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48話 同期

オレが高校に通い始めて6日日が経とうしていた。この間、2回の告白をうけていた。およそ3日に1回の割合だ。


ちなみに、オレが通っているのはA市立第一高等学校。生徒数約600人程度の中規模校だ。


神乃さんはというと、バスケットボールの推薦でB市の私立高校に通っているため、高校に進学してからはまだ会うことができていない。


そんなオレの高校生活に不穏を予感させるようなニュースが入ってきたのはつい三日前のことだった。  


家族で夜ご飯を食べていた時の何気ない会話の中で、同級生だった田中と山本が行方不明になっていることを知ってしまったのだ。


母の話によると、捜索願いが出されて2週間近くたっているのに、未だ何の手がかりも見つかっていないらしい…。


「スラ、田中と木村のことで何か分かったことはあるか?」


(今のところ何も見つけられていないっす。)


登校途中のオレは、頭の上の透明化したスラと話していた。はた目には独り言を言っているようにしか見えないが、耳にイヤホンをつけ通話中に見えるようにしてごま化している。


「村田もいなくなってるんだよな?」


(そのとおりっす。)


「村田がいなくなったのと、田中たちが行方不明になったのは関係あると思うか?」


(なんともいえないっす…。ただ、村田の家族は年明けにはA市から姿を消しているっす。)


「それって、引っ越したってことか?」 


(村田の家や工場が売りに出されているので、引っ越したと思うのっす…。ただ…)


「ただ…なんだ?」


(その後の行方がたどれないっす。)

 

「それって、家族ごと行方不明になっている可能性があるってことだよな?」


(そこもなんとも言えないっす…)


スラにはめずらしいあいまいな返答に、オレは若干の不安を感じつつも、話題を変えることにする。


「そうだスラ、今日帰りにクレーンゲームしにいくか!」


「ほんとうっすか!」


急にテンションMAXのスラ。

分かりやすい奴だ。


きっかけは週末に天音とアミューズメントパークへ行った時のことだった。


たまたま(透明状態の)スラが操作したクレーンゲームで、天音の欲しがっていたヌイグルミをゲットしてしまったのだ。


操作するふりだけをしていたオレも、『お兄ちゃん、ありがとう!』と大喜びする天音を見て正直悪い気はしなかった。


そしてその夜からスラの特訓(自称)が始まった。

まぁ、特訓といってもクレーンゲームの攻略動画をひたすら観ているだけの視聴会だったのだけれど…


そんなテンション上げ上げになっているスラと、クレーンゲームの攻略方について話しながら歩いていると、あの声が聞こえてきた。


(クレーンゲームならオレ様も行きたいぞ。)


(ザジさん、目覚めたんすねっ!!)


スラのテンションを更に上げたのは、卒業式以来ずっと眠りについていたザジだった。


「ザジ、久しぶり、いや、おはようか?」


(フフ、どちらでもいいぞ。)


「魂の同期シンクロは終わったのか?」


(それなんだがな、もう少し時間がかかりそうだ。なんせお前さんの魂はなかなか特殊だからな…。まぁ、居心地は悪くないんだが…)


オレはザジのぼやきのような独り言を聞きながら、魂の同期シンクロについて思い出していた。


それは、卒業式後の魔人化と同時に始まっていたらしい。あの時オレは、オレの魂を侵食しようとする何かにあらがっていたのだけれど、それが同期シンクロ開始の合図だったようだ…。というのをその後スラから説明された。


ていうか、そういうことは最初に教えておいてほしいと思ったが、起きてしまったものはしょうがない。


オレは腹を決めて同期シンクロ中のザジが目覚めてくるのを待っていたのだ。


「ザジ、同期シンクロの途中なのに、何で起きてきたんだよ?まさか、本当にクレーンゲームをしたいからなのか!?」


(フフ、オレ様をみくびるなよ。オレ様が眠い目をこすりながらも起きてきたのは、お前さんが賜物ギフトを手に入れたことを知らせるためだよ。)


「まじか!!」

それを聞いたオレのテンションも上がり始める。


(お前さんが手に入れた賜物ギフトは『デリート【削除】』だ。)


「デリート…!?」

それって、食後にでてくるやつか…。


(それはデザートだ!)


じゃぁ、砂だらけでラクダが歩いていたりする場所…


(それは砂漠デザートだな。というか以蔵よ。お主せっかく手に入れた賜物ギフトを軽くみていないか!?)


「だってオレは、『クリエイト【創造】』みたいなチートな賜物ギフトを期待してたんだよ…。」


(お前さん、本当に何も分かっておらんな。『デリート【削除】』は、使い方次第で世界を滅ぼしかねない超レアな力なのだぞ!)


「いや逆にそんなやばそうな力なら、欲しくなかったんですけど…」


(ヌヌ、お前という奴は、ああ言えばこう言う…!)


そんなオレとザジの平行線なやりとりを見かねてか、スラがある提案をしてきた。


(以蔵さん、ものは試しっす!『デリート【削除】』の力一度を使ってみたらどうっすか?)


「それもそうか…」

オレもいろいろ言ってはいたが、実際どんな力なのかは気になっていたのだ。スラの提案を渡りに船とばかりに、オレは『デリート【削除】』を使ってみることにした。

































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