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天使だって、無力  所詮少女

私は天使です

でも特別な力なんてほとんどない

人間以下なんです

 助けなきゃ、といっても私には手段が無い。助けるといってもそもそもあいつが今、何処でどうなっているか全く予想もつかない。私には生きる最低限の知識程度しかもっていないし、光姫様に尽くすための力しかない。私は所詮無力なんだ。私は所詮小さな一少女でしかないんだ。天使と名をうってもそんなもんなんだ。漫画の世界ほど天使って強くも優しくもないし、そんな天使も存在するかもしれないけど私は違う。私は……悲しむことぐらいしかできない。

 だけどさ、助けたい気持ちが本物っていうことも分かる。助けたいという気持ちがうそでないことは事実なの。絶対の……。うぅなんか泣きたくなってきた。目が熱くなって頬が熱くなって鼻につんてきてって駄目。今はまだ違う。今はなくときじゃない。せめて、あいつとの幸せのときを過ごしたあの岡まで耐えよう。

 ここで泣くなんて悔しすぎる。

「とにかく、行こう。岡に……」

 岡に行けば何か分かるかもしれない。岡に行けば奇跡が起こるかもしれない。そんな事を考えてしまう私がとても情けなかったけど、でも少しぐらいそういう確率を信じてもいいよね? 少しだけ、ほんの少しだけ……。

「おぃまてこらぁ、授業中に学校を抜け出すとは一体どういう両天を持ってんちゃかあぁ!?」

「えっと、それをいうなら両天ではなく了見では……」

「細かいことを気にすんなちゃかぁ」

 追っ手が来た。私なんかという呪いの子にまさか追ってなんかがくるとは思ってなかったよ。しかも、学校一うざいと生徒たちには言われている口癖がなぜかちゃかぁの自称熱血教師こと熱田太郎がくるとは思っていなかった。嫌だなぁ……正直こういう人におわれるのって。天使パワー使いたくなるな……。足速いし。私の足の速さじゃ絶対逃げ切る前につかまるし。


――早く来て――


 その時、頭の中に何時もの声が響く。助けを求める死に逝こうとしている人の声が……しかも何故か聞き覚えがあるような気がする。でも、その声を聞いたとき私には天使パワーの活用が許される。

 場所は岡、何時もの岡。被害者は多分少年。よし、飛ぶぞ。


――羽よ開け――


 バサっという何時もの音をたて羽は開く。そして飛ぶ!! 右足で踏み出していっきに……。


その時既に、物語はまもなく終ろうとしていた。

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