?あおとに?……あぁ。やっぱ好きだな。めありはあおとが…好きなんだ。
「これ、もらって…いつか渡そうと思って」
「これって…」
「じゃあね。ずっと待ってる」
「またね。」




