次に天使は動いた 天使ってさいろんな漫画とか本とかに出てくるけどその度に解釈全然違うよねってタイトル長っ
あなたの読んだ漫画とか本に出てきた天使はどんな天使でしたか?
とりあえずまずは、23㌔南にいって今死にそうになっているおばあさんの顔を一度拝まなきゃ。でも、二十三㌔とはちょっと遠いなぁ……。まいっか、羽使っちゃお。
――羽よ、開け――
バサッバサッ
両羽がすっと開いて行くのを感じる。私は天使。羽根を持っている。といっても、開くのはこうやってちょっと願えばすぐできるのである。だから、少女漫画で出てきた天使たちがかわいそうだ。本当に。魔法陣かいたり、羽の種無くしちゃって地上をさまよったり、変な呪文唱えたり。本当に可哀想。
そんなことを思ったりしながら、灰色の雨が降りそうな空を飛ぶ。ついでに言うとこの姿は普通に人間にも見える。それに、羽を使うのは結構疲れる。だから、あんまり使わないでいるべきなのだがやはり歩いて行くのは面倒くさい。それに、ここは人口の少ない農村だし。第一高度高かったら見えないでしょ。
でも、23㌔は結構遠い。羽を使っている私がいうことでもないような気がするが。そのとき、額に水が当たった気がした。気のせいだと思ったけど、今度は鼻の頭にも当たる。雨かよ……。テンション下がるんだけど。あぁ、早くばあさんのところに着きたい。少なくとも屋根はあるだろうし。
とか思っていたら以外にも早くばあさんがいると思われる民家が見えてきた。羽すご! といっても黒いワンピースも髪の毛もびしょぬれ。羽も雨を吸い込んで重くなっている。天子の敵は悪魔より雨なのかもしれない。でも、そんなこと気にしている余裕はない。死神より早く着かなきゃ。ま、それより前に羽を何とかしなきゃね。
――羽よ、閉じろ――
バサッバサッ
羽はすっと閉じて行く。体がいっきに重くなり、地面に近づいて行く。
「イタッァ」
着地は失敗。しりもちをついてしまいワンピースは土でかなり汚れてしまった。だけど、気にしている余裕はない。目の前にある茶色い屋根の小さな家(小屋とでも言うのかな)、しかも水車つきのなかに私は入ろうとした。でも、ドアが開かない。雨を吸い込んで体積が増えているのかな?
「だれか動ける人いますか? 」
とりあえず言ってみたけど応答はない。ちっ、ドアけち破るしかないのか。まぁいいか。仕事だし。ついでに、私天使には特別な能力はほとんどない。せめて羽が使えたりするぐらい。だから、漫画の天使たちはいいんだよね。幽霊見えたり、シールド貼ったり、願いがかなったり。嗚呼、ずるいずるい。
まぁそんなことは関係ない。しょぼいけど、ドアに体当たりする。一回、三回、七回、十五回……。全然あかない。
「お前天使か? 」
背後からふいに声をかけられた。この声は、多分……。
「死神、か弱い乙女がドア破ろうとしてんの手伝わないなんて最低だな」
冷静に言ってみる。
「お前の何処がか弱い乙女なんだよ。まぁいい。どけ」
そう死神は言うと私を投げ飛ばす。
「ちょっと、ひどい! 」
そんなこといっているうちに物が砕ける音がした。多分、死神の鎌でドアを壊したのだろう。ついでにこの死神の場合は名前だけが死神の鎌なのではなく、まじめに鎌を持ち歩いている。
「ほらあいたぞ」
「ありがとさん」
「それだけかよ」
……私は民家に入って行く。すると、中には一人中年男性がいた。かなり太っている。つまりは、私の天使の勘は外れたらしい。まぁ、場所はあってただけましだけど。
《これが天使……》
「そうよ。私は天使」
にこっと笑ってみせる。すると中年男性も笑った。
《俺、死ぬのか》
「死神さん、よろしくね」
「おう」
そういうと死神は目を閉じ念じる。そして、目を開けた瞬間釜を中年男性に振り下げた。
すると、その中年男性の体から二つの光が出てくる。黄緑の光とピンクの光。死神は黄緑の光を手で掴みポケットの中に入れた。私はピンクの光を掴む。そして目を閉じ願う。
――光姫様。こちらが本日の記憶です。どうぞ、お食べください――
そう願うとその瞬間ピンク色の光は消えた。光姫のところにいったのだ。
「仕事終了、さっさと帰ろう。天使、またな」
死神はさっさと帰っていく。私は……、ここでもう少し雨宿りかな。




